クラリネットをしばらく吹かないとどうなる?【楽器のブランク明けに気をつけたいこと】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

クラリネットのブランクについてです。今、自宅で楽器演奏ができず、「このままずっと練習しなかったら、どうなっちゃうの‥‥?」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

1日練習しなければ自分に分かる。
2日練習しなければ批評家に分かる。
3日練習しなければ聴衆に分かる。

アルフレッド・コルトー(ピアニスト)

という名言を一度は聞いたことがあるかもしれません。

まぁ、クラシック奏者目線で言えばごもっともではありますが、長い人生の中でクラリネットを吹けなくなる時期もあるでしょう。それに、誰もが毎日クラリネットを練習できるわけではありません。

クラリネットはしばらく吹いていなくても、また吹けるようになります

大切なことは、ブランク明けの練習方法です。

ブランク明けは、練習の仕方に気をつければ、以前よりも上手くなれるチャンスです。
しかし、以前までの方法や間違った身体の使い方をしてしまうと、ブランクを乗り越えるのに必要以上に時間がかかってしまったり、身体を壊してしまったりするおそれがあります。

この記事は、私が経験したブランク明けの失敗や、困ったことなどをご紹介するとともに、失敗の体験から学ぶブランクの乗り越え方、ブランク明けの練習方法についてお伝えしていきます。

はじめてのクラリネットのブランク

私は中学生のときにクラリネットを初めて以来、約15年間クラリネットを1週間以上吹かなかったことはありませんでした。

しかし、クラリネット奏者として生活をしている最中、肋骨を3本折る怪我をしてしまい、2週間近く楽器を吹かないという体験を初めてしました。

楽器のブランクというものを初めて経験した私は、「また、練習すればすぐ吹けるようになるでしょ」と、自分を過信して、吹けるようになって2週間くらいで本番の予定を入れていました。

怪我が回復してからは、いつも通りに練習をし、本番に挑みました。

ブランク明けにクラリネットを練習したとき、はじめは少し息が続かなかったり疲れやすかったりしましたが、数日練習しただけで「もとに戻った」と感じることができました。

しかし、事件は本番のステージ上で起きました。

あれ?上手く吹けない?

某オーケストラのオーディション、演奏曲目はモーツァルトの「クラリネット協奏曲」もう何十回、人前で吹いたかどうかわからないくらい、頻繁に演奏する曲です。

クラリネットのソロに入ろうと息を吸ったときから、早くも身体に違和感を感じました。

「息の吸いが浅い」「いつもなら本番でちょうどいいくらいのリードが厚くて苦しい」「指がいうことをきかない」「息がもたない」

演奏中の私の頭の中はパニック状態でした。
確かに、練習期間は少なかったですが、「私なら本番では力を出せるだろう」と勝手にたかをくくっていました。

本番は大失敗。もちろん、オーディションに受かるはずもなく、「私はブランクを乗り越えていなかったんだ」とこの時点で気付くのでした。

なぜ失敗したか

約15年間クラリネットを休まず続けていた私は、自分の身体の状態を注意深く観察することを怠っていました。

クラリネットのブランク明けに練習するときも、自分の身体に少しの違和感を感じながらも、今まで通りの練習を続けていました。

もちろん、いろいろ奏法を研究したり、より良い音を出すためにはどんな風に吹いたら良いか考えたりする毎日ではありましたが、いろいろな技術は無意識でできていました。

楽器をもてば、深い呼吸をし長い時間息を吐き続け、楽譜に書いてある音を目で追うと同時にほぼ無意識で指は動きました。

しかし、クラリネットをしばらく吹かないと、それらの無意識でできていたことを身体が忘れてしまっているため、もう一度意識を持たないとできません

クラリネットをしばらく吹かないと、上手く吹けなくなっているのはあたり前のこと

過去の自分の失敗から、クラリネットのブランク明けの練習に大切なことは、力ずくでブランクを乗り越えようとしないことだということを感じました。

「息が持たない」「指が回らない」「アンブシュアがキープできない」

このように感じても、焦る必要はありません。ブランク明けは急成長していくので、今日よりも明日、明日よりも明後日のほうがクラリネットを上手にできるようになります。

クラリネットのブランク明けの練習方法

ブランク明けに難しい曲を無理やり吹こうとしたり、身体が悲鳴を上げているのに長時間練習したりすると、変な奏法のクセがついてしまい、後々苦労することになります。


自分にとっての正しい奏法を再確認すること
・自分の身体の状態をよく観察すること

以上のふたつのことに気をつけて練習をおこなっていけば、クラリネットのブランクを乗り越えられるどころか、以前までの自分の弱点や苦手なことを克服できることもできるでしょう。ブランク明けはとにかく謙虚な気持ちで練習のが良さそうです‥‥

自分にとっての正しい奏法を再確認すること

クラリネットのブランク明けは「前の自分に戻ろう」と思うのではなく、新しく「理想の演奏を目指そう」と考えると良いでしょう。

以前の自分の演奏は、自分の理想ですか?

せっかくクラリネットと距離を置いて、良いことも悪いこともリセットできたのですから、良いことは残しつつ、自分にとってのより正しい奏法を身につけていきましょう。正しい奏法は自由な演奏を叶えてくれます。

・呼吸法
・アンブシュア
・姿勢や構え方

など、自分がクラリネットで最大限のパフォーマンスできる奏法を考えて、それを実践してみましょう。以前までの、奏法で直したいことがあれば、ブランク明けはチャンスです。悪いクセとおさらばして、新しいより良い自分になるのに、ブランク明けは絶好の機会でしょう。

ロングトーンやスケールなどの、単純な練習のときに、奏法を意識的に改善していきましょう。

自分の身体の状態をよく観察すること

クラリネットのブランク明けに変なクセがついてしまわないように、注意深く練習を積み重ねていく必要があります。

自分の身体をよく観察してみてください。

「観察する」というのは、鏡を使って視覚的に見ることだけではありません。

・息を吸ったときの身体の動きかた
・ロングトーンをしているときのアンブシュアの状態
・難しいパッセージを吹くときの身体の使い方
・息が苦しいと思ったときの身体の状態
・緊張しているときの、自分の身体や心の変化

クラリネットを吹いている自分の状態をしっかり感じましょう。

なぜ、「観察すること」が必要かというと、クラリネットのブランク明けは無意識に身体に無理をさせてしまいがちだからです

正しくない方向へ力が入っていたり、無理な姿勢で演奏をしていたりすると、身体を壊す原因になりますし、楽器の上達の効率が悪いです。

練習をしていて「今、余計なところに力が入っているな」などと気づくことができたら、一度楽器を置いてストレッチをしてみるなどしてこれ以上無理を積み重ねることにストップをかけましょう。

クラリネットのブランク明けは自分の奏法を正しい方向へ導くチャンスです。
ロングトーンを多めにする、スケールをゆっくり吹いてみるといった自分の身体を観察しやすい練習を多めにおこなうようにしましょう。

自分にとっての正しい身体の使い方を無意識でもできるように、ブランク明けはこれまで以上に意識を張り巡らせて練習をおこないましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*