クラリネット

クラリネットの初心者の方に本当におすすめしたいスケール本は何か考えてみた

こんにちはクラリネットのクズシマです。今日はクラリネットの初心者に本当におすすめしたいスケール本について書きます。

クラリネットのスケール、音大入試にはアイヒラーが定番。初心者にはランスロの「クラリネットの初歩」とおすすめするのが一般的でしょう。

ランスロのクラリネットの初歩


ランスロ/クラリネットの初歩

クラリネットの初心者の方は、スケールはこちらのランスロの「クラリネットの初歩」エチュードは同じくランスロの「26のエチュード」をセットで練習するというのが定番でしょう。

ランスロの「クラリネットの初歩」は音階がしっかり鍛えられて、クラリネットを上達するにはとても良いスケールの本です。ですが、練習するのに時間がかかると思います。

もちろんクラリネットの確実なテクニックをつけるのには時間がかかります。しかし、部活などで時間がない中、「クラリネットを最短距離で上達したい!」という方にとってこの本は時間がかかりすぎるかもしれません。時間があったとしても、クラリネットを始めたばかりの初心者の方とって、この本を終えるのにはまぁまぁ根気がいるのではないでしょうか。

いろいろな調のスケールを練習することが大切

クラリネット初心者の方は、まずは普通の音階(ドレミファソラシドの順次進行の音階)をいろいろな調で練習することが必要です。

「いつも練習している♭B-durは上手だけれど、ほかの吹き慣れていない調の曲は全然吹けない」という方が吹奏楽部には多くいるのではないでしょうか。

簡単なものでも良いので、とにかくいろいろな調でスケールを練習することは必須です!!!なぜなら、みなさんがこれから演奏する様々な曲は様々な調性でできているからです。たくさんスケールを練習した調は吹き慣れます。そしてそのテクニックは必ず曲を吹くときの助けになってくれます。

そこで私が考えた吹奏楽部のクラリネット初心者の方におすすめするスケール本は‥‥

3Dバンド・ブック


3Dバンド・ブック B-flat クラリネット

中学や高校にこの緑色の本が置いてある学校もあるのではないでしょうか?3Dバンド・ブックはスケール本というよりは、合奏でも使える総合的な基礎練習本です。

3Dバンド・ブックの10ページ以降は1ページにつき、ひとつの調性をしっかり練習できるようになっています。

クラリネットのスケール練習として3Dバンド・ブックが効果的?

クラリネットの初心者のときから色々な調でスケール練習をすることは必須です。しかし、市販のクラリネットのスケール本は16分音符が並んだ難しいものばかりです。簡単な音階で良いのでとにかく繰り返し色々な長の音階を練習するのには、3Dバンド・ブックが良いと考えました。

まずは3Dバンド・ブックの二分音符の音階

10ページからはじまる音階などが乗っているページの、1番を練習してみましょう。ハ長調から始まり、ページをめくっていくごとにシャープやフラットが多くなっていきます。1番だけで良いので、3Dバンド・ブックに乗っている調を全部練習してください。覚えてしまうくらい練習しましょう。音階練習は音を追うだけでなく音程をとる練習にもなります。

次に3Dバンド・ブックの八分音符の音階

二分音符で音階を吹くのが余裕になってきたら、10ページ以降の各音階の3番を練習しましょう。本の右側のページの短音階は3番と4番の両方練習しましょう。こちらも3Dバンド・ブックに乗っているすべての調をしっかりと覚えるくらいまで繰り返し練習しましょう。

もし、右側の短調のスケールが大変でしたら、まずは左側のページの長調のスケールからマスターしましょう!

スラーとタンギングの両方練習しましょう

この楽譜にはスラーが書いてありませんが、3番のスケールは、
・スラー
・タンギング
の両方のパターンで練習することをおすすめします。スラーで吹くときは滑らかに音がつながるように意識して練習しましょう。タンギングで吹くときは、指を動かすタイミングと舌を動かすタイミングがしっかり合うように意識して練習をすると上達できますよ。

まとめ

クラリネットの初心者の方も「色々な調性のスケール練習」をすることが必要です。なぜなら、色々な調のスケールを練習して吹き慣れると、曲を吹くときに対応力がついてすぐに吹けるようになります。
「早く上達したい!」というクラリネットの初心者の方におすすめのスケールは、3Dバンド・ブックです。スケールはまずは単純なものでも良いので、とにかく色々な調で吹けるように、覚えてしまうまで練習しましょう。


3Dバンド・ブック B-flat クラリネット

クラリネット初心者こそエチュードを練習しよう【ランスロ26のエチュード】【グルーサン】

iPhoneでもできる複数人の多重演奏録音動画の作り方【音ズレを防ぐ手順と方法 】

別々に演奏をしたものを、まるで同じく空間でアンサンブルしているように聞こえるように編集した多重録音動画。

動画編集のプロではない私でもできた「複数人でも音ズレを防ぐことができる多重演奏録音動画の作り方」をご紹介します。

私はMacを使用しましたが、今からご紹介する方法はiPhoneだけでも録音・編集可能です。

多重録音動画を作るのに必要なもの

テレワーク演奏動画の作り方の前に、必要なものをご紹介します。

※かっこ書きになっているものは、なくても制作可能です。(もしあれば、よりクオリティの高いテレワーク演奏動画が作ることができます)

録音機やカメラ

iPhoneなどスマホでもOK。

私はMacにマイクをつないで録音、動画は録音とは別に後でiPhoneで撮影しました。

私以外の人はiPhoneなどスマホカメラで演奏動画を撮影しています。

相手の演奏を聴くための機材

テレワーク演奏をするときは相手の演奏を聴いて演奏します。iPhoneのカメラで動画を撮影するとしたら、他に演奏を流す機材(パソコンなど)が必要です。

イヤホン

他の人の演奏を聴くためにイヤホンやヘッドホンが必要です。

編集アプリやソフト

私はMacやiPhoneに元々入っているGarageBandと、有料の動画編集アプリのFinal Cut Proを使用しました。動画編集は無料アプリでも十分です。例えば、iPhoneなら元々入っているiMovieでOK。

(スマホスタンド)

撮影するスマホはスタンドに立てられたほうが良いです。譜面台などに立てかけることもできるかもしれませんが、下から煽るようなアングルになってしまうので、見た目の点であまりよくないです。



スマホを立てるスタンドがあると、自粛期間中、ビデオ通話や会議をスマホでおこなうときに便利です。2,000円台くらいで購入可能なので、ひとつくらい持っていてもいいかもしれません。



ちなみに私はこちらを使用しています。立奏することを考えると、こちらのスタンドのようにしっかり背が高くなるものがおすすめです。


三脚 スマホ三脚 リモコン付き ビデオカメラ 一眼レフカメラ ミニ三脚 さんきゃく 3WAY雲台 4段階伸縮 360回転 収納袋付きiPhone/Android スマホ等対応

(マイク)

楽器の音は大きいので、iPhoneなどスマホで録音をすると部分的に音が割れてしまうおそれがあります。

しかし、この動画では、私(動画の1番右、1stパート担当)以外の人はマイクを使用せずスマホだけで撮影をしています。部分的に音が割れているところもありますが、スマホとの距離を考えれば、マイクなしでも十分でしょう。

このようなiPhone接続用のマイクがあれば簡単に音が良くなります。こちらのZOOMのマイクは管楽器専門誌poco a poco2020年5月号でも取り上げられていて、コスパが良いことから、使っているミュージシャンも多いです。


ZOOM ズーム MSステレオマイクロフォン iPhone / iPad 用 iQ7

私が使用しているマイクや機材についてはこちらの記事でご紹介していますので、「何のマイクを選んだら良いかわからない」という方はご覧ください。

複数人での多重演奏録音動画の作り方

それでは、いよいよ複数人のテレワーク演奏動画の作り方をお伝えしていきます。

完成形の動画の画面をどんな配置にするのかを考慮して、「縦横どちらの向きで撮影してほしいか」を撮影前にメンバーに共有しておきましょう。

ベースになるパートの人に演奏して動画を送ってもらう

今回はクラリネットカルテットの演奏で、ほとんどバスクラリネットがベースのリズムを演奏していたため、はじめに演奏してもらいました。
テンポキープに自信がない人は、(録音に入らないように)イヤホンでクリック(メトロノーム)を聞きながら演奏してもいいでしょう。

ベースの演奏に合わせて1stパートをして重ねる演奏

バスクラリネットの演奏している音源を送ってもらったので、その動画に合わせて私が1stパートを演奏しました。

私は通して演奏できる自信がなかったので、GarageBandを使って少しずつレコーディング形式で音だけ録音していきました。みんな5分以上ある曲をノーミスで吹いていてすごい‥‥。

演奏動画は、音とは別に後から撮影しています。

失敗談?と裏話

この曲のアレンジはメロディーがはじめに演奏してもらったバスクラリネットから始まります。しかし、リズムが難しすぎて上手に合わせられなかったので、はじめのワンフレーズはバスクラリネットのソロにしてしまいました。

2つのパート(バスクラリネットと1st)を合わせた音源にさらに重ねる

はじめの音源に私(1st)パートを重ねたものを2ndの方に送り、それに合わせて演奏してもらいました。私以外のパートを演奏してくれた方はみんなカメラ機能のみで撮影しています。(拍手!)

