未分類

ウールの48エチュードの4番を演奏してみた|クラリネット

こんにちは、クラリネットのクズシマです。今月来月はエチュード月間です!音大時代に勉強していたウールのエチュードに挑戦中しています。

3番が仕上がらず、付点音符が特徴的な4番を先に録音しました。結構シビアにリズム刻んでたつもりでしたが、録音聴くと3連符に聴こえないでもないな、、、。数回練習しただけで結構サクっと録ってしまったのでメトロノームつける練習が不足していたかなと反省。

そしてピアノが強い。音に余白がなくて鳴りすぎ。ちょっと運動神経悪そうな演奏。もう少しシャープなリズムを目指しましょうという課題。

この4番は音大入学してすぐのレッスンで、「付点のリズムがなってない!」と先生に手取り足取りレッスンしていただいた思い出の曲。

付点は割と安定て吹けているつもりでしたが、運指が難しくなったり、テンポが速くなったりすると崩れますね。引き続きトレーニングが必要です、、、。少しずつ頑張ります。



ウール: クラリネットのための48の練習曲集 第1巻/ショット社


ウールの48エチュードの2番を演奏してみた|クラリネット

こんにちは、クラリネットのクズシマです。
「超絶技巧も余裕な奏者になるためにウールのエチュード全部YouTubeに上げるぞ!」と意気込んで、1番を録音したところまでは良かったものの、2番から挫けそうになり、1番のアップから約1ヶ月近くも経ってしまいました。
本当はスタッカートもっと短く切りたい、ブレスもっと素早くとったほうが良いよな‥‥。と思いながら録音をききかえしています。最後ちょっとポロってるし‥‥。


この日3番も撮ろうとしたけれど断念。3番の方が苦戦しています。運指がむずかしい曲はやはりレガートの方が難易度上がるな、、と思います。目標はやめないこと。ボチボチ上げていきます。


ウール: クラリネットのための48の練習曲集 第1巻/ショット社


ウール48のエチュード第1番を練習してみた

こんにちは。クラリネット奏者のクズシマです。

音大入ったばかりの頃に練習していたウールのエチュードをひっぱり出してきて頑張って取り組んでみようと思っています!ウールは技術的に本当に難しい‥という印象だったのですが、久しぶりに楽譜をみてみると、よくできたエチュードだなぁ、いいエチュードだなぁと感じました。

時間かかりそうですが、全曲きちんとさらってみたいと思います。

まずは第1番。この曲は唯一ゆったりとした曲調で、運指的にはそんなに難しくありません。
しかし、4小節ごとにしかブレスを取れないので、なかなか苦しい‥‥。
どんどん和声が変化していくので、音程感が難しいですが、楽しいです。

この演奏の気に入っていないところは冒頭の実音Fの音が開き気味なところです。ネックあたりの音開かないようにアンブシュアをタイトに保たなくては。次は2番、、、急に難易度が上がります‥。


ウール: クラリネットのための48の練習曲集 第1巻/ショット社

ジストニア|定位脳手術を受けました(手術当日編)

クラリネット奏者の葛島涼子です。最近ではネット周りでは「クズシマ」という名前でYouTubenoteでも活動しております。

2020年9月24日
東京女子医大でジストニア治療のために定位脳手術を受けました。

手術の日に感じたことをありありと描写していきます。「怖いの見たくない」という方はちょっとだけ閲覧注意です。そんな私も怖いのもグロいのも苦手です。


起床〜朝の支度

手術当日。7時30分から、手術台に頭を固定すフレームを装着するので、それまでに朝の身支度を整える。入院してから毎日看護師さんに起こされるまでは寝ていた私でさえ、流石に緊張しているのか、自然と6時に目が醒めた。

前日に看護師さんから受け取った手術着に着替えて、手術中の血流が悪く夏の防止?のためのメディキュットみたいな靴下をはく。手術着は紙みたいで心許ない。下着もつけずに直で着るので、スースーするし、紐で縛っているのだけなので、はだけそうで心配。下半身は自分のパジャマ。汚れることはないとのことだったので、お気に入りのものを。

この日は一日絶食。朝ごはんもなし。歯を磨いて顔を丁寧に洗う。

看護師さんが検温と血圧測定、そして痛み止めのテープをまゆの上に貼ってもらい、痛み止めの内服薬を飲む。

もう病室には帰れないそうなので、手術室に持ってきてもらう楽器などの支度を整えて、彼に連絡。ピースしている余裕あり。手術では化粧コンタクトもダメなのでスッピンでメガネです。

固定具装着

いつが1番痛いですか?」手術説明の時に先生に質問したら、
「人によりますが、手術前に頭にフレームをつける時が1番痛いです」
という答えでした。
ちなみに手術中は痛い事はないという説明だった。

そんなことを聞いていたので、いきなりビビりながら向かう。

ナースステーションの裏で、いつも毎朝様子を見にきてくださる若い先生と、看護師さんのふたりで、フレームを装着していきます。(後から、私服で手術に入る先生が覗きにきてくださった)

