クラリネット

クラリネットのタンギング練習方法【うまくなる5つのコツ】【楽譜付きで解説】

みなさんはどのような方法でクラリネットのタンギング練習をしていますか?

クラリネットの上達において、タンギング練習は大切です。

曲を演奏するときに、必ずと言っても良いほどタンギングのテクニックは必要 になってきます。また、タンギングがきれいにできないと、せっかくきれいな音色を持っていても、美しくなく聴こえてしまうおそれがあります。

この記事では、初心者の方にもおすすめのクラリネットのタンギング練習方法と、クラリネットでタンギングがうまくなる5つのコツをご紹介していきます。

ロングトーン練習と並行して、クラリネットのタンギング練習も毎日の基礎練習に組み込みましょう!

クラリネットのタンギング練習方法

クラリネットのタンギング練習方法はいろいろありますが、この記事でご紹介するやり方は初心者から上級者までクラリネットを上達したいすべての人に有効な練習方法となっています!

わたしもこのタンギング練習の方法を初心者のときから、プロになった今でもおこなっています!

クラリネットの基本のタンギング練習方法【楽譜付き】

以上の音形で、最低音の「ミ」の音から順番に半音階で1音ずつ上がっていきます。
初心者の方は高い「ド」まで(チューニングのオクターブ上)、わたしは普段それより上の「ラ」くらいまでおこなっています。クラリネットの高い音のタンギングのコントロールは難しいので、毎日の練習で慣れていきましょう。

テンポは4分音符=80〜120くらいで、16分音符が無理なく吹ける速さを設定して練習しましょう
初心者の方は4分音符=60くらいからはじめることをおすすめします。

クラリネットのタンギング練習はゆっくりのテンポからおこない、正しい奏法を身につけることが大切です。
正しい奏法でタンギングができるようになれば、テンポを上げていくことは難しいことではありません。

タンギング練習をするときの5つのコツ

クラリネットのタンギング練習は正しい方法でおこなわないと、変なクセがついてしまい、逆に上達の妨げになってしまいます。

以下の5つのチェック項目がすべて守られているか確認してみましょう。

✔︎基本のタンギング練習では音を短くしない
✔︎タンギング練習のときも息はまっすぐ
✔︎息をしっかり入れることが1番大切
✔︎舌は「トゥートゥー」と軽くつくだけ
✔︎音色を犠牲にしない

✔︎基本のタンギング練習では音を短くしない

クラリネットの基本のタンギング練習ではスタッカートのように音は短くきりません。
音と音の間にすき間ができないように、また、音は抜かない(途中で弱くしない)ようにしましょう。

✔︎タンギング練習のときも息はまっすぐ

クラリネットのタンギング練習のときの息づかいは、ロングトーンのときの息づかいと同じです。
楽器にしっかりと息を入れて、息はまっすぐ流し続けてください。
タンギング(舌をつく)ときに息が途切れてはいけません。
また、まっすぐ流し込んでいる息は途中でスピードが遅くならないように注意しましょう。

✔︎息をしっかり入れることが1番大切

クラリネットでタンギングをする(舌をつく)と楽器に息が入りづらくなるので、ロングトーンのとき以上に、楽器に息をしっかり入れることを意識する必要があります。

クラリネットのタンギングにおいて、息をしっかり入れることがいかに大切かは、こちらの記事でも詳しく解説しております。クラリネットのタンギングをもっと上達させたい方は、あわせてご覧ください。
クラリネットのタンギングで1番大切なこと

✔︎舌は「トゥートゥー」と軽くつくだけ

クラリネットでタンギングをするとき、舌は軽くリードに触れる程度でOKです。舌の表側の先端付近リードの先端付近に軽く触れましょう。
舌の力は抜いて「トゥートゥー」と発音するようにしてタンギングをしてください。

✔︎音色を犠牲にしない

クラリネットのタンギング練習のときには、つい舌を動かすことに意識が集中してしまい、自分の音を聴くことがおろそかになりがちです。

クラリネットの練習全般に言えることですが、どんなテクニックを練習するときも、響きのある豊かな音色で吹けているかどうか、自分の音をよく聴きながら練習することがとても大切です

クラリネットのタンギング練習に必要な2つのこと

毎日のタンギング練習で必要なことは、以下の2つです。

「ゆっくりのタンギング」「速いタンギング」の両方をおこなうこと

低い音から高い音まで、さまざまな音域でおこなうこと

先ほどご紹介したクラリネットのタンギング練習方法はこの2つを網羅している点でおすすめです!
しかし、この練習方法を絶対におこなわなければいけない訳ではありません。

こちらでご紹介した方法は時間がかかる練習なので、練習時間がたくさんとれない方は、自分に合った方法にアレンジをしてもよいでしょう。

「音階でこの練習方法をおこなう」「8分音符と16分音符のみ練習する」など、工夫をして、練習を継続させてみてください。

クラリネットのタンギング練習は継続が大切です!
1日に5〜10分でも構いませんので、クラリネットの基礎練習にタンギング練習は必ず入れましょう。

まとめ

・クラリネットのタンギング練習は大切です。短時間でもよいので基礎練習に取り入れましょう。

・初心者からプロまで使える基本のクラリネットのタンギング練習方法を楽譜付きでご紹介しましたのでぜひ試してみてください。

・こちらでご紹介したクラリネットのタンギング練習方法は「すべての音域を網羅できる」「ゆっくりのタンギングと速いタンギングの両方を練習できる」ことがメリットです。

葛島涼子プロフィール

葛島涼子

クラリネット奏者。

愛知県名古屋市に生まれ育ち、暮らす。

愛知県立芸術大学卒業。同大学院修了。

クラリネット協会名古屋のソロコンテストで最優秀賞受賞。クラリネット協会のアンサンブルコンテストで第1位受賞。

2014年、サイトウキネンオーケストラ松本における小澤征爾音楽塾に参加。「子供のための音楽会」に出演。

大学院修了後、フリーの演奏家として活躍。

オーケストラ、吹奏楽、室内楽を中心とした活動に加え、クラシック以外の活動も精力的におこなう。

鬼頭哲ブラスバンド」「CHIZ」「マスターズ・ブラス・ナゴヤ」「名古屋アカデミックウィンズ」各元メンバー。

2018年、音楽家のジストニア「フォーカルジストニア」をわずらい、すべての活動を一時休止する。

2019年演奏活動復帰。初のソロリサイタルをおこなう。現在は、現代音楽グループ「音楽クラコ座」、名古屋のちんどん屋「べんてんや」所属。べんてんやでは、各地でパフォーマンスを行なうほか、メディア出演多数。2019年には1ヶ月に渡る米国ツアーを成功させる。

各地でクラリネットの講師としてレッスンを精力的におこなっており、楽器演奏を通して健やかな心と身体を育む取り組みを目指す。

個人ブログ「音楽と生活、たまに旅」、「クラリネットクズシマ」名義でYouTubeチャンネルを運営。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直す方法

クラリネットを吹くことに少し慣れてくると、「噛みすぎ」なアンブシュアになりがちです。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアで吹いていると唇が痛くなってしまいますし、響きがない音色になってしまいます。

「噛みすぎ」とはどの程度のことなのか、噛みすぎてしまう原因について解説し、クラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直すことのできる方法をお伝えします。

音に響きがないと言われてしまう」「音が均一に鳴らない」「口が疲れやすく、唇が痛くなりやすい」という方は、もしかしてクラリネットを吹くときに噛みすぎているかもしれません。

このコラムを読んで実践すれば、噛みすぎアンブシュアを改善して響きのある良い音色を作ることができるようになります!