演奏してもらったものをGarageBandで音だけ重ねて3パート分の音源が完成しました。同様に、3rdの方に音源を送り演奏してもらった動画を送ってもらいました。

※1パートずつ重ねていくほうがしっかり音が合う

はじめに演奏したバスクラリネットの音源にそれぞれが合わせて演奏する形でも、テレワーク演奏動画は作ることができます。

しかし、リズムが複雑でズレてしまうことをおそれ、順番に重ねていく形をとりました。こちらの方法の方が、音のズレは少なくなります
同じ空気の中で演奏していないテレワーク演奏では、同じ音を聴いて正確に演奏しているつもりでも、少しずつズレてしまうのです

以前別のものを編集したときに音のズレがあり、上手くできなかった経験があるので、手間が増えますが、順番に重ねていく形を選びました。

リズムだけでなく、こちらの方法のほうが、音程も合わせやすかったです。

全てのパートの音を編集する

演奏してもらうようにラフに音源を重ねていましたが、最後に丁寧に音を編集していきます。それぞれ、録音環境が異なるので、できるだけ同じように聞こえるように、音量や音の近さなどをGarageBandで編集して、音の部分だけを完成させていきます。

※音量の調整だけでしたら、動画編集アプリでもできますが、リバーブのかけ具合や音色の調整などはできません。また、動画編集アプリでの作業が増えるとアプリの動作が重くなってしまうので、先に音源だけ編集する方法をとりました。

動画編集アプリで絵(動画)を合わせる

音源が完成したら、最後に絵の部分(動画)を合わせていきます。動画編集アプリを使用して、
・まずは音源をアプリに挿入、次に動画を挿入
・音源に合わせて、動画のタイミングをひとつずつ合わせていく
・動画を全て消音に設定する
・最後に画像の分割など見た目の編集

以上で完成です。以下の画像はFinal Cut Proの作業画面です。タイミングと分割の簡単な編集作業のみでしたら、iPhoneの方は無料アプリのiMovieで十分できます。

完成した動画はこちら

ご紹介した多重演奏録音動画編集のポイント

多重演奏録音動画の作り方はさまざまな方法があります。今回ご紹介した動画編集のポイントは以下の通りです。

・音ズレを少なくクオリティの高い演奏にするため、ひとつずつ順番に音を重ねていった
・音質や音量をより精密に合わせたかったので、動画とは別に音源だけ先に編集をした

まとめ

多重演奏録音動画はiPhoneだけでも作成可能です。
元になるパートの人が先に演奏して、少し手間かもしれませんが、順番に重ねていくと、音ズレを防ぐことができます。

編集をして、途中段階のものを一緒に演奏してくれた仲間に送るたびに「音が重なって感動した!」と言ってもらえて、嬉しかったです。

テレワーク演奏動画を作ってみたいという方はぜひ試してみてください。

クラリネットをしばらく吹かないとどうなる?【楽器のブランク明けに気をつけたいこと】

クラリネットのブランクについてです。今、自宅で楽器演奏ができず、「このままずっと練習しなかったら、どうなっちゃうの‥‥?」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

1日練習しなければ自分に分かる。
2日練習しなければ批評家に分かる。
3日練習しなければ聴衆に分かる。

アルフレッド・コルトー(ピアニスト)

という名言を一度は聞いたことがあるかもしれません。

まぁ、クラシック奏者目線で言えばごもっともではありますが、長い人生の中でクラリネットを吹けなくなる時期もあるでしょう。それに、誰もが毎日クラリネットを練習できるわけではありません。

クラリネットはしばらく吹いていなくても、また吹けるようになります

大切なことは、ブランク明けの練習方法です。

ブランク明けは、練習の仕方に気をつければ、以前よりも上手くなれるチャンスです。
しかし、以前までの方法や間違った身体の使い方をしてしまうと、ブランクを乗り越えるのに必要以上に時間がかかってしまったり、身体を壊してしまったりするおそれがあります。

この記事は、私が経験したブランク明けの失敗や、困ったことなどをご紹介するとともに、失敗の体験から学ぶブランクの乗り越え方、ブランク明けの練習方法についてお伝えしていきます。

はじめてのクラリネットのブランク

私は中学生のときにクラリネットを初めて以来、約15年間クラリネットを1週間以上吹かなかったことはありませんでした。

しかし、クラリネット奏者として生活をしている最中、肋骨を3本折る怪我をしてしまい、2週間近く楽器を吹かないという体験を初めてしました。

楽器のブランクというものを初めて経験した私は、「また、練習すればすぐ吹けるようになるでしょ」と、自分を過信して、吹けるようになって2週間くらいで本番の予定を入れていました。

怪我が回復してからは、いつも通りに練習をし、本番に挑みました。

ブランク明けにクラリネットを練習したとき、はじめは少し息が続かなかったり疲れやすかったりしましたが、数日練習しただけで「もとに戻った」と感じることができました。

しかし、事件は本番のステージ上で起きました。

あれ?上手く吹けない?

某オーケストラのオーディション、演奏曲目はモーツァルトの「クラリネット協奏曲」もう何十回、人前で吹いたかどうかわからないくらい、頻繁に演奏する曲です。

クラリネットのソロに入ろうと息を吸ったときから、早くも身体に違和感を感じました。

「息の吸いが浅い」「いつもなら本番でちょうどいいくらいのリードが厚くて苦しい」「指がいうことをきかない」「息がもたない」

演奏中の私の頭の中はパニック状態でした。
確かに、練習期間は少なかったですが、「私なら本番では力を出せるだろう」と勝手にたかをくくっていました。

本番は大失敗。もちろん、オーディションに受かるはずもなく、「私はブランクを乗り越えていなかったんだ」とこの時点で気付くのでした。

なぜ失敗したか

約15年間クラリネットを休まず続けていた私は、自分の身体の状態を注意深く観察することを怠っていました。

クラリネットのブランク明けに練習するときも、自分の身体に少しの違和感を感じながらも、今まで通りの練習を続けていました。

もちろん、いろいろ奏法を研究したり、より良い音を出すためにはどんな風に吹いたら良いか考えたりする毎日ではありましたが、いろいろな技術は無意識でできていました。

楽器をもてば、深い呼吸をし長い時間息を吐き続け、楽譜に書いてある音を目で追うと同時にほぼ無意識で指は動きました。

しかし、クラリネットをしばらく吹かないと、それらの無意識でできていたことを身体が忘れてしまっているため、もう一度意識を持たないとできません

クラリネットをしばらく吹かないと、上手く吹けなくなっているのはあたり前のこと

過去の自分の失敗から、クラリネットのブランク明けの練習に大切なことは、力ずくでブランクを乗り越えようとしないことだということを感じました。

「息が持たない」「指が回らない」「アンブシュアがキープできない」

このように感じても、焦る必要はありません。ブランク明けは急成長していくので、今日よりも明日、明日よりも明後日のほうがクラリネットを上手にできるようになります。

クラリネットのブランク明けの練習方法

ブランク明けに難しい曲を無理やり吹こうとしたり、身体が悲鳴を上げているのに長時間練習したりすると、変な奏法のクセがついてしまい、後々苦労することになります。


自分にとっての正しい奏法を再確認すること
・自分の身体の状態をよく観察すること

以上のふたつのことに気をつけて練習をおこなっていけば、クラリネットのブランクを乗り越えられるどころか、以前までの自分の弱点や苦手なことを克服できることもできるでしょう。ブランク明けはとにかく謙虚な気持ちで練習のが良さそうです‥‥

自分にとっての正しい奏法を再確認すること

クラリネットのブランク明けは「前の自分に戻ろう」と思うのではなく、新しく「理想の演奏を目指そう」と考えると良いでしょう。

以前の自分の演奏は、自分の理想ですか?