車椅子に座った状態で、まずは点滴。
この時さした針から、痛み止めやら抗生剤やらを入れていったので、この針は翌日の夜寝るまでずっと、抜けませんでした。

「気分が悪くなったりしたらすぐに言ってね」
と言ってくださり、フレーム装着開始。

頭の4箇所でガッチリネジ?をしめて固定していくそう。まずは、固定する場所にペンで印をつけます。髪の毛が邪魔。前髪ピンで止めてこれば良かった。テープで前髪止められました笑。

固定する4箇所に麻酔を打ってもらいます。
「この麻酔が痛いのか‥‥」と思ったら身体が硬くなった。
でも、先生が、「ちょっと痛いよーちくっとして、入る時にちょっと痛い!」という細かい解説を入れながら注射してくださったので、全然怖くなかったです。痛みも大したことなかった

それに、先生のおっしゃっていた通り、手術の一連において、これ以上の痛みがあることもなかった。現代医療すごい。ありがとう麻酔。ありがとう先生。

麻酔が終わったらいよいよフレーム装着。頭に金属の音がガチャガチャ響く。
先生がずっとなんか話かけてくださるけどあんまり余裕がない‥‥。でもこれまでにいろいろ会話した先生方だったから、信頼できたし安心できた。

先生「音大は違う楽器との合コンはあるの?」
私「そもそも男性の人数が少ないのでないです。音大では男であるだけで無条件にモテます」
先生「俺も音大入れば良かったのか」
私「‥‥(たぶん外科医のがモテますよ先生。)」

そんなような本当にくだらない会話だったと思う‥笑

大きな病院の先生っておじさんばかりかと思ったら、みなさん多分私とそんなに年齢変わらないくらい?

この日まで、5日間も入院して、毎朝回診にき来てくださる時に先生とポツポツとした何気ない会話も必要なことだったみたい。

麻酔がきちんと効いているようで、装着するのは全く痛くなかった。
締め付けられて一瞬視界がグラグラしたけれど、大丈夫だった。先生方も看護師さんもいてくれたから、全然怖くなかった。

手術の前に一人で東京に向かう行き道のほうが、よっぽど不安だった。

平先生のチームの先生方も看護師さんもみんな、とても信頼できる。

私の周りの人は手術のことをこれでもか!というくらい疑ってかかっていたし、私もそうだった。

でも、この頃の私は、手術に関わってくださる全員を完全に信頼しきっていていた。

当たり前だけど、みんなプロだし、本気だ。自身が手術がうまくいくようにみなさん尽くしてくださる。心から嬉しかった。私の手術のために力を尽くしてくれる人たちのことを私が信頼しなくてどうする、、、。

器具をつけたまま、車椅子でMRI。器具をつけているせいで頭が重いのでうまく歩けない。ヘルパーさんと看護師さん、先生も後から来てくださった。

たったひとりで手術を受けること決めてからこの日まで、ずっと心細かった。不安だった。

反対される中、自分の意志で手術を決めた以上、そんなこと、誰にも言えなかった。心強くて、嬉しくてMRIのあの騒音の中で少し泣いた。

MRI〜手術室へ向かう

MRIが終わったらこのまま手術室にいくそうなので、お手洗いを済ませる。要介助状態なので、トイレの中まで看護師さんがついてきてくださる。申し訳ない。
そしてこのタイミングで生理がきた。空気読んでくれ。私の人生はいつもタイミングが悪い。お腹痛い、さいあく。

ここでヘルパーさんとはお別れ。
「大丈夫だから、頑張ってね」
と声をかけてくださった。安心感のあるお母さんみたいな方だった。

看護師さんに車椅子手術室まで連れて行ってもらう。少し時間が早かったようで、手術室の緊張感漂う廊下みたいなところで待つ。9時30分手術開始。コンサートの本番を待っているみたいだ。

血圧を測ってもらい、体調に異常がないか改めて確認。楽器を持ってもらっている。いつ組み立てるか心配だったので質問したら、「中に入って手術室の看護師さんに確認しましょう」とのことだった。

手術室専門の看護師さんが迎えにきてくださった。明らかに仕事ができそうな頼もしい方だ。一瞬で信頼できる人だということが伝わった。

「楽器は手術室に入って手術台に上がる前に組み立てましょう。私に持ち方など教えてくださいね」と手術室の看護師さんがおっしゃった。

いよいよ手術室の扉が開いた。看護師さんの「おはようございます」の声と共に一緒に挨拶するくらいの余裕はあった。

手術開始前

手術中はコンタクトレンズができず、頭に器具がついているのでメガネもできず、ずっと裸眼(視力0.01以下)の状態だった。平先生が手術台のところにいらっしゃるのは声と気配でわかったけど、他の先生がどなたがいらっしゃるのか手術終了後までわからなかった。多分目が見えていたら、恐怖もあったかもしれないけれど安心感もあったと思う。残念。