クラリネットの噛みすぎアンブシュアが良くない3つの理由

ここからはクラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いていると、なぜ良くないのかという理由を3つ紹介していきますが、この3つはクラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人の特徴でもあります。

上手にクラリネットを吹いている人の中にも噛みすぎたアンブシュアで吹いている人がたくさんいます。

なかなか、自分で気づくことのできない「噛みすぎ」の状態。
以下の3つのことが当てはまる人は噛みすぎアンブシュアかもしれません。

響きがない音色になる

「噛みすぎ」というのは、言い換えると「リードを下唇で押さえつけすぎ」ということです。

クラリネットを吹くときにリードを押さえつけて吹くと、響きのない音色になってしまいます。音に響きをつけるためには、リードは押さえつけすぎず、自由に振動させてあげる必要があります。

音程が高くなる

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人は「異様に音程が高い」という特徴があります。

音程は、口を締めると高くなります。アンブシュアを作るときに締めるのは唇の筋肉であって、噛むこととは異なります。

音程が上がりすぎて困っている人や、特定の音の音程だけ異様に高くなりやすい人は、噛みすぎかもしれません。

口が痛くなる

クラリネットを長時間演奏していれば、誰でも下唇が少し痛くなってきます。

あぶらとり紙などの髪を挟む対策をしても、痛みがひどい場合や上の歯も痛むようでしたら、噛みすぎたアンブシュアで吹いている可能性が高いです。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアの原因

クラリネットをはじめてしばらく経つと、だんだん慣れてきて、吹くときに力が入ってきてしまう人が多いです。

吹奏楽部のクラリネットパートのレッスンをしていても、1番トップを吹いている方が噛みすぎたアンブシュアで吹いていることがよくあります。

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いてしまうのは大きくふたつの原因がありますので、それぞれ解説していきます。

息が足りない

少ない息やスピードの遅い息で音をしぼり出そうとすると、口に余分な力が入ってしまい、噛みすぎたアンブシュアになってしまうことが多いです。

クラリネットの音を出すのは口を締める力(噛む力)ではなく、です。
自立したスピードのある息をお腹で支えながら吐き出すように意識しましょう。

リードが厚すぎる

厚すぎるリードで吹いている人は噛みすぎのクセがつきやすいです。

とはいえ、クラリネットを吹くには、ある程度リードに圧力をかける必要があります。

比較的厚いリードを吹くときは、薄いリードを吹くときに比べて、圧力がいります。しかし、必要以上の圧力をかけすぎて、結果的に噛みすぎの状態になってしまうおそれがあります。

どこまでが、ちょうど良い塩梅で、どこからが噛みすぎなのかは、クラリネットから出ている音(音色)で判断するしかありません。

「音程は合うか」「音に響きがあるか」「周りに馴染む音か」といったことが判断材料となります。逆の言い方をするならば、音がよければ問題はないということです。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直す方法

ここからは、いよいよクラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直す方法をお伝えしていきます。

この方法を師匠に教えてもらうまでは、
自分の生徒さんに「噛みすぎだと思うので、噛まないようにしてください」と言っても全然伝わりませんでした。
当たり前です。力を入れないようにという指示ほど難しいものはありません

まず。力をぬいた状態の感覚をつかむことが、噛みすぎないちょうど良いアンブシュアを作る近道なのです。

自然とあごの力が抜けてしまうクラリネットの吹き方

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いているときは、アゴに力が入っている状態となっています。この力を強制的に抜くことで、噛みすぎていない状態の感覚をつかむことができます

以下の方法でクラリネットで音を出してみてください。

1. 楽器をかまえてアンブシュアをつくります。
2. 上の歯がマウスピースから離れるくらい、パカっと口を開けて息を吸います。
3. いきなりマウスピースを加えて音を出してください。音は開放の「ソ」の音くらいがよいでしょう。(このときアンブシュアがきちんとできていなくても大丈夫です)

こんな感じです。

どうですか?ふにゃふにゃの音しか出なかったと思います。いきなりクラリネットを吹くことで、噛みすぎのクセがでる暇もなく、強制的にアゴの力が抜けた状態が作られました。

この方法でしっかり音を出すのには、息がたくさん必要なはずです。
本来、クラリネットを吹くには、この方法でもしっかりと音が出るくらいの息(の量とスピード)が必要なのです

これはあくまでも「力をぬく感覚をつかむための練習」なので、正しいクラリネットの奏法ではありません。

しかし、このときの力が入っていない感覚をつかむことが、噛みすぎないアンブシュアを作る大切なヒントとなります。

繰り返して感覚をつかもう

この「強制的に力を抜く吹きかた」と「いつも通りの吹きかた」を同じ音で何度も交互に繰り返してみてください。どちらのときも、しっかりと息を使って吹くことを意識しましょう。

「強制的に力を抜く吹きかた」では、音色はふにゃふにゃかもしれませんが、響きがある音が出るはずです。

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人は「いつも通りの吹きかた」をしたときに、響きがない音になっていることに気づくことができると思います。

最終的には、いつも通りの吹きかたでも、アゴに力が入りすぎず、噛みすぎないで響きのある音が出せるようになることがゴールです。

噛みすぎているという感覚と音がわかれば、クラリネットの噛みすぎアンブシュアはすぐに直すことができます。まずは気づくことが1番大切です。自分の音によく耳を傾けてみましょう。

「アゴに力が入りすぎているかな?」「噛みすぎたアンブシュアになっているかもしれないな」と感じたタイミングや、1日の練習の初めのほうで、この練習を試してみてください。

いちどクセがついてしまうと。「力を抜こう、噛まないようにしよう」と意識しようとしてもなかなか正しい奏法へ持っていくことは難しいです。

強制的に噛まないアンブシュアを作る方法を利用して、ちょうど良い具合のアンブシュアの噛み具合を目指しましょう。

まとめ

・クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人は、響きのない音色だったり、音程が高かったりするほかにも口が痛くなりやすいです。

・噛みすぎの原因は、クラリネットを吹くための息が足りなかったり、厚すぎるリードを使用している事などが考えられます。

・このコラムでご紹介した「強制的に力を抜く方法」を使って、噛みすぎている感覚、響きがあるないの音をつかむことができたら、噛みすぎアンブシュアはすぐに直すことができます。

サックスやクラリネット演奏で下唇が痛いときはあぶらとり紙を使おう!

サックスやクラリネットを練習していると、下唇が下の歯にあたって痛くなることがありますよね。長時間演奏をしていると、アンブシュアの関係で下唇が痛くなるのは自然なことです。

下唇が痛いときはあぶらとり紙(またはクリーニングペーパー)を下の歯に巻くことをおすすめします。

下の歯に巻くのに向いているあぶらとり紙やクリーニングペーパーをご紹介するほか、あぶらとり紙を巻くときの注意点や、痛みの原因の「噛みすぎ」を防ぐ方法もお伝えしていきます。

サックスやクラリネット演奏で下唇が痛いという悩みを解決していきましょう!

サックスやクラリネットでアンブシュアを作ると下唇が痛い?

サックスやクラリネットではアンブシュアを作るときに、下唇を下の歯にかぶせます。そのため、演奏をしていると下唇に歯が当たり、痛くなってくることがあります。

あまりにも痛みが強かったり、短時間の練習なのに下唇が痛くなってしまう方はアンブシュアを作るときに「噛みすぎ」の可能性があります。

長時間吹けば下唇が痛くなるのは当たり前のこと

サックスやクラリネットのアンブシュアは、下の歯がリードにあたるのを防ぐために、下の歯に下唇を巻いて作ります。
そして、マウスピースをくわえて演奏をするときには下唇に若干の圧力をかけるので、長時間練習をしていたら下唇が痛くなってしまうのは当たり前のことです。

サックスやクラリネット奏者の中にも、下唇の痛みに対する対策をおこなっている人はたくさんいます。実際にクラリネット奏者である私も、下唇が痛いときはあぶらとり紙を下の歯に巻いています。

短時間の練習でも痛くなる人は「噛みすぎ」かも?

サックスやクラリネットのアンブシュアを作るときに、「噛みすぎ」ていると、すぐに唇が痛くなってしまいます。マウスピースにあてている上の歯が痛いという方も、おそらく「噛みすぎ」でしょう。

「噛みすぎ」はリードの響きを止めてしまうので響きのない音色になってしまうため、奏法的にもよくありません。

アンブシュア(唇や歯)は楽器を吹くときの息の通過点であって、余計な力は必要ありません。音を出すのは息の力です。噛みすぎのアンブシュアにならないように注意しましょう。

あぶらとり紙を巻いているのに下唇が痛いという方は練習のしすぎか、噛みすぎの可能性が高いです。

下唇の痛みにはあぶらとりがみを巻こう

サックスやクラリネットの演奏で下唇が痛いという方は「あぶらとり紙」を下の歯に巻くことをおすすめします。あぶらとり紙を巻くだけで演奏時の痛みは大幅に減りますよ!

あぶらとり紙の巻きかた

1.あぶらとり紙をきれいに折りたたんで、下の歯に巻きやすい大きさにします。2センチ×1.5センチくらいがベストだと思います。

2. 折りたたんだあぶらとり紙を下の歯にかぶせます。(横向き)下の歯の噛み合わせのところがあぶらとり紙の真ん中にくるようにすると安定します。
3. あぶらとり紙が湿ると馴染んでくるので、そのまま楽器を演奏できます。
4. 練習が終わったらあぶらとり紙は捨てましょう。

あぶらとり紙を巻いて演奏するときの注意点

口に入れるものなので、あぶらとり紙は清潔な手で触るようにしましょう。いちど口から出したあぶらとり紙は捨てて、新しいものを使用するようにしてください。

たまに、おしろいの粉がついているタイプのあぶらとり紙がありますが、粉が口に入ってしまうと身体によくありません。そういったタイプのあぶらとり紙は使用しないようにしてください。

また、溶けやすいタイプのあぶらとり紙は噛んでいるうちにだんだん溶けて呑み込んでしまった、、なんてことになりかねませんので、おすすめしません。

無印良品のあぶらとり紙がおすすめ

下唇が痛いときのあぶらとり紙は「無印良品」のものがおすすめです!