せっかくクラリネットと距離を置いて、良いことも悪いこともリセットできたのですから、良いことは残しつつ、自分にとってのより正しい奏法を身につけていきましょう。正しい奏法は自由な演奏を叶えてくれます。

・呼吸法
・アンブシュア
・姿勢や構え方

など、自分がクラリネットで最大限のパフォーマンスできる奏法を考えて、それを実践してみましょう。以前までの、奏法で直したいことがあれば、ブランク明けはチャンスです。悪いクセとおさらばして、新しいより良い自分になるのに、ブランク明けは絶好の機会でしょう。

ロングトーンやスケールなどの、単純な練習のときに、奏法を意識的に改善していきましょう。

自分の身体の状態をよく観察すること

クラリネットのブランク明けに変なクセがついてしまわないように、注意深く練習を積み重ねていく必要があります。

自分の身体をよく観察してみてください。

「観察する」というのは、鏡を使って視覚的に見ることだけではありません。

・息を吸ったときの身体の動きかた
・ロングトーンをしているときのアンブシュアの状態
・難しいパッセージを吹くときの身体の使い方
・息が苦しいと思ったときの身体の状態
・緊張しているときの、自分の身体や心の変化

クラリネットを吹いている自分の状態をしっかり感じましょう。

なぜ、「観察すること」が必要かというと、クラリネットのブランク明けは無意識に身体に無理をさせてしまいがちだからです

正しくない方向へ力が入っていたり、無理な姿勢で演奏をしていたりすると、身体を壊す原因になりますし、楽器の上達の効率が悪いです。

練習をしていて「今、余計なところに力が入っているな」などと気づくことができたら、一度楽器を置いてストレッチをしてみるなどしてこれ以上無理を積み重ねることにストップをかけましょう。

クラリネットのブランク明けは自分の奏法を正しい方向へ導くチャンスです。
ロングトーンを多めにする、スケールをゆっくり吹いてみるといった自分の身体を観察しやすい練習を多めにおこなうようにしましょう。

自分にとっての正しい身体の使い方を無意識でもできるように、ブランク明けはこれまで以上に意識を張り巡らせて練習をおこないましょう。

音楽家が本気でYouTubeを始めるときに知っておきたかったこと【動画制作にかかる時間や費用、アクセス数】

去年末、2020年はYouTubeの年だーー!と各ビジネス界のカリスマたちが口をそろえて言うので、クラリネット奏者で音楽家の私もYouTubeを始めてみることにしました。


せっかくやるなら収益化を目指そう!と思い、本気ではじめることにしたのですが、これが意外と大変でした。

もしもタイムマシーンがあるのならば、YouTubeを始めたばかりの私に、やってみないとわからなかったYouTubeの大変さを教えてあげたいと思い、まとめてみました。

1.動画編集めちゃめちゃ時間かかる

私はクラリネットの上達方法のハウツー動画を発信するチャンネルを運営しているので、トークをする動画を中心に撮っています。しがないクラリネット奏者であり音楽家の私には、アドリブで説得力があって人に伝わる話をするスキルがないので、動画は全て原稿を書いて撮影をしています。

動画の構成を考える→原稿作成→撮影→編集→サムネイル作成→概要欄の作成

といった流れで動画を制作しています。初めてきちんと作ったこの動画は、上記の内容の作業に15時間以上かかりました。

音楽家としての生活を両立していくのであれば、練習時間や他の活動との兼ね合いが難しいところです。

音楽家が本気でYouTubeを始める前に、「何のためにYouTubeをやっているのか」ということを自分の中ではっきりさせておく必要があると思います。

ちなみに私は「誰かの勇気になりたい」という気持ちで動画やブログの発信を続けています。

毎週作って投稿している今(初めの動画から2ヶ月経過)でも、1本の動画にかかる時間は約8〜12時間くらいです。(構成・原稿作成約2〜3時間、撮影約1〜2時間、編集約5〜7時間)

2.必要なものを揃えるのに意外とお金がかかった

音楽家の私が本格的にYouTubeを始めようと思って買ったものを購入順にご紹介します。とりあえず初めてみて必要になったらその都度揃えていきました。動画制作が進むにつれ、やりたいことも増えていったので、機材を揃えるのに想像以上に費用がかかりました。

今のところYouTube動画制作のために購入したものの料金の合計は約7万円です。しがない音楽家からしたら決して少なくない額ですよね‥‥。もう簡単に投げ出したりできません。出費を重ねるごとに覚悟が決まっていきました。

ここでご紹介するものは、私が低収入の中で出費をする上で、どれもすごく考えて購入したものばかりなので、音楽家でYouTubeを始めたい方にはおすすめです!

スマホスタンド


三脚 スマホ三脚 リモコン付き ビデオカメラ 一眼レフカメラ ミニ三脚 さんきゃく 3WAY雲台 4段階伸縮 360回転 収納袋付きiPhone/Android スマホ等対応


今のところ映像は全てiPhoneで撮影しているのですが、とりあえず映像を撮るにはスタンドが必要でした。よくわからなかったのでぱっとみて1番安いものを買ったのですが、今の時点ではこれで不自由はありません。

動画編集ソフト

初めは、アップルの無料ソフト「iMovie」で編集していたのですが、普通の字幕を入れるのにこれでは不十分だったため、アップルの動画編集アプリ「Final Cut Pro」を購入しました。値段は34,800円でした。(2020年1月時点)

ちなみに、プロYouTuberの方はこの「Final Cut Pro」か、AdobeのPremiereのどちらかを使用している方がほとんどです。本当に動画編集でお仕事している方は、Adobeのほうが多いと思います。ですが私は前AdobeのIllustratorとPhotoshopを少し勉強していて全然使いこなせなかったトラウマ(?)から感覚で使いやすそうな「Final Cut Pro」を選んでしまいました。

iPhone外付けマイク

先ほどの「クラリネットのタンギング練習方法」の動画まではマイクなしでiPhoneのみで撮影していましたが、さすがに音楽家である私はマイクなしで音がバキバキに割れている動画をYouTubeにあげるのが心苦しくなり、iPhone外付けマイクを購入しました。


SHURE コンデンサーマイク MOTIVシリーズ MV88A iPhone iPad用 24bit/48kHz MV88A-A 【国内正規品】

多くの音楽家がそうであるように機械音痴の私でも簡単に使えて、尚且つ音が良いのですごく気に入っています。

「SHURE MV88」がいかに便利で素晴らしいかは、こちらの記事で熱量高めに語っています。もう似たようなマイクで少し価格を抑えたものもご紹介しています。

USB接続マイク

もともとは演奏動画をあげる予定はなく、ハウツー動画だけアップしていくつもりだったので、パソコンにマイクを繋ぐのは不要だと思っていました。しかし、だんだん「演奏してみた動画もあげたほうが良い」と思うようになり、GarageBandを使用するならパソコンへ接続可能なマイクが必要になりました。

生配信をするのにもパソコンにマイクの接続が必要だということにも、YouTubeを始めてしばらくしてから気付きました。(チャンネル登録1,000人以下の収益化できていないチャンネルはスマホから生配信ができないのです)

本来、パソコンにマイクを繋ぐには「オーディオインターフェース」を購入する必要があるのですが、難しいことがよくわからない、そして機械音痴の私には簡単につなげるUSB接続型のマイクを購入することにしました。


MAONO USBマイク コンデンサーマイク PC用マイク 192KHZ/24BIT マイクセット 高音質 単一指向性 アルミケース付き 録音 生放送 YOUTUBE ゲーム実況

パソコンに繋ぐマイクは急に必要になったので、高いものを買う勇気がなく、できるだけ安価なもので探しました。

とはいえ失敗はしたくないし、かといって自分では知識がなかったので、某オーディオメーカーに勤めているオーディオ系のオタクの友達に「できるだけ安くて質の良い音で撮れるマイク」教えて!とお願いして紹介してもらったこちらを購入。このマイクで録音した動画はこちら。

マイクスタンド

マイクスタンドは特にこだわりありませんが、上記のMANONONのコンデンサーマイクに使えて割と安価なこちらを購入しました。


créer マイクスタンド ブームとストレート2Way仕様 ケース付き 2020年改良版 (2kg/基本セット)

撮影用ライト(三脚付き)

生配信をしたときに、パソコンのカメラで自分を写すと暗すぎて大失敗だったのでこちらを購入。まだ入荷中で届いていません。楽しみ〜!
(私が購入したBelifu というショップのものは再入荷未定でアマゾンから消えていました‥‥)

なぜか有名YouTuberたちはこのライトを進めていました。私の購入したのはもう少し安い4,000円くらいでした。このような感じのお値打ちなライトはアマゾンで在庫切れ続出していました。(2020年4月21日時点)


Neewer カメラ写真ビデオ用照明セット 18インチ/48cm外部55W 5500K調光LEDリングライト、ライトスタンド、スマートフォン、Youtube、自撮り撮影などに使え

チャンネル登録者数1,000人ってすっごく大変

YouTubeに参入する人が増えている中、収益化に必要なチャンネル登録者数1,000人を越えるのはすっごく大変です。私なんてまだまだ約200名。

でも!知らない人に見てもらえるって素晴らしい

私はSEO(検索エンジンシステム)の(まだまだ勉強中の浅い)知識を駆使しまくっているので、チャンネル登録者数に比べて、インプレッション数(再生はされていないけどタイトルとサムネイルだけ人の目に触れた数)はボチボチ増えている感じです。

再生数が伸びている動画は2,000回近く見ていただいているので、「地方在住のしがない音楽家の私の動画がどなたかの役に立っているかもしれない」と考えたら嬉しいです。

この記事は過去の「YouTube始めるぞ!」と意気込んでいる私に向けて、現実をお伝えするコンセプトなので、恥ずかしいですがアクセス数も載せます、参考になさってください。ちなみに、これまでにハウツー動画8本更新、演奏動画約40本(きちんとしたのは3本、編集なしのエチュード動画などが約35本くらい)更新時点のものです。YouTube初更新から約3.5ヶ月。

ニッチなチャンネルは伸ばすのが大変

もちろん、YouTubeのアクセスが延びるかどうかは、動画の質や内容にかかっているのですが、「そもそも、クラリネットのYouTubeを日本語で見たい人はYouTubeユーザーの何%なんだ」ということも大きな問題でしょう。

演奏動画ならまだしも、私の日本語でクラリネットの上達云々を話す動画はなんて、とても狭くてニッチな分野です。動画を必要としている母数が小さすぎます。

ですが、クラリネットに興味がある方が関連動画などから私のチャンネルに飛んできてくれているのは確かです。これが「美容系の動画」など視聴者もチャンネルも多すぎる動画だったら相当高いクオリティのものや相当面白くない限り視聴してもらうのは難しいでしょう。ニッチな分野だからこそ、視聴者が集まっているというメリットも少なからずあるでしょう。

ある程度は先人の知恵や方法をなぞると良いかもしれませんが、独自の魅力がないと、このYouTube戦国時代に音楽家がYouTubeで注目されるのは難しいでしょう。

果たして私のチャンネルはいつ収益化できるのか??これからの経過報告もまたブログの方に書いていきます!凡人音楽家のYouTubeの成長の現実を赤裸々にお伝えしていきたいと思います。

アンチは意外とまだ少ない

YouTube始めたら、「ブスは黙ってろ」「音きったねー」「YouTuber音楽家なんて落ちこぼればっか」みたいなアンチコメントが殺到すると思っていました笑

まだ、あまり不快なコメントなどはきたことがないですが、低評価には少し凹みます。でも、アンチが少ないということは、視聴者が少ないということなので、「YouTubeはアンチが増えてからが本番!」だと思っています。

半端な気持ちじゃないので平気なんですけど、アンチコメントがきたらどう返信しようか迷う妄想をする日々です。笑

まとめ

・音楽家でYouTubeは始める人は個性出さないとアクセスを伸ばすのは厳しい。または素晴らしい演奏とSEOを駆使すれば◎
・動画編集などすごく時間かかるので、練習時間や他の活動との兼ね合いが難しい。(でも継続ってとても大切)
・初期費用が意外とかかった。もう後には引けません‥‥。
・ニッチな分野はチャンネルが伸びにくい。でもキーワード検索で人は集めやすい。どのくらいの母数の中でどのくらいの競合と闘う?かは考えた方が良さそう。

結論:クズシマのチャンネル、ぜひ応援お願いします!

クラリネット初心者こそエチュードを練習しよう【ランスロ26のエチュード】【グルーサン】

みなさんは、クラリネットの基礎練習では、どんな練習をおこなっていますか?「ロングトーン」「タンギング」「音階練習」が基本としてあげられるかと思うのですが、それに加えて「エチュード」を練習することもとても大切です。

エチュードとは?

エチュードとは「練習曲」のことです。合奏やアンサンブルなどの曲の練習をする前に、曲を練習する練習であるエチュードを吹くと、いいことがたくさんあります。

クラリネットの初心者がエチュードを練習するメリット

エチュードを練習するとクラリネットの上達の効率が良くなりますし、より確実なテクニックが自分のものになります。エチュードを練習すると具体的にどんなメリットがあるかというと。以下の通りです。

  1. 様々な種類のテクニックを集中的に練習できる
  2. 楽譜を読む力がつく
  3. 音楽的に演奏する力がつく

 1.様々な種類のテクニックを集中的に練習できる

エチュードは一曲一曲が「このテクニックを上達させてほしい」という狙いのもと、作曲されていることが多いです。
例えば、「この曲は、スタッカートを徹底して練習してほしい」「たっぷりとレガートで歌えるようになってほしい」といった、練習のときに意識すべきポイントが凝縮されていルノで、そのテクニックを集中的に上達させることができます。

楽譜を読む力がつく

吹奏楽部の生徒さんをレッスンしているときに特に思うのですが、楽譜を正確に読むことができていない人がとてもたくさんいます。

楽譜にはたくさんの情報がつまっています。音の高さとリズムだけではなく、テンポ、アーティキュレーション、表情記号などもきちんと読めていますか?

クラシック音楽において楽譜通りに演奏できることはとても大切なことです。大切なことは全て楽譜から読み取れると言ってしまっても過言ではないでしょう。楽譜を正確に読むことに慣れると、譜読みが途端に早くなります。エチュードは、楽譜を読む練習、また、楽譜にかいてあることを正確に演奏する練習にはうってつけです。

音楽的に演奏する力がつく

クラリネットを演奏する楽しみは、音楽を表現することができることだと私は思っています。楽譜に書いてあることが正確にできるようになったら、しっかり歌って演奏することを意識することが大切です。

フレーズのはじまりと終わりや、フレーズの山(1番盛り上がるところ)に注意して、機械的な演奏にならないように、楽しんでエチュードを演奏してみましょう。練習室の中で修行僧のように黙々と演奏するのではなく、人前で吹いていることを意識しながら練習するのがおすすめです。

クラリネット初心者におすすめのエチュード

「初心者だからエチュードを練習するのはまだ早いのではないでしょうか?」といった声を聞いたことがあります。答えは「いいえ」です。

なぜなら、初心者のころからやさしいエチュードを使って練習すると、楽譜を読んでそれを音にすることに慣れるので、曲を吹くときにスムーズになり、効率よく上達していくことができるからです。

クラリネットをはじめたばかりの方におすすめなのは、「グルーサン/クラリネット学習のための合理的原則」


グルーサン/クラリネット学習のための合理的原則

クラリネットを初めたばかりという方にはグルーサンの「クラリネット学習のための合理的原則」をおすすめします。ロングトーンやたったふたつの音の移行の練習から始まっているので、段階的にクラリネットの基礎の基礎を学ぶことができます。

私は吹奏楽部に途中入部をたため、同級生より数ヶ月遅れてクラリネットをはじめたので、はじめは合奏に入れず、一日中このグルーサンのエチュードを練習していました。全部練習しようと思うと、結構時間がかかるのですが、コツコツ練習するのが好きな人には向いていると思います。
クラリネットをはじめたばかりの人向けに、吹奏楽部がある学校に一冊は置いておいてほしいくらいです。

一度は吹きたいクラリネットのエチュード「ランスロ/26のエチュード」は初心者でも吹ける


ランスロ/26のエチュード / プリマ楽器

クラリネット吹きなら一度は通りたいエチュードは、J.ランスロの「26のエチュード」です。クラリネットの名プレイヤーであり、指導者としても素晴らしい功績を残したジャックランスロ による、初心者のためのエチュードです。

はじめは、2分音符中心で低い音域しか使わない曲ゆっくりとした曲から始まり、番号を重ねるごとに、音域広がり、調合が増え、早いテンポの曲が出てきたり、と段階的に難しくなっていきます。

J.ランスロの「26のエチュード」は旋律が美しいのも魅力のひとつで、演奏していて楽しいです。楽しみながら、テクニックが身につくので一石二鳥でしょう。
後半にいくにつれて、結構難しい曲もあるのですが、はじめのほうは、クラリネットをはじめた初心者の方でも演奏できます。クラリネットを初めて割と早い段階(数ヶ月〜半年くらい?)でこのエチュードに着手しても良いと思います。

もっと上達してきたら、ローズ32のエチュードにもチャレンジしてみましょう!

まとめ

ロングトーン、タンギング、スケールの練習にくわえて、エチュードの練習はとても大切です。なぜなら、エチュードを練習することは「曲を演奏する練習」として、曲を吹くときに大切なことをたくさん学ぶことができるからです。クラリネットの初心者の方も積極的にエチュードを練習しましょう。

集中的に一つのテクニックを上達させたり、楽譜を読み取る力がついたり、音楽的な表現力が身についたりと、エチュードを練習するといいことだらけで、効率良く上達することが可能になります。

クラリネット初心者におすすめのエチュードは、クラリネットをはじめたばかりの方には、「グルーサン」次の段階では「ランスロの26のエチュード」です。

クラリネットのオンラインレッスンを実際にしてみた感想

クラリネットのオンラインレッスンの生徒さんを募集したところ……。

なんと、新規の生徒さんからのお申し込みがありました!!!誰のレッスンを受けることもできるこの時代に私のレッスンを選んでくださってありがとうございます!!!!

クラリネットのオンラインレッスンは私もはじめての経験でしたので、実際にレッスンをした感想をまとめてみました。

「オンラインレッスンってどうなの?」と思う方が疑問に思いそうなことを、質問形式にして書いていきます!

アプリはなにを使うのが良いの?

私はZOOMを使用しましたが、スカイプ・LINE・Facetimeなど選択肢はさまざまです。
「ZOOMが1番音質や画質やタイムラグなどの点でいいよ〜」音楽家仲間から聞いていたのと、大手企業などビジネスのシーンでも使われていいることから、なんとなくZOOMを使用することにしました。

また、私はYouTubeやツイッターで見つけてくださった方へレッスンをしていきたいと考えているため、お互いがアプリ上で友達にならなくてもレッスンが可能なZOOMを選ぶことにしました。

レッスンをしてみて、実際に生徒さんが使いやすいアプリを取り入れることも必要かなと感じました。やはり「使いやすい、使い慣れているアプリが良い」という方も多いと思います。今はZOOMのみ使用としていましたが、今後ZOOM以外のアプリの需要があれば導入していきたいと思います。

オンラインレッスンでマイクは必要?