私も15年以上愛用していて、これまでにどれだけ無印良品のあぶらとり紙を買ったことでしょうか‥‥。

無印良品のあぶらとり紙をおすすめする理由は3つあります。

1. 溶けない

サックスやクラリネット演奏で下唇に挟むあぶらとり紙で1番大切なのは「溶けない」ことです。
あぶらとり紙もクリーニングペーパーも口の中に入れる用に作られていないので、水に溶けたり、濡れると柔らかくなってしまったりするものがほとんどです。
無印良品のあぶらとり紙は、長時間演奏しても溶けたり柔らかくなったりせず、ずっと同じ状態をキープしてくれます。

2. 大きさがちょうど良い

無印良品のあぶらとり紙は4回折りたたむと、先ほどの写真の大きさになります。このままきれいに下の歯に巻くことができて、とても良いです。

ほかのあぶらとり紙を使っていたこともあるのですが、大きさがちょうど良いものがなかなかありませんでした。少しでも大きかったり小さかったりすると、口の中であぶらとり紙の位置がずれて演奏しづらいです。

3. 生産が安定している

私がクラリネットを演奏するにおいて、無印良品のあぶらとり紙はなくてはならない存在です。私が記憶している限りでは値段や枚数が変わることはあっても15年以上同じ大きさ、ほぼ同じ品質で販売され続けています。

無印良品のブランド力のおかげで、下唇の痛み対策に困ることなく演奏が続けられています。大きなブランドの製品ならではの安定した生産はありがたいことです。

以前は無印良品の商品がファミリーマートで買えて便利でしたが、最近は無印良品の専門店に行かないと買えないので、私はいつも10個くらいまとめ買いしています。
無印良品のあぶらとり紙は以下のリンクからも購入できます!

無印良品 あぶらとり紙 7715224 1袋(100枚入) 良品計画

クリーニングペーパーとあぶらとり紙どっちが良いの?

あぶらとり紙、クリーニングペーパー、どちらを使用しても良いです。使いやすいものを使うのが1番でしょう。

クリーニングペーパーを使用する際も、溶けやすいものが多いので、溶けにくいものを選びましょう。

ただ、クリーニングペーパーはあぶらとり紙より値段が高いので、私は使用していません。使いやすいと感じる方はクリーニングペーパーを使っても問題ありません。

下唇に巻くクリーニングペーパーでおすすめなのはギャラックスのものです。
厚すぎないのに溶けにくく、違和感なく口の中に入れることができます。


GALAX ギャラックス クリーンペーパー 3個セット

まとめ

・サックスやクラリネット演奏で下唇が痛いと感じる人はあぶらとり紙を下唇に巻きましょう。

・使用するあぶらとり紙は、溶けなくて大きさがちょうど良いものである必要があるため「無印良品のあぶらとり紙」をおすすめします。

・あぶらとり紙を巻いているのに下唇が痛いという方は、楽器を吹くときに「噛みすぎ」の恐れがあります。「噛みすぎ」は響きのない音色になってしまうので良くありません。

上手くなる人がクラリネットのロングトーン練習で必ず意識していること

クラリネットのロングトーン練習をするときは、あることを意識しないと、意味のない練習時間を過ごすことになってしまいます。
それは、ロングトーンをしているときに「自分の音を注意深く聴くこと」です。

単純な練習だからこそ、奥深いロングトーン。無意識のまま音を伸ばしているだけでは上手くなりません。

このコラムでは、上手くなる人がロングトーンのときに必ず意識していることを詳しく解説していきます。後半では、具体的なロングトーンの練習方法についても楽譜付きでご紹介していきます。

このコラムを最後まで読んで、ロングトーン練習のときに実践すれば、明日からどんどんクラリネットが上手くなりますよ!

ロングトーンとは

ロングトーンとは、音を長く伸ばす基礎練習のことです。

クラリネットなどの管楽器は音作りが大切です。
いい音を作るにあたって必要な、「しっかりとした息づかい」「アンブシュアの安定」「正しい音程をとる」といったことを実現するために、クラリネットのロングトーンは必須の練習です。

ロングトーンは音を伸ばすだけの単純な練習のようで、とても奥深いのです。
上手くなる人はみんな、日々のロングトーンの練習を積み重ねています

クラリネットでロングトーンの練習をする目的

なぜ、クラリネットでロングトーン練習をしていますか?

「みんながしているから」「ロングトーンをすれば上手くなると言われたから」と、なんとなくロングトーンを練習に取り入れているようでしたら、極論ですがロングトーンをする必要はないと思います。

「誰かから言われた」などといった、「受け身の練習」ではいつまでたってもクラリネットは上達しません
上手くなる人はみんな、「なぜこの練習をするのか」という目的をもって練習しています

ロングトーンは単純な練習だからこそ、自分の音に耳を傾けることができます。「どんな音になりたいのか」を思い描き、「なんのためにロングトーンをするのか」という目的をもってロングトーンをしましょう。

ここからはクラリネットでロングトーン練習をすると、どんな良いことがあるか、「ロングトーンをする目的」の部分について詳しく解説していきます。

クラリネットでロングトーンをするメリット

クラリネットの上達のために、ロングトーンをするメリットはたくさんあります。
ロングトーン自体は単純な練習なので、基礎的な奏法を体に覚えさせることにとても効果的です。
ロングトーン練習でクラリネットが上手くなる理由をひとつひとつ詳しく解説していきます。

・ウォーミングアップになる

1日の練習のはじめにはロングトーンから始めることをおすすめします。
多くのプロの人も、クラリネットを吹くときに、まずはロングトーンの練習からはじめています。
ロングトーンはクラリネットを演奏するにあたって、もっとも基礎の部分にあたる練習だからです。
タンギング練習も音階練習も、曲を吹くのにも、ロングトーンで作られた息が基本にあって成り立つものなのです。

・息が長く持つようになる

クラリネットを演奏するならば、できるだけ長い時間息を吐けるようになることが理想ですよね。
息が続かないと、曲の途中の変な場所でブレスを吸わなければならないため、フレーズが途切れてしまいます。

ロングトーンの練習を重ねていくことによって、長く息を伸ばすことに身体が慣れて、どんどん長く音を伸ばせるようになっていきます。

また、ロングトーンをするときに、たくさん息を吸うことを意識できると、吸える息の量もだんだん増えてきます。
息をたくさん吸えるということは、息をたくさん吐けるということに直結してきますので、「息をたくさん吸えるようになる」ことも、ひとつの目標として毎日のロングトーンをしましょう。

・安定した息を作れる

クラリネットできれいな音色を出すには「安定した息」が必須です。クラリネットだけでなく、管楽器の演奏において、息を自由自在にコントロールできる人が楽器をコントロールできる人と言っても良いでしょう。

初心者の人はまず、音のはじめからおわりまで、一定のスピードの息を吐けるように意識しながらロングトーンを行いましょう。クラリネットを吹くときの息は、スピードの速い息です。

ロウソクを吹き消すような勢いのある息を、一定のスピードで楽器に入れられるようになると、音が安定してきます。

・自分の音をよく聴く練習になる

自分の音をよく聴きながら練習をしないと、クラリネットはまったくと言って良いほど上達しません。

例えば、目をつぶったまま絵を描いても自分の作品が良いのか悪いのか判断できないですよね。大袈裟かもしれませんが、自分の音を聴かないということは目をつぶって絵を描くようなものです。

とはいえ、まったく自分の音を聴いていない人はほどんどいないと思います。しかし、自分の音をしっかり聴けていない人はたくさんいると思います。
もっともっと自分が出している音を注意深く聴いてみましょう

練習をするときは、できるだけ静かな場所で自分の音が聴こえるような環境で練習するのが理想です。しかし、部活などで練習をするときは大人数の中で個人練習をせざるをえないときもありますよね。
そんなときにも、クラリネットのロングトーン練習をするときに、最低限これだけは意識してほしいポイントを次の章で解説していきます

クラリネットでロングトーンをする時に気をつけること

これからご紹介していくことは、ロングトーンのときだけでなく、クラリネットを演奏する上でいつも大切なことです。
ロングトーンは単純な練習だからこそ、細かいところにまで意識を持っていきやすいので、基礎的なことを習得するにはぴったりの練習方法です。

クラリネットを吹くために大切な基礎テクニックはロングトーンで習得しましょう!

息が安定しているかどうか

クラリネットが上手な人は、息のコントロール力が優れています。
ロングトーンのときに、音の初めから終わりまで、まっすぐ安定した息を吹き込むことを意識しましょう。

初心者の人に多いのが、吹きはじめに息がしっかり入っていないことです。クラリネットを吹くときは、音の出始めからスピードの速い息をいれるようにしましょう。そして、そのスピードの速い息を最後まで持続しましょう。お腹の支えを意識すると息がしっかり支えやすくなります。

アンブシュアが動いていないか

アンブシュアとはクラリネットを吹くときの口の形のことです。クラリネットを吹くときに安定したアンブシュアはすごく大切です。

ロングトーンをするときこそ、アンブシュアが安定しているか確認しながら練習しましょう。
ロングトーンのときにアンブシュアが動いてしまう人は、必ずと言って良いほど、タンギング練習をしているときも曲を吹いているときもアンブシュアが動いてしまっています。

単純なロングトーンの練習のときに、安定したアンブシュアづくりをしておかないと、複雑なテクニックが必要になったときに、たくさん意識なければいけないことがある中で、アンブシュアを修正することに意識を持っていくことはとても大変です。

アンブシュアに自信がない人はロングトーンのときは鏡を見ながら練習することをおすすめします。

アンブシュアがある程度できている人でも、音の出だしのときにアンブシュアが動いてしまっている人がたくさんいるように思います。

クラリネットで音を出すのに必要なのは息のスピードです。口周りの筋肉は安定させるために使ったとしても、音を出すときに噛みすぎてしまったり、アゴが動いてしまったりしまわないようにしましょう。

音の出だしはきれいかどうか

音の出だしがはっきりしなかったり、反対に音の出だしだけ強くなったりしてはいけません。基本的にロングトーンのときの出だしはまっすぐの音で出られるようにしましょう。
音を出し始めるときに、アンブシュアが安定していなかったり、息がしっかり入っていなかったりするとまっすぐに出ることができません。アンブシュアを確認して、はじめからスピードの速い息をいれると出だしが上手くいきますよ!

音のはじめは軽く「トゥ」と言ってリードに舌をついてください。「トゥー」と言うのと同時にしっかりとした息を吐けるようになるときれいな音の出だしが作れます。

音の終わりの処理は不自然ではないか

ロングトーンのときの音の終わりの処理も大切です。ロングトーンの音の終わりは最後まで音量はキープしつつも、「ぶちっ」といきなり切れないようにしましょう。だからと言って音の終わりに向けてだんだん弱くなってしまうのもよくありません。音が切れるときに少し余韻が残るで程度が理想です。

ロングトーンをしないとどうなるか

私は過去にクラリネットを練習しなかった時期がいちどだけありました。吹いたとしても曲を少し吹くだけで、一定の時期、ロングトーンをまったくしていませんでした。

ロングトーンをしないことで、以下の変化がありました。
・息が持たなくなる
・息が不安定になる
・アンブシュアが保てなくなる

以上の状態になった結果として、不安定な音になったり、響きを上手く作れなくなったりします。

ロングトーンは効率の良い練習

時間がないときでも、短時間で良いのでロングトーンをすることをおすすめします。ロングトーンをしないと、吹きかたや音の響かせかたがおかしくなっていても気づけないおそれがあります。

例えば、1日に15分しかクラリネットの練習ができないときでも、そのうちの5分はロングトーンの練習に使うことをおすすめします。
そのたった5分が、あなたのクラリネットの技術を維持する大切な時間になります。維持どころか上達につながる時間にもなるかもしれません。

なぜなら、クラリネットでロングトーンをしている時間は自分の音を集中して聴くことができるからです。
自分の音を聴きながら演奏する時間を積み重ねていけば、少しずつでも確実に上手くなっていきます!

実践!クラリネットのロングトーンの練習方法

ここからは、実践編です。
初心者から上級者まで、どなたでも役に立つ基本のロングトーンの練習方法や、ロングトーンの応用練習までお伝えしていきます。

基本のロングトーン(楽譜解説付き)

・メトロノームを4分音符=60で鳴らしましょう。

たくさん息を吸ってください
8拍のばします
息をたくさん使って、クラリネットをしっかり響かせて鳴らしましょう!初めから終わりまで同じ強さでのばしてください。音の強さは、楽に鳴らせる「メゾフォルテ」くらいではなく、「フォルテ」くらいのつもりでしっかり大きめに鳴らしましょう

4拍お休み。次に吹く音のイメージを作りましょう。お休みの最後の1拍間をかけてたくさん息を吸います。(1拍で吸わなければいけない決まりはないので、2拍かけてゆっくり吸っても良いです。)

以上の繰り返しです。
ロングトーンは毎回すべての音でおこなうようにしましょう!

♭Bの音階ばかりでロングトーンをしている人がいたら、今日からはすべての音でロングトーンをすることをおすすめします。

曲にはさまざまな調がありますし、クラリネットは音によって鳴りやすい音と鳴りにくい音があるので、すべての音をきれいに出すには、すベての音のロングトーンが必須です!

下は最低音の「ミ」から、上は、ある程度初心者でなくなってきたら、高い「ソ」の音くらいまではロングトーンするようにしてください。

よく、「高音がきれいに出ません」というお悩み相談をいただくのですが、その答えは簡単です。「高い音を吹き慣れていないからです。」

金管楽器のハイトーンと違って、クラリネットの高音はコツを掴めば、誰でも出ます。普段から高い音を苦手だと思わず、鳴らしておくようにしましょう。

クラリネットの半音階でのロングトーン

メトロノームの60という数字はあくまでも目安であるので、余裕を持って8拍のばす事ができるようになったら、テンポをゆっくりにしたり、拍数を8拍より長くしてみたりしてください。

応用編のロングトーン

クラリネットで基本のロングトーンができるようになったら、ぜひ応用編にもチャレンジしてみましょう!

基本のロングトーンでは、強さは「フォルテ」くらいでしたが、さまざまな強弱でロングトーンをしてみましょう。強い音のときと、弱い音のときでは、体の使いかたが異なります。
ダイナミクスレンジ(強い音や弱い音の振れ幅)を広げるためにも、どんな強さの音でも良い音色で音を出せるようになるためにも、ロングトーンはさまざまな強弱で練習しましょう!

【応用ロングトーン 例1】「ピアノ」でロングトーン。

弱い音のときでも、息をたくさん使い、豊かな音色をイメージしてクラリネットを響かせてロングトーン しましょう。
発音にもよく気をつかってください。飛び出てもいけませんし、どこからが出だしなのか分からないようなはじまりでもいけません。「ここから出るぞ!」と狙ったタイミングでまっすぐ出られるように意識してください。

【応用ロングトーン 例2】クレッシェンドとデクレッシェンドのロングトーン】

「ピアニッシモ」から「フォルティッシモ」までクレッシェンドとでクレッシェンドをするロングトーンをしてみましょう!

この楽譜のように、はじめは「ピアニッシモ」で出て、4拍かけて「フォルティッシモ」までクレッシェンドし、また4拍かけて出だしの「ピアニッシモ」までデクレッシェンドしてください。

クレッシェンドをするときもデクレッシェンドするときも、お腹でしっかりと支えて、力任せになったり、支えがない音になったりしないようにしましょう。

1番強いところと1番弱いところの差がしっかりつくようにしましょう。慣れてきた人は音程のキープも意識して練習してみてください。

クレッシェンドとデクレッシェンドのロングトーンは難しいですが、クラリネットの上達にとても効果的な練習です。
このように息を動かす練習は柔軟な音色づくりに大いに役立つからです。また、クラリネットの奏法が間違っていたり、変なリードですと、上手く強弱をつけられませんので、自分の状態を確認する手がかりとなる練習でもあります。

まとめ

クラリネットでロングトーンをするときは、自分の音をよく聴きましょう。
「どんな音を目指すのか」という目的をもって練習することが大切です。

ロングトーンの練習では意識するべきことがたくさんあります。例えば以下のことです。
・息のコントロール
・発音(音の出だし)
・音の処理(音の終わりかた)
・アンブシュアの確認

正しい奏法を理解して、毎日きちんと自分の音を聴きながらロングトーンをしていたら少しずつでも確実にクラリネットが上手くなっていきます。
明日からのロングトーン練習に、ぜひこのコラムで学んだことを生かしてみてください!

クラリネットの奏法やロングトーンのことなどでお困りのことがありましたら、スキルのフリマココナラ でオンライン相談をおこなっています!クラリネットのことについてはなんでもお気軽にご相談ください。
会員登録は無料ですので、ぜひご利用ください。

クラリネットに関する質問になんでもお答えします クラリネット奏者クズシマがビデオチャットで相談のります!