クラリネットでオンラインレッスンをするのであれば、講師側はマイクを準備したほうが良いでしょう。音が割れてしまうと、ニュアンスや音色を伝えられません。まずは安価なもので良いのでマイクはあると良いかなと思います。

私はクラリネットのオンラインレッスンをおこなうにあたってこちらのマイクを購入しました。(オーディオメーカーの勤務の友人に相談して購入しました)オンラインレッスンの他にも、生配信や簡単な宅録で活躍してくれそうです。
USBケーブルをそのまま、パソコンにさすだけで使用できるタイプなので、セッティングに時間がかからないですし、機械音痴の私でも簡単に使えてありがたいです!


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オンラインレッスンを実際にしてみて、気をつけたいと感じたこと

ZOOMではひとりが話している(演奏している)と、他の人の声や音は半ミュート状態になります。
対面でレッスンしている時は気にならないのですが、オンラインレッスンでは、お互いの話の「間」が取りづらいと感じました。同時に話してしまうと、レッスンが成り立ちませんので、話し始める時は手をあげたり、相手の話の間を対面のときより、注意深く感じとる必要性を感じました。

クラリネットのオンラインレッスンを受けるのに生徒側もマイクが必要?

オンラインレッスンを受けるにあたってマイクはあるに越したことはないです。
クラリネットなど管楽器は音が大きく、音域によって周波数が大きく異なるので、マイクがないと音が割れてしまいます。

しかし、オンラインレッスンを一時的な措置として捉えているのであれば、それだけのために買うのは少しもったいないですよね‥。講師側からは「マイク使った方が良いですよ〜」とは言えません。

ただ、マイクがあれば録音などもできるようになるので、できることが増えて楽しいです!(私はマイクを手に入れて毎日とても楽しいです〜!!)

生徒さんの環境に合わせて、できるだけ有意義なアドバイスをしていくのが講師側の使命かなと思います。ただ、生徒さんの側のオーディオ環境によって音の聞こえ方が大きく違うのは事実です。聞き取りづらい環境になればなるほどレッスンの難易度は上がり、集中力を要します‥‥!

オンラインでも信頼関係は作れる?

オンラインレッスンを開始して、新規の生徒さんを2名レッスンしました。

はじめは、(お互い)オンラインレッスン自体にも慣れていないし、操作や使用感にも慣れていなくて緊張してしまいました。(主に私が)

しかし、音や会話を重ねていくにつれて、対面でレッスンをしているのと同じように、関係性を作っていくことができたと思います。この点においては対面でもオンラインでも変わらないかなと私は思いました。

オンラインレッスンのデメリットは?

クラリネットのオンラインレッスンでは、マイク環境にもよりますが、やはり空気を感じることが困難です。緊張感、音色感、数値で表せない部分の音楽を聞き取る事が難しいです。ある程度音色は聴こえるものの、響きの大きさや、細かいノイズ、音の広がりを感じることはやはり困難でしょう。

オンラインレッスンを活用するには?

オンラインレッスンは気軽に受けることができるので、「奏法の相談をしたい」「定期的に演奏を聞いてもらって成長したい」「新しいことを知りたい」「練習の仕方を教えて欲しい」など、目的を持って受講すると、より有意義なものとなります。
今は対面のレッスンをおこなうことが困難な状況で、オンラインレッスンを行っています。しかし、今後も対面のレッスンと併用したり、レッスンを受けにいくのが大変という方に向けて気軽に相談できる場として利用していただいたり、それぞれにあった方法で活用していただけたら良いなと思います。

オンラインレッスンを重ねていって気づいたことを更新していきます!

クラリネットのオンラインレッスンを受けるに必要なものとは

クラリネットのクズシマです。
ずっとやろうやろうと思っていたのに先延ばしにしていた「クラリネットのオンラインレッスン」を思い切って始めてみることにしました!

オンラインレッスンって、私も初めての経験ですし、初めて受けられる方も多いと思います。オンライレッスンを受けるにあたって「何を準備したら良いのか」「対面のレッスンとの料金の違い」「受けるときの注意点」などを、調べたり考えたりしたことを、まとめてみました。

現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、音楽活動や、部活動、市民バンド、習い事さまざまな制限がある中でお過ごしの方が多くいらっしゃると思います。本番がなくなってしまったり、部活動でみんなで練習できなくなってしまったりと、残念な思いをしている方もいらっしゃるでしょう。

ですが、こんな機会だからこそ、クラリネットの腕を磨き、またコンサートができるようになったときに、もう一段階魅力的な演奏ができるようにするための、成長のための時間を過ごしませんか。

ピンチはチャンス!

私自身も、この事態で仕事は激減して、もちろん収入も激減。予定は狂いまくりで、先を考えれば不安だらけですが、少し良いこともありました。
時間ができた分、普段やらないことを調べて実践してみたり、いろいろな曲を演奏してみたり、YouTubeを一生懸命やるようになったりしました。オンラインレッスンもその一つです。

ビジネス書の中の誰か言うように「人はピンチになったときに、チャンスを掴むのかもしれない」そんな風に感じています。

クラリネットを練習・演奏する環境が変わってしまった今は、これから、より充実したクラリネット人生を送るにあたって逆にチャンスかもしれません。

「練習方法を見直してみる」「普段はできなかったエチュードを練習してみる」「お気に入りの曲を吹いてみる」「自分の音を録音してみる」「本を読んでみる」視点を変えざるを得ない状況で、新たな価値観や気付きが見えてくるでしょう。

ピンチのときに、落胆しまう人、逆境を乗り越えようと必死にあがいて成長する人、あなたはどちらの自分になりたいですか?
少しの想像力と行動で、人はなりたい自分になれると私は思っています。

自宅で音が出せない方のためのプランも作りました

とはいえ、普段クラリネットを練習している場所が使えなくなってしまったり、学校でしかクラリネットが吹けなかったり、自宅では演奏が不可能な方も多くいらっしゃると思います。
クラリネットが大好きで、上手くなりたいという気持ちを持っているのに、演奏できない時間が長く続くのは辛いですよね。

普通のオンラインレッスンの他に、そんな方にもご活用いただける、お悩み相談のプランを作りました。

【オンラインクラリネットお悩み相談】(楽器演奏なし)


・練習できない時間がある中で、どんな風にクラリネットと向き合えば良いのか
・社会人でクラリネット練習ができる時間が短いが、どのように時間を使えば良いか
・これまで放置していたクラリネットの奏法の疑問を解決したい
・楽譜の読み方を教えて欲しい

などなど、クラリネットや音楽のことについてなんでも相談にのらせていただきます。

また、具体的な奏法や練習方法の相談だけでなく、「クラリネットとの付き合い方」など、クラリネット共により良い人生にするためのサポートもさせていただくことができます。

「クラリネットのレッスンを受けてみたいけれど、どんなことを準備して良いかわからない」「クラリネットのレッスンの先生の探し方がわからない」「クラリネットを何年もやっているけれど、今さら人には聞けない悩みがある」「まずは、クズシマさんがどんなもんなのか試してみたい」という方におすすめです!

1回ずつ、約束して決めるレッスンですので、継続の必要はありません。あくまでも、普段の練習の補助、レッスンのセカンドオピニオンみたいな位置付けとしてご活用いただければと思います。

クラリネットオンラインレッスンの料金について

私のクラリネットオンラインレッスンの料金は、

通常オンラインレッスン:30分2,000円、45分2,500円、60分3,000円

オンラインお悩み相談(楽器演奏なし):30分3,000円、60分3,000円

となっております。お好きなプランと時間を選んでいただき、1回ずつ予約する形になります。日時はメールでご相談させていただく形になりますので、ご都合の良い時間に受講可能です。

お申し込みはツイッターのダイレクトメール、またはメール(ツイッターのプロフィール欄YouTubeチャンネルの概要欄にアドレス記載してあります)からよろしくお願いします!