これって割れてる?クラリネットのひび割れとは

クラリネットは、管体のひび割れを起こしてしまうことがあることをご存知ですか?
クラリネットの管体は木でできていますので、温度差や湿度変化によって“ひび割れ”を起こすことがあります。

クラリネットのひび割れを防ぐには温度差や湿度差に気をつけましょう!

クラリネットはいちど割れてしまうと、どんどん割れが広がって、修理に高額な費用がかかってしまったり、ひどい場合は修理不可能な状態になってしまったりするおそれがあります。

このコラムでは、
クラリネットのひび割れを見分ける方法割れを防ぐ方法
クラリネットがひび割れを起こしてしまったらどうしたら良いのかをお伝えしていきます!

クラリネットのひび割れを見分ける方法

まずはお手持ちのクラリネットが割れていないかどうか、確認してみましょう。

クラリネットはひび割れするとどうなるのか」「クラリネットはどこの場所がひび割れしやすいのか」を詳しくお伝えしていきます!

クラリネットの木目とひび割れの区別

クラリネットにはもともと、縦線の木目が入っています。
この木目とひび割れは、とても似ているので判別が難しいでしょう。

例外もありますが、クラリネットのひび割れと木目の区別は以下のような違いがあります。

木目
・うっすらとした浅い縦線。
・線は管体の途中から始まり、途中で切れている。

【ひび割れ】
・木目のような縦線がトーンホールまでつながっている。または、管体の上部か下部のコルクとの境目までつながっている。
・線は深めで、はっきりとしていることが多い。

クラリネットのひび割れが起こるのはほとんどが上管

クラリネットの管体割れを起こす場所のほとんどが、上管です。
この理由は、のちほどクラリネットがひび割れする原因と共にご説明します。


クラリネットの上管の中でも特にひび割れを起こしやすい場所は、
・「ラ」のキーのあたり
・上管のサイドのキーの一番上のタンポの周り
・上管の一番上の黒い部分と金属のリングの境目

などが挙げられます。ご自身のクラリネットがひび割れしていないかチェックしてみてください!
万が一、クラリネットのひび割れを発見したら、いち早く修理に出す必要があります。クラリネットのひび割れを見逃さないように楽器の状態は定期的に点検するようにしましょう。

割れているかどうかわからないときは

クラリネットがひび割れしているかどうかを自分で判断できないときは、楽器屋さんなど修理のプロに聞くのが1番です。

クラリネットのひび割れは、初めは自分でも気づかないくらい小さな変化であることが多いです。割れが進行してしまうと、大規模な修理が必要になってしまって

クラリネットを健康に維持するためには、定期的な点検と修理が必要です。

クラリネットがひび割れしてしまったら

クラリネットのひび割れを発見したら、すぐに修理に出しましょう。
クラリネットのいちど割れてしまった場所は、またたく間に割れが広がってしまいますので、いち早く対処することをおすすめします。
クラリネットのひび割れを起こしてしまったときにどうしたら良いかお伝えしていきます。

クラリネットのひび割れはプロに頼もう

クラリネットの割れは楽器修理のプロに直してもらいましょう。自分で接着剤などで対処する人もいるようですが、あまりおすすめできません。クラリネットの管体は音色を作るひとつの大切な場所ですので、専門技術を持った人にしっかり直してもらうのが良いです。

もしすぐに修理に出せない場合は、それまでその楽器を使用するのをやめた方が良いです。いちど割れてしまったところは、楽器を使用しているとどんどん広がっていくおそれがあります。修理に出せるまで、代わりの楽器を使用するなどしてしのぎましょう。

クラリネットのひび割れはいち早く治さないと大変なことに‥‥

クラリネットがひび割れしていたら、見て見ぬふりをしては絶対にいけません。
放置した結果、割れが広がってしまうと、ひどい場合は修理不可能になって管体を交換しなければならない事態になることもあります。

クラリネットのひび割れの修理は、「◯センチにつき〇〇円」などと、センチ単位で料金が変わってくることも多いです。割れが広がると修理の費用が高額になってしまします。

クラリネットのひび割れは完全には治らない?

クラリネットのひび割れ修理は、割れてしまったところを埋めるために接着剤や同じ材質の木の粉を使います。
楽器屋さんなどで割れの修理は可能ですが、割れている箇所を埋めているのであって完全に元通りになっている訳ではありません。
とはいえ、クラリネットのひび割れの修理をしてもらうと、まるで元通りのようにきれいに仕上げてもらえます。

クラリネットがひび割れする3つの原因と対策

クラリネットを割らないためには、クラリネットの管体が嫌う3つの刺激を避けるようにしましょう。

クラリネットの管体が嫌うのは、
温度差」「湿度差」「」です!
以上の3つのことを避けるためにどんなことをしたら良いのかご紹介していきます。

1.クラリネットは温めてから吹こう!

クラリネットは冬場に割れやすいというのを聞いたことがあるのではないでしょうか?

クラリネットは管体の内側と外側の温度差が大きいと割れやすくなります。
冬場は管体の外の温度が下がりますよね。そこへ暖かい息をいきなり入れてしまうと、管体の内側の温度が上がり、外側との温度差に楽器がびっくりしてしまうことによって、割れてしまうことがあります。

管体の内側と外側の温度差を減らすために、クラリネットを吹く前は楽器の外側を温めてから吹きましょう!

クラリネットの正しい温め方

よく、音を出す前に、楽器の中に息を「フ〜」っと入れて温めている人を見ます。これはクラリネットのひび割れを防ぐには効果がまったくありません。

クラリネット割らないようにするためには、楽器に息を吹き込む前に、楽器の外側を温める必要があります。
理由は、先ほど述べたように、クラリネットのひび割れは管体の内側と外側の温度差からくるからです。

楽器を吹く前に、手で管体(黒い木の部分)を温めてあげてください

手が冷えているときは、カイロなどで手を温めてから楽器を触るようにすると良いです。間違ってもカイロを直接管体に当てたり、暖房器具で楽器を温めたりしてはいけません。

冷えている楽器が急に温まると、ひび割れの原因となります!
人肌くらいの温度で少しずつ温めるようにしましょう

2.スワブをマメに通そう!

クラリネットの管体に水が溜まったまま放置していると、木(管体)が水分を吸って湿度が高い状態になります。
その後、吹き終わったあとの乾燥した状態になったときに、木が大きな湿度差を感じると、割れにつながります。

みなさん、スワブはどのくらいの頻度で通していますか?
クラリネットのスワブは10分に1回くらいの頻度で通すように心がけましょう!合奏中やレッスンの最中でも、吹いていない時間を見つけては、マメに通すべきです。

スワブを通さないと、クラリネットの内側に水滴が溜まってきますよね。水分の放置はクラリネットに大きな負荷を与えてしまいます。木の劣化を早める原因にもなりますので、とにかくスワブはマメに通すように意識しましょう!

3.クラリネットが風にあたるのはNG!

あまり知られていないかもしれませんが、クラリネットは風の刺激にも弱いです。湿度変化に弱い話にも通じますが、乾燥したエアコンの風がクラリネットに直接あたると割れを引き起こすおそれがあります。

冷房・暖房ともにエアコンの風邪はクラリネットには大敵です。部屋の中でも、エアコンが直接あたるような場所や、夏場の扇風機の風は避けるようにしましょう。

外の風を避けるために、外や廊下を移動するときは、クロスで楽器を覆うことをおすすめします。楽器を吹いていないときは、こまめにケースにしまう癖をつけてると良いです。

クラリネットは繊細で刺激に弱いです。大切な楽器を割らないためにも、以上のことをしっかりと心がけましょう。

まとめ

・クラリネットのひび割れは上管に起こりやすい
・割れを引き起こすのは温度差や湿度差、風の刺激。
・割れを防ぐには、「冬場は楽器の外側を温めてから吹く」「スワブはマメに通す」「風に当たらないようにする」などの対策が有効。

クラリネットのキャップはマメにしよう!

クラリネットを吹いていないとき、キャップをしていますか?
楽器を吹いていなくて、机に置くとき、スタンドに置いておくとき、合奏の部屋まで移動するとき、クラリネットを演奏していないときはいつもキャップをするクセをつけましょう

プロの奏者は、曲中の何小節かの休みでさえ、キャップをする人がたくさんいます。

クラリネットのキャップをマメにするべき理由はひとつ、

大切な楽器を守るため」です。

クラリネットのキャップをすることで、リードの先端とマウスピースの先端の両方を守ることができます
大切な楽器を守るために、クラリネットのキャップはマメにつけましょう。

クラリネットにはキャップが必要

クラリネットを大切に扱うにはキャップは必要です。
なぜキャップが必要なのか、キャップを使用しないとどんな不具合が起こるのかお伝えしていきます!