ちなみに私の対面の個人レッスン料金は、1時間5,000円(部屋代込)です。オンラインレッスンは通常のレッスンより大幅に安価な料金になっています。

気軽に受けることができますので、通常のレッスンの補助的な意味合いで利用するのも良いですし、グループレッスンは受けているけれど、個人的にもレッスンを受けてみようか検討しているという方など、幅広い目的でご利用いただけます。

オンラインレッスンを受ける前に

オンラインレッスンに準備するものや、オンラインレッスンを受けるにあたっての心がまえなどについてお伝えしていきます。

オンラインレッスンのために準備するもの

オンラインレッスンを受けるには、以下の準備をお願いします。

【通常オンラインレッスン&お悩み相談共通】
・ネット環境
・スマホまたはパソコン
・イヤホン
・ZOOMアプリ、またはインターネットからアクセス

以上です!
ビデオ通話でレッスンをおこなうので、ZOOMという会議用アプリ(スカイプみたいなものです)をダウンロードだけいただきます。他には特別な用意がなくてもオンラインレッスンは気軽に受けることができます。

ZOOMの使い方はこちらの公式サイトでわかりやすく解説されています。https://zoomy.info/manuals/what_is_zoom/

マイクがあればより良いですが、必須ではないので、なくても問題ありません。スマホを使用される方は、スマホを立てかけるスタンドなどがあると便利です。

【通常オンラインレッスンの方のみ準備するもの】
・楽器
・楽器を演奏できる環境(屋外などは雑音が入るので望ましくないかもしれません)
・練習している曲の楽譜

楽譜を事前に共有していただけると、レッスンがスムーズにいきます。事前のメールでのやりとりの際にレッスン曲をお伺いしますので、対応をお願いするかもしれません。

オンラインレッスンの料金の支払い方法

私のオンラインレッスンの決済方法は、以下の方法になります。
・銀行振り込み
・PayPay
・LINE Pay

オンラインレッスンを受けるときの注意点

オンラインレッスンでは、対面レッスンと何が違うのか考えてみました。オンラインレッスンを受ける上で注意することをご紹介していきます。

ネット環境の良い場所で

ネット環境が悪いと、通話がブチブチと切れてしまいます。レッスンの進行の妨げになり、せっかくのレッスン時間が削られてしまいます。できるだけネット環境の良いところでの受講を心がけましょう。Wi-Fiがなくても、4G回線でも可能です。5時間で1ギガくらい使用するそうです。

はっきり伝える

オンラインレッスンでは、「空気感」や「間合い」などが伝わりづらいので、講師ははっきりと端的に、アドバイスをすることを気をつけています。受講者の方も、質問や疑問、レッスンを受ける目的をはっきり伝えられるようにしておくと、レッスンがスムーズに進みやすいです。

レッスンをしてみて、他にも注意点が見つかれば更新していきますね!

クラリネットの高音がうまく吹けないときの対処方法

クラリネットは音域が広い楽器なので、低い音から高い音までを吹きこなせるようになる必要があります。中でも、多くの人が苦労するのは高音のコントロールでしょう。

「高音がうまく当たらない」「高音になると音程が低くなってしまう」「高音の音の出だしがうまくいかない」といったクラリネットの高音に関する悩みをお持ちの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

クラリネットの高音をきれいに出すには、
・息のスピード
・息の向き
・アンブシュアの圧力のかけ具合
がポイントとなってきます。順番に解説してきます。

動画でも解説しています

息のスピードが遅いと高音は出ない

クラリネットを吹くときに息のスピードが遅いと高音は上手く当たりません。ある程度スピードのある息を吹きはじめから出せるようにすることが大切です。

ストローのような細いところに息を入れるイメージで、勢いのある息を楽器に入れましょう。ホースの水の勢いをよくしたいときに、ホースの口を摘んで細くするように、勢いのある息を送りこむためには、息の通り道はせまくする必要があります。唇の筋肉を使って息をまとめるイメージで、また、口の中はせまく保ちましょう。

以上のことは、高い音を吹くとき意外にも、クラリネットの音をコントロールする上で大切なことなで覚えておくと良いでしょう。

クラリネットの高音を出すときは息の向きが1番のポイント

クラリネットは音域ごとに息を自由自在にコントロールできるようになると、安定した音が出せるようになります。

息が適切な場所に入っていないと、音が当たりませんが、クラリネットは音があたっていなくても、なんとなく音が出てしまいます。しかし、それは音色が良い音とは言えないでしょう。良い音やコントロール自在な音は必ずと言って良いほど、適切な場所に息が当たっています。

息の向きをコントロールすることによって、しっかり当たっている、(バッチリ決まっている音)を出しましょう。

クラリネットで高音を吹くときの息の向き

クラリネットで高音を出すときは、息のスピードに加えて、息の向きが大切です。クラリネットで高音を吹くときの息の向きは上向きを意識しましょう。

「上向きの息」というのは少し過剰な表現かもしれませんが、息が下向きにならないように気をつけることは必須です。息が下向きになっているとクラリネットで高音は出ません。

「楽器にしっかり息を入れましょう」と言われて、管体に息を吹き込もうとして、息が下向きになると、高音が出ないだけでなく、ボワッとした広がったような音になってしまいます。

クラリネットを吹くとき、息をリード側ではなく、マウスピース側に吹きつけるようにしましょう。音が高くなればなるほど、息の向きは上向きを意識してみてください。管体側ではなく、まっすぐ前に息を出すようなイメージです。

音が高くなればなるほど息を上に引き上げて、息が落ちてこないようにしましょう。声で高い音を出すときのように、口の中の舌の位置を変えることで、息の向きが変わります。

息の向きを適切な方向にするためには、楽器の角度も少し関係してくるかもしれません。自分にとっての1番息が入りやすい角度を見つけられると良いです。

自由に息の向きを動かせるようになる練習

低いド(実音♭B)の運指でまずは、ド、そして指はそのまま、レジスターキーをおさえずに、1オクターブ半上のソ。次に、高いミ、そして高いラを、息を当てる位置(息の向き)を変えて出してみましょう。
高い音になるときに、リードをおさえつけすぎない(噛みすぎない)ように注意しましょう。

これが自由自在にできるようになると、息の向きのコントロールを自由自在に操れるようになり、高音が出しやすくなります。ぜひ試してみてください。

クラリネットの高音とアンブシュアの関係

クラリネットのアンブシュアは基本的にはどんな音を出すときも、変わりません。しかし、「アンブシュアのしめ具合」は音域によって変わってくるでしょう。

アンブシュアのしめ具合とは

アンブシュアの締め具合とは、言い換えるとリードへの圧力のかけ具合のことです。クラリネットのアンブシュアは基本的に噛みすぎない(圧力をかけすぎない)ことが大切です。しかし、クラリネットを吹くとき、下唇である程度リードに圧力をかけて演奏をしていることは事実です。

クラリネットで高音を出すときは、低い音域の音を吹いているときより、少し多めにリードに圧力をかけることになります。自分の音をよく聴いて、音が「閉まっている(詰まっている)」状態にならないように気をつけましょう。

噛むことと、筋肉を集めることは別

アンブシュアを噛みすぎてしまう人は、息が足りなかったり、口周りの筋力が弱かったりすることが多いです。噛みすぎアンブシュアは異常に音程が高くなったり、響きのない音になったりする原因となるのでよくありません。

圧力をかけるということは、「ある程度噛むこと」と「口周りの筋肉でアンブシュアを包むこと」のふたつを意味します。噛むことを意識しなければいけない人はあまりいないと思います。それよりも口周りの筋肉をしっかり働かせることを意識しましょう。

「高い音のときは圧力をかける!」と意識しすぎてしまうと、しめつけすぎになったり、噛みすぎたりしてしまうと思います。意識の仕方としては、「下唇でしっかり息を支える」というイメージが良いでしょう。

また、口の周りの筋肉はしっかりと真ん中に寄せ、マウスピースを唇で包んでください。下唇だけでなく、口の横や上唇の筋肉もしっかり意識して、細くスピードのある息を支えましょう。

息のスピード×息の向き×アンブシュアのしめ具合のバランスが大切

クラリネットで高音を出すには、これまでにご紹介してきた
・息のスピード
・息の向き
・アンブシュアのしめ具合
のバランス感が大切です。特にアンブシュアのしめ具合などは目に見えないので、自分の音を聴いて判断するしかありません。高音を吹いていて、あまりにも口が痛くなるようでしたら、それはアンブシュアを噛みすぎ、かもしれません。

高音をコントロールできないという方はこれらのどれかがうまい具合にできていない可能性が高いです。高音を出すときに、必要以上の力みは必要ありません。これらの3つを見直し、日々の練習から高音を取り入れて、吹き慣れるようにしましょう。

まとめ

クラリネットの高音がうまく出ないという方は、
・息のスピード
・息の向き
・アンブシュアのしめ具合
以上の3つのうちのどれかがうまくいっていない可能性が高いです。

息のスピードは速く、息の向きはまっすぐ前(意識は上向き!)、アンブシュアは少し圧力はかけるものの噛みすぎないように気をつけて、口周りの筋肉をしっかり使いましょう。
普段の基礎練習から、上第二線の♭Bより高い音も吹くようにして、高い音も吹きなれておきましょう。

意外と知らない?クラリネットのスタッカートの吹き方【楽譜解説付き】

音を短く切って演奏するスタッカート奏法
クラリネットのスタッカートの吹き方を知っていますか?
クラリネットのスタッカートは、音のおわりを舌で止めて短く切るのが一般的な奏法です。これが意外と難しいのです‥‥。

この記事では、クラリネットのスタッカートの吹き方を詳しく解説し、きれいなスタッカートができるようになるコツ具体的な練習方法を、解説していきます。

「クラリネットのスタッカートはいやだな、難しいな」と感じてしまっている方はぜひ読んでみてください!クラリネットのスタッカート奏法が上達するヒントが満載の内容になっています。

動画でも解説しています。

クラリネットのスタッカートとテヌートタンギングの違い

クラリネットのスタッカートの吹き方は、音のおわりを舌で止めて短く切ります。これはクラリネットの奏法の中でやや特殊な吹き方です。
改めて、テヌートタンギング(普通のタンギング)とスタッカートタンギングの違いをおさらいしておきましょう。

クラリネットのテヌートタンギング(基本のタンギング)の吹き方

クラリネットのテヌートタンギングは、音のはじめだけ舌をついて(リードに舌を触れて)演奏します。音の後ろは止めません。

クラリネットの基本のタンギング練習方法では以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。

クラリネットのスタッカートの吹き方

クラリネットのスタッカートの吹き方は、音のおわりを舌で止めて、音を短く切ります
基本的な舌のつき方(舌のつく位置やつく強さなど)は、テヌートタンギングのときと変わりありません。しかし、音を止めるときも舌をつくので、テヌートタンギングより倍の動作が必要になります。

音を短く切ると音と音の間にすき間ができることになりますが、すき間の時間息は入れっぱなしにしてください。結果的に息の状態はロングトーンのときと同じで、ずっと同じスピード(勢い)で楽器に息を入れ続けていることになります。

スタッカートを息で切って短く切ると、連続したスタッカートや、音をとても短く切りたいときなどに対応できなくなってしまいます。クラリネットのスタッカート奏法は基本的には舌で切る方法でおこないましょう。

クラリネットのスタッカート吹きかたをマスターしよう!