クラリネットのキャップの役割

クラリネットのキャップは、マウスピースとリードの先端を守るためにあります。
楽器をしまう時はもちろん、楽器を演奏していない時間は、たとえ短時間でもいつもキャップをするように心がけましょう。

クラリネットにキャップをしないと

クラリネットのキャップをしていない状態で、先端をぶつけてしまったら大事故です!

クラリネットのリードの先端は繊細です。万が一、キャップをしていない状態でぶつけてしまうと高確率でリードが割れてしまいます。

また、マウスピースの先端も、とても簡単に傷ついてしまいます。
マウスピースは通常ですと約2〜3年は使用できますが、年々劣化していきます。マウスピースに細かい傷がつくと、劣化を早めてしまいますし、マウスピースは少しぶつけただけで、先端がかけてしまうおそれがあります。

楽器を守ることは自己責任

合奏の場所では多くの人が行き交います。自分の楽器は自分の責任で守らなければいけません。

人が通る危険な場所には楽器を置かない
楽器は安定しているところに置く
楽器を置く時は必ずキャップをする

以上のことは最低限おこなって、長時間楽器を吹かないお昼休憩などは楽器はケースにしまうことが望ましいです。

クラリネットのキャップをなくしてしまったら

クラリネットのキャップは吹いている間にどこに置いたかわからなくなってしまうことがよくありますよね‥‥(私はよくあります)
万が一キャップが見つからない時はどうしたら良いのか。お伝えしていきます。
これを知らないと、大切なマウスピースを傷つけてしまうおそれがあります。

そのままケースにしまうのはNG

クラリネットのキャップをせずに、マウスピースを直で楽器ケースにしまうのはNGです。マウスピースの先端が傷つきやすく、たとえ布のようなものでも触れ合ったり摩擦によって細かい傷が生まれてしまいます。

傷がつくことによって鳴りが悪くなったり、マウスピースの寿命を縮めてしまう原因になります。

クラリネットのキャップがどうしてもない時は、マウスピースはマウスピースを買った時の箱にしまいましょう。

なんでも良いのでキャップを準備しよう

キャップはクラリネットに必要不可欠なものです。
キャップが見つからない時は、すぐに新しいものを買うなどして代わりのものを手に入れましょう。

当たり前ですが、クラリネットはキャップによって音色が変わることはありません。
なので、キャップはサイズさえ合っていればなんでも良いです。
1,000円以下でも購入することができますできますので、クラリネットのキャップがない方はすぐに購入をおすすめします!

1000円以下で購入できるクラリネットのキャップ

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感想(4件)

このようにキャップだけで購入できます!

こんなキャップはダメ

キャップは基本的になんでも良いですが、サイズが合っていないものはダメです。

・クラリネット用でないもの(サックスやバスクラリネット用のもの)
・キャップをしたときに、リードやマウスピースの先端があたってしまうもの

こんなキャップはダメです。
せっかくキャップをしていても、キャップにマウスピースの先端があたってしまっていては意味がありません。

リガチャーに合わせてキャップを選ぼう

クラリネットのキャップを選ぶコツはズバリ、「落ちやすくないか」です。

クラリネットのキャップをしていたのに落としてしまって、「カランコローン!!」と大きな音を立てて落としてしまった経験、ありませんか?

キャップはなんでも良いですが、
・マウスピースの先端がキャップの内部にあたっていないか
・リガチャーにはめたときに落ちやすくないか

という2点は確認すると良いです。
とはいえ、上でご紹介したキャップは、基本的にこの2点をクリアしていると思います。
リガチャーとセットになっているキャップがあれが望ましいですが、そうでなくてもサイズが合っていれば問題はありません。

まとめ

クラリネットのキャップはマメにしましょう。演奏していないときはいつもキャップをするクセをつけると良いです。
キャップは基本的になんでもはまるので、ゆるすぎないものでしたら問題ありません。

おまけ

こちらのシルバースタインのオムニキャップは、マウスピースの先端にはめるタイプなので、どんなリガチャーでもぴったりはまります。
キャップを落として大きな音をたててしまうおそれもありません。

少し柔らかい素材なので、強い衝撃には弱いですが、よっぽど強くぶつけない限りは問題ないでしょう。

SILVERSTEIN(シルバースタイン)OMNICAP(オムニキャップ)

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フォーカルジストニアは完治することができるのか

職業性のジストニア、フォーカルジストニア(局所性ジストニア)とは、ある一定の動作の動きをしようとしたときに、身体の一部が思い通りに動かずに固まってしまったり、震えてしまったりする病気です。

フォーカルジストニアは、楽器演奏に支障をきたすものとして、近年多くの音楽家が苦しんでいます。

フォーカルジストニアの基本的なことについてはこちらの記事でご紹介しています。
ミュージシャンのジストニアという病気について

明確な治療法が確立されていないフォーカルジストニアは、完治することができるのでしょうか

手術によって完治した人や、長年のリハビリ治療によって完治したという人を聞いたことがあります。
また、あるとき突然治ってしまった人がいるという話も専門家の先生から聞きました。

しかし、それは一部の人です。
多くのフォーカルジストニア患者は長年症状に苦しみながらなんとか楽器を演奏したり、演奏家としての道を絶ってしまったりしています。

フォーカルジストニアは自身の意思や努力に応えてくれるように完治することができる病気ではありません。

この記事ではクラリネット奏者であった私がフォーカルジストニアになってからのことを綴っていきます。

主観的になってしまいますが、実際に起きたことや感じたことを詳細にお伝えすることによって、フォーカルジスニアの現実を知る手助けになれたらと思います。

さまざまな改善方法を試した結果として、私のフォーカルジストニアの症状は徐々に軽減していきました
しかし、今現在でも完治はしていません

・フォーカルジストニア発症
・フォーカルジストニアの症状の緩和
・フォーカルジストニアの完治を目指した結果

以上の項目にわけて、私がフォーカルジストニアの完治を目指していった過程をお伝えしていきます。

フォーカルジストニア発症

私はクラリネット奏者として生活をしていましたが、今から約2年前にフォーカルジストニアの診断を受けました。

当時の私は、フォーカルジストニアの存在を知らず、診断の1年ほど前から「なんか指が回らないな」という気付きはありましたが、自分がフォーカルジストニアだと自覚するまでに時間がかかってしまいました。

結果として、「指が明らかにおかしい」と気付いたときには、左手の小指が全く機能しなくなるほど、ひどい状態になっていました。

フォーカルジストニアは、突然発症する人もいますが、少なからず前触れがあることが多いです。

当時の状態では、これまでに自分がおこなっていた演奏活動を続けることは不可能でした。
レッスンの仕事と一部の演奏の仕事を除いた全ての本番をキャンセルせざるをえませんでした。

「演奏活動を休止して、1年後に復帰します!」
と高らかに宣言していました。
何を根拠に1年と言っていたかは覚えていませんが、このときの私はフォーカルジストニアが1年で完治すると思っていました。

さまざまな治療法を調べ、フォーカルジストニア完治へ向けての日々が始まりました。

フォーカルジストニアの症状の緩和

フォーカルジストニアの症状が緩和していったきっかけはいくつかあります。
主に以下の3つのことがあげられます。

フォームの改善
症状の出る仕組みを理解
感覚再起のリハビリ(SMR治療)

フォームの改善

改善への大きなきっかけは4スタンス理論に出会ったことでした。

4スタンス理論とは、“身体の使い方によって人は4つのタイプに分かれ、自分のタイプにあったフォームや動きをすることでパフォーマンスを効率よく最大限に生かす ”といった理論です。

4スタンスを提唱している整体「廣戸道場」でタイプ診断と、自分にあった楽器の構え方の指導を受けました。

フォーカルジストニアになる以前の私のフォームは、自分の身体の特性にあっていないものでした。
自分の身体にあったフォームに改善をすることで、自然に指が動きやすい形を見つけることができました。

結果として、ジストニアの症状は軽減しました
自分にとっての正しい身体の使い方を理解し、ジストニアの症状がひどく出るフォームを回避することができるようになったからです。

4スタンス以外にも、ジストニアの研究をされているイザベル・カンピオン先生の講座を受けたことも、フォーカルジストニアの改善に有益な経験でした。

イザベル先生の講座で、より深く身体の仕組みについて理解することができました。
肩甲骨をしっかり使うことによって、指の動きまで改善するということを知ることができ、イザベル先生に教わった肩甲骨のストレッチは毎日おこなっています。

症状の出る仕組みを理解

私の場合は、「左手の小指が丸まってしまってうまく動かない」いうのが主な症状です。
しかし、小指だけ動かすとほぼ問題なく動くのです。
クラリネットを構えて、左手の薬指をおさえたときのみ、小指が動かなくなります。

フォーカルジストニアの特徴として、ある一定の動作のときにのみ指などが思い通りに動かなくなるということがあります

ジストニアの症状が出はじめると、どんどん指が丸まってしまってしまうので、できるだけ症状がでない方法で演奏をするようしていました

根本的な解決にはなりませんが、左手の小指を浮かせていると震え丸まりなどの症状が出てしまうので、左手の小指はキーの上にそっと置いておくようにしました。

フォーカルジストニアの症状がこれ以上ひどくならないようにすることによって、コツコツと少しずつできることを増やしていきました。

感覚再起のリハビリ

実際にフォーカルジストニアの症状の改善が叶ったのは「SMR治療(Sensory motor returning)」と呼ばれるリハビリ治療のようなもののおかげだったと思います。

音楽家のフォーカルジスニアは、症状がなくなって治るということは考えづらいです。
悪いものがとれるて治る、のではなく、新しい感覚を身体に覚えさせるといった方向で治療をしていくのが良いということに気づきました。


フォーカルジストニアでは、「症状を引き起こしている指」を固定すると、「症状が出ている指」が動くようになるのです。
言い方を変えると、「症状を引き起こしている指」のせいで、隣の指に症状が出てしまっているのです。

フォーカルジストニアは「症状が出ている指」と「症状を引き起こしている指」があります。
SMR治療の特徴は、「症状が出ている指」を自由に動かすために、「症状を引き起こしている指」を固定します。

このように突き指を固定する器具を使用して「症状を引き起こしている指」を固定しています。

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感想(7件)

この治療は指を固定する道具さえあれば、自分でおこなうことができます。

SMR治療を指定された期間おこなうことによって、何も吹けなかった頃の指の状態から回復することができました。

このほかにも、
・整形外科への数回通院(リハビリの方法を習う)
・カイロプラクティック
・神経科への相談

などさまざまな治療を試しました。特定の病院に通院することはせず、毎日の身体の使い方の改善やSMR治療によって、フォーカルジストニアの症状を回復させていきました。

フォーカルジストニアの完治を目指した結果

これまでにご紹介した方法で、フォーカルジストニアの症状は完治とは言えないまでも、著しく改善していきました。


フォーカルジストニアの診断を受けてから1年後には、小さなコンサートに出演、その半年後にはソロのリサイタルをおこないました。


しかし、ソロのリサイタルの練習の最中、どうしてもできない運指のテクニックがいくつもあり、「やはり完治はしていないんだ」という現実に直面しました。

その数ヶ月後にオーケストラの仕事を引き受けたときに、絶望を味わうことになります。

何度本番をおこなっても、やはり、同じ箇所の指の動きができない。
オーケストラの仕事で音がかけてしまうのはあり得ません。


なんとかして指を動かそうとした結果、フォーカルジストニアの症状がまたひどく出るようになってしまいました

症状を抑える術をたくさん覚えても、フォーカルジストニアの根本的な解決はしていないんだ。」
これ以上の症状の改善は望めない。完治は不可能なのではないか。

それは、フォーカルジストニアになったことが発覚した時と同じくらい、またはそれ以上に深い絶望でした。
ここではじめて、「フォーカルジストニアである自分自身を受け入れられていない」ことに気づきました。

フォーカルジストニアになる以前と同じような活動に戻ることを、どこかで夢見ていました。

しかし、フォーカルジストニアを持った自分を受け入れて、できることをしていくしか楽器を続ける方法はない。
その事実を受け入れるのはとても辛かったです。

日本ではフォーカルジストニアの外科手術が存在します。私は、手術はおこなわないと心に決めていたのですが、この絶望を受けて、手術を検討するようになりました。 

私が局所性ジストニアの定位脳手術を受けようと思った理由

正直、手術には抵抗がありました。
手術だけが、完治の道とは思っていません。

しかし、後悔しない覚悟があるのならば、フォーカルジストニアの完治に近づく方法のひとつである手術を受けるという選択肢もあります。

何年もかけてフォーカルジストニアが完治した、という話を聞いたことがあります。
しかし、音楽家としての仕事を十分にできないまま数十年後に完治したところで、何が待っているのでしょうか。
練習を止めたら、もう戻らない技術も、仕事もあるのは事実です。

多くの音楽家が完治まで待てずに、治療を止めてしまう理由が今はよくわかります。

フォーカルジストニアの状態では最低限の演奏技術を維持していくことでさえ、困難だと思います
仕事が十分にできなく、生活も変わります。日々の手の調子によって左右され、練習をしても、技術が積み重なっていくことは難しいです。

フォーカルジストニアになってしまったら、病気とどのように付き合って生きていくのか、何度も自分と向き合って生きていかなければなりません。

まとめ

フォーカルジストニアの完治は難しいです。

クラシックの演奏家として活動する以上、できない運指や、できない音の並びがある状態で仕事をしていくのは困難です。聴いている人が大丈夫といっても、なんとか演奏できている裏には、ジストニア患者本人の身体の無理と激しい心への負担がかかっています。

私の主治医の神経科の先生もおっしゃっていましたが、フォーカルジストニアとは正面から向き合うのではなく、一緒に過ごすくらいの気持ちで付き合うのが良いでしょう。
向き合えば向き合うほど、うまくいかないのがフォーカルジスニアです。

フォーカルジストニアが治らないという現実について受け入れられてからが、本当の完治への道かもしれません。

クラリネットのタンギングで1番大切なこと

クラリネットのタンギングは難しい、、、と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
クラリネットのタンギングで1番大切なことは「楽器に息をしっかり入れること」です。

タンギングが上手くいかないと、つい「舌のつき方」がよくないと考えてしまいがちです。
しかし、タンギングが上手くいってない人は、楽器に息がしっかり入っていないことが原因になっていることがほとんどです。

この記事では、クラリネットのタンギングがきれいにできるようになるための大切なことをお伝えしていきます。
「こんなタンギングは良くて、こんなタンギングはダメ!」というクラリネットのタンギングあるあるもご紹介。

クラリネットのタンギングはいやだな、と思っている方もこの記事を読めば、苦手意識がなくなりますよ!



正しいクラリネットのタンギング

タンギングとは、舌で息の流れを切ることです。
クラリネットでタンギングをするときの息の入れ方は、ロングトーンのときと同じで、真っ直ぐに一定のスピードの息を入れ続けます。その上で、リードに舌をついて音を区切っていきます。
スタッカートやアクセントがついていないタンギングでは、基本的には音を短く切ったり、息を動かしたりしません。

・クラリネットのタンギングの仕方

クラリネットでタンギングをするには、舌の先端近くがリードの先端近くに軽く触れるように「TU-(トゥー)」と言います。

きれいなタンギングをめざすかたは、ぜひ以下の順序を試してみてください。

楽器を吹かずに、口で「トゥートゥートゥー」と言ってみる

「ツー」でも「チュー」「トー」でもなく「トゥー」です!
これによって、クラリネットのタンギングのときの舌の動かし方の感覚を掴みましょう。

楽器をくわえて、音は出さずにタンギングをしてみる

アンブシュアはしっかり作って、楽器に軽く息を吹き込み、音はまだ出さずにタンギングをしてみましょう。
①で行った「トゥートゥートゥー」という感じでリードに舌をつきましょう。
ここでポイントは、舌はリードにできるだけ軽く触れることです。
舌がリードに強くあたると、きついタンギングになってしまいます

音を伸ばしてみる

まずはタンギングする前に、タンギングする音をロングトーンしてみてください。きれいなタンギングにはしっかりとした息が入っていることが必須です

いよいよタンギングをしてみる

③でロングトーンをした息と同じくらいしっかり楽器に息を入れて、ゆっくり「トゥートゥートゥー」とタンギングをしてみましょう。息はずーっと入れっぱなしです。(ロングトーンのときの息と同じ)

どうでしょうか?タンギングはできましたか?
以上が基本のタンギングのやり方です。‥‥と言ってもどんなタンギングが良くて、どんなタンギングがダメなのかわからないですよね。
次に、タンギングの良い例とダメな例をご紹介していきます。

・きれいなタンギングとは

きれいなタンギングとは、

はっきり音と音が切れている
発音の音(舌がリードに触れる音)や雑音が聞こえない
音によって強かったり弱かったりしない。

・タンギングのダメな例

こんなタンギングはあまり良くありません。

はっきりと音が区切れていない
テーンとリードを弾くような音がする
雑音が鳴っている
音によって強さや音色にムラがある

舌をリードにつく力が強かったり、舌に力が入っていたりすると、きついタンギングになってしまいます。
舌の力を抜いて、「リードに舌をつく」というよりは、「リードに舌が触る」くらいのイメージでタンギングをするとよいでしょう。
雑音や音のムラの原因は、息が入っていないか、アンブシュアが安定していないことかもしれません。