スタッカートはどのくらい短くすれば良いかというと、「その音の2分の1程度の長さ」と楽典上で言われています。
曲のニュアンスによって変わってくることもありますが、基本のスタッカートの吹き方をマスターする上では、2分の1の長さを目指して練習してみましょう。

まずは音の後ろを舌でとめてみましょう

まずは、「舌で息の流れを止める」感覚を掴むことからです。
音をロングトーンして、舌をリードにあてて音を止めてみましょう。

そのときに、
音を止めたときも息は入れっぱなし
リードに舌をあてるときは(リードを)押さえつけすぎないよう
以上のことに気をつけましょう。

どうですか?リードに舌が触れると音は止まりますよね?
この動作を素早く、連続的におこなうことで、クラリネットのスタッカートの奏法が実現できます。

音を半分の長さにしてみよう

スタッカートがついている音符は半分の長さになります。
例えば、2分音符のスタッカートは、4分音符の長さ、4分音符は8分音符、8分音符は16分音符の長さになる、ということです。

例えば、この楽譜でしたら
実際はこのように演奏することになります

まずは、メトロノームを鳴らして(4分音符=80くらい)、2分音符のスタッカートから練習してみましょう。実際は4分音符と4分音符ですね。上記の楽譜参考にしてみてください。

舌をリードにつけて音を止めることは、慣れてしまえばそこまで難しいことではありません。
それよりも、クラリネットのスタッカート練習のポイントは、音を止めるためにリードにつけていた舌を離すとき(音を出すとき)にあります!次の章で詳しく解説していきます。

クラリネットのスタッカートをきれいに吹くコツ

クラリネットのスタッカートに対して苦手意識がある方は少なくないと思います。
クラリネットのスタッカートをきれいに吹くコツはこれからご紹介することに集約されていますので、スタッカートがきれいに吹けないという方はこれらの中のどれかに原因があると考えられるでしょう。

クラリネットのスタッカートをきれいに吹くコツは、
舌の動きは軽く
息はしっかり入れる
アンブシュアはキープ
以上のポイントに気をつけることです。ひとつずつ解説していきます。

舌の動きは軽く

スタッカートでは、ひとつの音に対して2回舌が動きますよね。(舌をリードから離して音を出すときと、舌をリードに触れさせて音を止めるとき)そのため、舌の動きはとても忙しいです!

舌に力が入っていると、喉にも力が入って音がうまく鳴らなかったり、タンギングがきつくなってしまうおそれがあります。

クラリネットでスタッカートを吹くときは、テヌートタンギングのときと同様に舌の力は抜いて、軽くついたり離したりしましょう。

舌で音を止めるときは、軽く舌に触れる程度で結構です。このときに舌で強くリードをおさえつけすぎると、次に舌を離すとき(音が出るとき)に破裂音みたいなタンギングになってしまう原因となります。

また、舌をリードから離す音の出だしのときには、舌をすばやくリードから離すと、きれいな出だしになります。スタッカート練習の際は、特に舌をリードから離す(音の出だし)のときの発音がきれいにできているか、よく聴きながら練習しましょう。アタックが強すぎても、逆に「トゥワー」としたはっきりしない出だしになってもいけません。

息はしっかり入れる

クラリネットのスタッカート奏法は、何度も舌つきをするので、音がどんどん詰まっていく傾向になりやすいでしょう。

きれいなスタッカートとは、舌をつく音が強すぎず、音のはじめがはっきりしている音です。これを実現するためには、先ほどご紹介した舌のつきかたとあわせて、息がしっかり正しい方向に入っている必要があります。

スタッカート練習をしていて、「音が詰まる」「きれいに吹けない」と感じた方は、いちどその音をロングトーンしてみてください。ロングトーンでしっかりと響く音作りをおこなって、その音と同じような音色で吹けるようにスタッカートも練習してみましょう。

タンギングをするときの息の大切さについては以下の記事で詳しくご紹介しています。スタッカートなどのタンギングをきれいな音色で吹きたい方は、あわせてご覧ください。

アンブシュアはキープ

スタッカートで舌を動かすたびに、アンブシュアがモグモグ動いてしまってはいけません。クラリネットのスタッカートのときに舌以外の場所(アンブシュア)が動いていると、音の出だしがブレてしまうからです。

スタッカートのときにアンブシュアが動いてしまう方は、鏡を見ながら、楽器をくわえて音を出さずに息を入れてスタッカートの動作をおこなってみてください。このときにアンブシュアが崩れていなければ、何度かこの動作を繰り返して身体に覚えさせましょう。

スタッカートは息の抵抗が大きくかかるので音を出すときにアンブシュアが崩れやすいです。アンブシュアが普段できているのにスタッカートになると動いてしまうという方は結構いらっしゃると思います。いちど鏡を見てチェックしてみてください。

スタッカートをきれいに吹けるようにする基礎練習の方法

ここでは、スタッカートの基礎練習を2つのパターンご紹介します。これまでご紹介してきた「クラリネットのスタッカートをきれいに吹くコツ」の内容を思い出しながら練習をおこなってみてください。

1. だんだん細かい音符になるスタッカートの練習

2. テヌートタンギングとスタッカートタンギングを交互におこなう練習

いずれの練習も低い音から高い音まで、いろいろな音域の音を使って練習してみてください。クラリネットのスタッカートは高い音になればなるほど難しくなるので、低い音域からはじめて、だんだん高い音に上がっていきましょう。

まとめ

・クラリネットのスタッカートの吹き方は、音のおわりを舌で止めて、音を短く切ります。

・クラリネットのスタッカートをきれいに吹くコツは「舌の動きは軽く
息はしっかり入れる」アンブシュアはキープ」の3つです。スタッカートがうまくできないという方はこれらのポイントをチェックしてみましょう。

クラリネット奏者が歯科矯正について語る【吹奏楽は続けられる?】

クラリネット奏者のクズシマです。

私は1年半前から歯科矯正(表側ワイヤー矯正)をしています。

歯科矯正をはじめる前は、矯正しながらクラリネットが吹けるのか不安すぎて「歯科矯正 クラリネット」でググりまくっていました。笑

私はクラリネットの演奏の仕事をしているさなか、29歳で歯科矯正をはじめました。クラリネットが吹けなくなったら仕事ができなくなってしまうので、歯科矯正をはじめるときは、本当に不安でした。

「歯科矯正をしてクラリネットを吹くことに問題がなかったか」とたずねられると、そうではありませんが、しかし、今もクラリネットを吹いて仕事をすることができています

特に中高生くらいの年代の方で矯正をはじめる方は「吹奏楽部だけれど、管楽器は続けられるのか?」といった不安があるかもしれません。

こういった方の疑問や不安を解消できるヒントになれば良いなと思い、この記事を書きました。

誰にアドバイスを求めれば良いか

歯医者さんに「歯科矯正中もクラリネットは吹けますか?」と聞いても、「吹ける範囲で無理せず‥‥」といったお返事しか返ってこないでしょう、なぜなら彼らは歯科矯正をしながらクラリネットを吹いたことがないからです。

歯科矯正中の楽器演奏の相談は、その楽器の歯科矯正の経験者にするのが、1番的確なアドバイスをもらえると思います。

クラリネットの先生が歯科矯正経験者だった

私が歯科矯正に踏み切ることができたのは、私のクラリネットの先生が矯正経験者で、矯正の話を聞くことができたことです

また、先生が矯正をしているところを間近で見ていたので、(そのときは自分は歯科矯正を考えてもいませんでしたが)「こんな素晴らしい奏者の方が、一流の仕事をしながら歯科矯正をすることができるんだ!」ということを感じることができました。

とはいえ、ひとそれぞれ歯並びの状態によって、歯科矯正をして楽器を吹くときに不具合が出る場所は変わってきます。一概に「この人が大丈夫だったから、私も大丈夫」とは言い切れません。

なぜクラリネット奏者が歯科矯正をはじめたのか

なぜ、演奏に支障が出るリスクを背負ってまで、クラリネット奏者が歯科矯正をしたかったかというと、理由はいくつかあります。

歯並びを良くしたかった

まずは単純に、これが1番です。
私はクラリネット奏者ですが、普通のひとりの人間です。歯並びが悪いことがずっとコンプレックスでした。前歯がガチャガチャなことを気にして、写真のときも口を空けて笑えずにいました。

「でも、私はクラリネット奏者で歯科矯正できないから仕方ない」と自分の感情にフタをし続けて、矯正を決意する日までは過ごしていました。

ちなみに、私はクラリネットを吹くことに関して自分の歯並びの悪さは障害になっているとは思ったことがありません。確かに上の歯がきれいに揃っていたら、もっと良いのかもしれませんが、気にするほどの不自由は感じていませんでした。

歯が先天的に足りなかった

あとは、私は先天性欠損といって、「乳歯が抜けたところから永久歯が生えてこない」という状態で、下の奥歯が2本なくて、歯に大きなすきまが空いていました。

本来でしたら、ブリッジをしたり、インプラントをしたりして治療しなければいけないのですが、歯科矯正で歯を寄せることによって問題解決できることを知りました。(現在解決済)

プレッシャーのある本番がしばらくないタイミングだった

私は歯科矯正をはじめる少し前のタイミングまでは、ずっと戦いの日々で(演奏の面で)一瞬たりともクラリネットを休めるタイミングがありませんでした。

中学生でクラリネットを始めてからは、部活・吹奏楽コンクール・音大受験・試験、オーケストラのオーディション、コンクール、シビアな仕事、リサイタル、、という感じで「たった1日でも、練習できない日があったら困る!!!」といった状態でした。

しかし、矯正をはじめる約半年前にフォーカルジストニアという病気にかかってしまったため、(治療のために)しばらく大きな本番への出演を控えていたのです。
楽器が吹けなくなってしまったら仕事の面で困りますが、最悪、少し楽器の調子を崩しても問題ないタイミングは今しかない!!ということで歯科矯正に踏み切りました。

これからの人生まだ長いと気づいた

歯科矯正をはじめる少し前の私は「今この瞬間」と「次に待っている大切な楽器の本番」のことしか考えられない人でした。

しかし、さまざまなきっかけから「人生はまだ長い」「何かはじめるなら今が1番若い」と思うようになったのです。

自分の健康や楽器以外の願望と、まだまだ続く長い楽器人生をトータルで見たときに、「やりたいことは今のうちにやっておいたほうが良い」と気付き、歯科矯正に踏み切りました。29歳のことでした。

クラリネット奏者の、おとなの歯科矯正が始まりました。

クラリネット奏者の歯科矯正中の苦労

結論を言ってしまうと、ワイヤー矯正の装置が入った状態でもクラリネットは吹けます
しかし、歯に装置がついているのです。そんな状態で、残念ながら一筋縄でいく訳がありません。ここからは私が歯科矯正中にクラリネット演奏で苦労したことをお伝えしていきます。

歯科矯正をはじめて2週間くらいは地獄

歯科矯正あるあるだと思うのですが、歯科矯正は器具を装着してしばらくが1番つらいです。慣れない異物(装置)に口の中がびっくりして口内炎だらけになり、食事も会話もままならない状態でした。

クラリネットを吹くなんてもってのほかでした。

私は装置をつけた翌日にレッスンの仕事を入れていて、そこではまだ口内炎が酷くなかったのでなんとか吹くことができましたが、それからどんどん口内炎がひどくなり、その翌日以降5日間くらいはクラリネットが吹けなかったです。

矯正装置をはめて、7日後から演奏の仕事をしていましたが、装置があたって痛すぎるのと、感覚が変わったことで本当につらかったです。

このときばかりは「矯正なんてやらなければよかった」と本気で後悔しました。

しかし、それはたった2週間くらいのことで、そこからは徐々に慣れていき、普段の痛みはなくなり1ヶ月くらいで問題なく演奏できるようになりました。

ちなみに私は、装置があたって痛かったのは、下の歯と唇を巻くところではなく、上の歯の両サイドでした。

詳しくはこちらの記事で書いています。下唇が装置にあたって痛いときの対処法もご紹介しています。

メンテナンス後、クラリネットを吹くときに前歯が痛い

ワイヤーの歯科矯正では1ヶ月にいちど、ワイヤーを締め直すメンテナンスをおこなうため、歯医者さんに通います。そのたびに歯が動いていくので、痛いです。
その後の数日間、硬いものが食べられなくなるのは歯科矯正において有名な話だと思うのですが、クラリネットは上の歯をマウスピースにつけて演奏をするので、痛いです

痛いのは我慢できたとしても、痛いと噛めなくなって「ゆるい口」になってしまい、うまく吹けません。

私は気にせず吹いているのですが、痛みを我慢しすぎると‥頭痛がしたり熱が出たりします。メンテナンス後は無理して吹かないほうが良いです。

そのため、歯科矯正のメンテナンスは、「数日間シビアな本番がない時期」にいれるようにしています。通常の練習くらいなら問題なくおこなえますが、長時間の練習はつらいかもしれません。

コンサートなどの本番前はメンテナンスをいれるのは避けたほうが良いです!
吹奏楽部の学生の方でしたら、試験週間前などにメンテナンスをいれるのが良いのではないでしょうか。

歯科矯正中はクラリネットのアンブシュアが崩れやすい

これが、私が1番困っていることです。クラリネットは下唇を下の歯に巻きつけてアンブシュア(楽器を吹くときの口の形)を作るので、装置がついている状態では、あごが膨みやすくなります。

自分自身もそうですし、歯科矯正中のクラリネットの生徒さんを見ていても、アンブシュアが膨らんでしまっていることが多いです。

しかし、アンブシュアはクラリネットを安定して吹く上で大切なので、なんとか作っています。気にしすぎず、気にしながらなんとか演奏しています。ただ、やはり矯正していないときよりは、口がバテやすいです。

あまり人と比べても仕方ありませんが、このあたりのことは「矯正をしていない人と比べるとハンディを背負っているな」と感じずにいられません。

しかし訓練すれば慣れるので、アンブシュアを作ることは不可能ではありません。

アンブシュアができていないと、音がぼやっとしてしまいますし、タンギングがうまくいかない、音程も悪くなるといった不具合がたくさんおきます。

矯正中の生徒さんにも、(膨らんでしまう気持ちはわかるけれど)「アンブシュアはきちんと作りましょう」と言ってしまって良いと私は思います。日々、意識して作ればできるようになります!

矯正してるのに吹けるの?と聞かれすぎて疲れる

これはあまり気にしていないのですが、いろいろな方に「矯正しているのにちゃんと吹けるの?」と聞かれすぎることが多すぎて、疲れます。

「吹けているからここにいますけど何か?」と言いたい気持ちを抑え、
「なんとかできてます〜」とゆるっと答えています。笑

矯正中は装置がついていて見た目が恥ずかしいという気持ちがはじめはありました。
しかし、今は「矯正は良くなるためにしているんだし、誰に何を言われても気にしない」「そして自分も、矯正しているからあれができないこれができない、と何かを諦める言い訳にしない」と思って日々過ごしています。

歯科矯正をはじめてよかったこと

ここまで、歯科矯正中にクラリネットを吹くことの大変な部分ばかりお伝えしてきてしまったのですが、矯正をして良かったこともたくさんありました。

きれいになった

治療には約3年かかりますが、半年くらい経った時点でだいぶ前歯が並び、見た目が良くなりました。すべて終わる日が楽しみです。

歯に対する不安がなくなった

矯正をはじめる前までは、歯の悩みから目を背けていて、心の奥底にずっと「歯の健康に対する不安」がありました。
歯医者さんに月にいちど通うようになってからは、「虫歯があるのではないか」「将来、私の歯は大丈夫なのだろうか」といった不安はもうありません。

先天性欠損も、ブリッジやインプラントをすることなく直すことができたので、費用も歯科矯正だけの分で済んでラッキーでした。

痛みも前向きな痛みなのでつらくない

クラリネットを吹きながら歯科矯正をすることはつらいことも少なくありません。しかし、こういった苦しみや痛みはすべて「より良い未来のため」のものだと思ば全然つらくないです。
歯科矯正は自分できちんと決断して決めたことなので、「やらなきゃ良かった」と(はじめの数日は思いましたが、、)思うことも今ではありません。

クラリネット吹きで歯科矯正をはじめるべきか迷っている方へ

歯科矯正をしながらクラリネットを吹くことは、苦労があります。
しかし、吹けないことはありませんし、矯正をしていることで、上達できないということはありません。

国際コンクールにチャレンジするくらいのレベル出なければ、「クラリネット吹きは歯科矯正をしても良い、できる」と私は思っています。

ひとつだけ、注意するとすれば、歯科矯正をはじめる(装置をつける)タイミングは本当に気をつけてください!
最低、約1週間〜2週間はクラリネットを吹かなくても良い時間を確保する必要があります。

歯科矯正によってクラリネットをやめる必要は全くありませんし、何かを諦める必要ももちろんありません。

吹奏楽部での3年間は貴重ですが、人生の3年間も貴重です。自分自身でよく考えて、歯科矯正をはじめるか決断し、クラリネットと歯科矯正とうまく付き合っていきましょう。