クラリネットのタンギングをきれいにつく3つのコツ

タンギングをきれいにつくコツは、

しっかりとしたスピードの速い息を入れる
アンブシュアや喉など、舌以外の場所を動かさない
舌の力は抜いて、リードに軽く触れるだけ

以上の3つです。どれも基本的なことですが、クラリネットのタンギングにおいてとても大切なことです。
意外とこの3つができていない人は多いのではないでしょうか。

ここからは、クラリネットのタンギングをきれいにつくコツについて詳しくお伝えしていきます。

クラリネットのタンギングは息が大切

クラリネットのタンギングにおいて、舌の動きはそれほど難しいものではないと思います。
タンギングが上手くできない人は、多くの場合、息がしっかり入っていないのです。

息がしっかり入る」というのはどういうことなのか、ご説明していきます。

クラリネットを吹くときの息は、スピードが大切

クラリネットを吹くときの息は、スピードの速い息が基本です。
スピードの速い息とは、「はぁ〜」っとはく暖かい息ではなく、「ふーーっ!」と吹く、ロウソクの火を消すような勢いのある息です。

クラリネットに限らず、管楽器の音は、主にによってできています。
上手な人は、軽々と吹いているように見えても、スピードが速い息を安定して吐いているのです。

音のはじめから終わりまで、スピードの速い息を吐くことができるように練習してみましょう!
特に、音の出はじめからスピード感のある息が出せるように意識しましょう。
音の出はじめからしっかり息が入ると、音の立ち上がりも安定します。

クラリネットのタンギング練習をするときは、スピードの速い息を吐き続けることをしっかり意識することが大切です。
タンギングをすると、つい舌の方に意識が集中してしまいがちですが、タンギングのときに1番大切なのはしっかりと息が入っていることです

タンギングのときにアンブシュアが動いていませんか

「クラリネットのタンギングが速くできない」という人は、舌以外の場所が動いているかもしれません。
タンギングをするときに下あごが動いてアンブシュアが不安定になってしまうと、きれいにタンギングができているように思えても、テンポを上げようとしたときにできなくなってしまうおそれがあります。

なぜかというと、舌以外の場所が動くのはすベて余分な動きでだからです。余分な動きがあると、テンポアップしようとしたときに、これ以上速く身動けないという壁にぶつかってしまうでしょう。

タンギングのときにアンブシュアが不安定になってしまうという人は、記事の前半でご紹介した「クラリネットのタンギングの仕方」に戻ってみてください。

タンギングのときにアンブシュアが動いてしまう人の解決方法


楽器をくわえずに、口だけで「トゥートゥートゥー」というタンギングのときの舌の動きをしてみてください。そのときにアンブシュアを作った状態で、アンブシュアを動かさずに舌の動きができているか確認しながら行いましょう。

次に、楽器をくわえて音は出さずに息を軽く楽器吹きこみながらタンギングしてみます。このときも、吹いているときとまったく同じアンブシュアができているか、アンブシュアが動いていないかをしっかり確認しながら舌を動かしましょう。

そして、普通に楽器を吹いてタンギングをする。これでアンブシュアが動いていなければOKです。もし動いてしまう人はひとつ前のステップに戻りましょう。

タンギングのときにはアンブシュアが不安定になりがちです。鏡をみながら練習を行なって、徹底的になおしましょう。一度ついてしまったクセをなおすのはとても大変ですが、気付いたらいち早くなおすように努めることが今できる最善の方法です!

タンギングの舌づかいについて

クラリネットのタンギングの時の舌の動きは「軽く、やさしく」が基本です。舌に力が入ってしまうと発音が強くなってしまって汚い音の印象になってしまいます。

クラリネットのタンギングの時の舌とリードの触れ合う位置

クラリネットのタンギングの時、舌のつく位置はリードの先端近くです。リードの先端の数ミリ下のところがよいでしょう。あまり下の方ですと、抵抗が大きくなってしますので良くありません。しかし、一番先端のところに舌が触れるとタンギングしているうちに血が出てしまいますので気をつけましょう。

リードに触れる舌の位置も、舌の表の先端近くです。こちらも舌の本当に先端部分でタンギングをすると、舌が切れてしまうおそれがあります。しかし、舌の奥の方でつくのは、そもそも動かしづらいですし、身軽に動かすことができないので良くないです。

また、とリードがいつも向き合っているようにしましょう。舌をリードから離したときに、舌の向きがあっちこっちせずに(舌が口の奥に行ってしまうのは良くありません)、舌の動く距離は少なくするように心がけてください。

まとめ

クラリネットのタンギングのときには、息がしっかり入っていることが、まず1番大切です。

タンギングをきれいにつくコツは、
・しっかりとしたスピードの速い息を入れる
・アンブシュアや喉など、舌以外の場所を動かさない
・舌の力は抜いて、リードに軽く触れるだけ

です。速いタンギングをできるようになりたいと思っている人も、まずは基本的なタンギングがきれいにできているか確認してみましょう。きれいにタンギングができるようになったら、テンポを速くしていくことはさほど難しいことではありません。
基本のタンギングをマスターして、タンギングへの苦手意識を減らすことができるとクラリネットの演奏がもっと楽しくなりますよ!

チンドン屋の定番曲はこれで決まり!絶対におさえておきたい5曲

チンドン屋は、シチュエーションに応じてさまざまなジャンルの曲を演奏します。
たくさんの曲のレパートリーをもっているチンドン屋ですが、「チンドン屋ならではの曲」というのは意外と少ないのです。
こちらで紹介する5曲さえ知っておけば、チンドン屋の曲について詳しくなれます!



1.竹に雀

チンドン屋の曲といえば、竹に雀、通称「タケス」です。
竹に雀とは、竹に雀が止まっている絵面のように「取り合わせの良いもののたとえ」です。
タケスはもともと、下座音楽といって歌舞伎などの舞台袖で演奏される音楽として、三味線などの邦楽の楽器で演奏される曲でした。

チンドン屋では、はじめの一曲として演奏されることが多く、また、チンドン屋なら誰でも知っている曲です。

2.千鳥

タケスに並び、千鳥もチンドン屋の代表曲です。
チンドン屋によって軽快に演奏される「千鳥(ちどり)」も、もともとチンドン屋の曲として作られたのではなく、箏の合奏などで演奏される邦楽の定番曲でした。
日本らしいメロディーとお囃子のリズムが、街を賑やかします。

3.美しき天然

「天然の美」とも呼ばれるこの曲は唱歌で、明治時代に女学校で唄われていました。
3拍子にのせて、もの悲しい旋律が歌われています。
チンドン屋の曲として以外にも、サーカスの曲としてよく演奏されるそうです。チンドン屋の間では、「天然」と略されています。

4.ドンドレミ

「ドドレミ〜♪」という音からはじまることから「ドンドレミ」というタイトルがついたこの曲も、チンドン屋の曲の大定番です。
チンドン屋にはクラリネットやトランペットなどの♭Bのキーの楽器が多いため、♭Bのキーで演奏されることが多いです。

5.四丁目

チンドン屋の仕事終わりの曲として演奏されるのがこの曲。「しちょうめ」と読みます。
こちらもタケスと同じく下座音楽として演奏されていたようですが、いつしかチンドン屋定番曲になりました。

チンドン屋の曲の楽譜

チンドン屋の曲の楽譜を探してもなかなか見つかりません。
それは、チンドン屋は楽譜を見て演奏しているのではなく、「吹いて伝える」「聴いて覚える」というスタイルで、曲を語り継いでいるところが多いからです。
なので、チンドン屋によってそれぞれ微妙にメロディが異なっていることもあります。

チンドン屋の曲の楽譜を探していたら、なんとクラリネットのアンサンブル譜をたくさん出版しているクラリキャット(by音楽の絵本)さんが、「チンドン屋メドレー」を出版していました!驚き!

「竹に雀」「美しき天然」「四丁目」のメドレーだそうです。編曲者の方のコメントに「なるべく雑に演奏するのがポイント」と書いてありました。なるほど、、、。

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サックス4重奏版もあります。

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感想(0件)

チンドン屋は懐かしい曲から、最近の曲までさまざまな曲を演奏しますが、チンドン屋ならではの曲、というのは以下の5曲くらいかもしれません。

竹に雀(タケス)
千鳥(チドリ)
美しき天然(天然)
ドンドレミ
四丁目(しちょうめ)


この5曲を覚えておけば、チンドン屋のレパートリーの基本はすべておさえることができたと言ってよいでしょう!