楽器を組み立てて、簡単に看護師さんに持ち方などを説明する。音を出すかもしれないので、一瞬音出しさせてもらった。手術室でクラリネットの音が鳴り響く。なんか滑稽だ。

準備ができたら、まず、本人確認のために名前と生年月日を言う。
実は手術前日が誕生日だった。手術室の看護師さんが「昨日お誕生日だったんですね!おめでとうございます!」と言ってくださった。嬉しかった。一瞬だけど、緊張の糸が解けた。

そして、「今日はなんの手術をするか簡単に説明できますか?」と質問される。「左手のジストニアのための、右の脳の手術です」と言う具合に答えた。いよいよ緊張してきて、話している口周りが震えているのを感じた。

車椅子から自分で立ち上がり、手術台には自力で登った。

手術開始

頭にはめているフレームをガッチリ手術台と固定します。
「大丈夫?角度きつくない?」と先生が聞いてくださった。正直、フレームはめていて感覚が鈍くなっていてよくわからない。頭周りのの感覚は鈍いのに緊張はピークに達し、身体が震えているのがわかる。

「手さえ頭のところに持ってこなければ身体は何しててもいいからねー。バタ足してもいいんだよ笑」と気さくな感じで先生が声をかけてくださる。それなのに、終始心に余裕がない。

「暑くない?寒くない?」と聞かれたけれど、緊張でよくわからない。怖くて身体の震えが止まらないので、部屋を暖かめにしてくださった。

手術台に固定されて、心は落ち着いているはずなのに、恐怖で全身の震えが止まらない。

私のキンキンに冷えた手を看護師さんが握ってくださる。ビニールの手袋ごしでも手の暖かさを感じると安心した。

看護師さん「音楽かけましょうか?」
私「何かクラシック以外、日本語以外のものをお願いします」
ワンオクをかけてもらった。よく知らない曲で良かった。その曲がずっとリピートされていたのに、もう今どんな曲だったか思い出せない。

固定されてからは、あっという間だった。

定位脳手術は全部で短くて25分、長くて50分くらいの手術だと伝えられていた。時計がうっすらと見えた。どんなに辛くても数十分で終わると思ったら頑張れた。

身体中に様々なシールが貼られ、血圧を測られながら、頭の消毒が始まり、平先生が「麻酔撃ちまーす、これだけちょっとチクッとするから頑張ってね」とおっしゃった。
フレームをつける麻酔と同じくらいの痛さ。でも1回きりだったので、全然平気だった。「もう終わりですか?」と聞いてしまうくらいだった。

ここからあれよあれよと頭が開けられていったよう。
ジャキジャキと髪の毛を切るような音は多分頭を切っていたのだと思う。意識のある中でそんなことをされていたのだと思うと、今考えても震えが止まらない。

でも痛くはない。髪の毛がぶちぶちと切れるくらいの感触。
ちなみに、東京女子医大のチームは唯一定位脳手術の時に髪の毛を剃らないのだと、のちに先生に教えていただいた。一部分くらいハゲてもいいと思っていたけど、正直ありがたい。

都度都度、頭に消毒液をかけられながら作業が進んでいくので、時々冷たい感触がある。

何十分も立っているのに震えが止まらなくて、先生に
「大丈夫〜?」と聞かれる。
私「心は大丈夫ですけど、身体の震えが止まらないです」
本当にその通りだった。

恐怖で意識を失ったら、楽器の改善度が見れず手術は成功しない。
人間はしっかり呼吸をしていれば、意識を失わないと思うので、手術台の上ではずっと「吸って、吐く、吸って吐く」と思いながら、必死で呼吸していた。
看護師さんがずっと腕をさすってくださっていた。

頭蓋骨に穴を開ける(怖いとこ)

あれよあれよといろいろ進み、いよいよ頭蓋骨に穴を開ける時がきた!ここまで本当にあっという間だった。多分手術台に横になってから。10分程しか経っていなかったと思う。

「大きな音が鳴りますけど、絶対大丈夫ですからね」絶対に力が込められていたように思う。
「30秒くらいで終わるので、頑張りましょう」ドリルを持っていると思われる先生がそう言った。人は終わりがある苦しみは耐えられるようだ。

あっという間に始まった。「ゴゴゴゴゴゴゴゴ」と歯医者のすごいバージョンの音が頭蓋骨に響き渡る。全然痛くないけれど、なんと形容して良いかわからないくらいの恐怖だった。

最初は怖すぎて何も考えられなかったけど、だんだん「まだ終わらないのか??」と考えるくらいには余裕になってきた。

痛みはないけれど恐怖がすごい。歯医者で痛くなる一瞬前のような感覚がずっと続いていた。

それから秒数を数え始めたけれど、おそらく全部で30秒以上かかっていたと思う。。貫通に近くに連れて、耳の横が熱いような感覚が少しあった。息をすることだけに意識を傾けた。手術台の上に仰向けになって寝ていると、ライトしか見えない。怖いと言う気持ちを拭えない。看護師さんがずっと声をかけてくださっている。

「ボコ」っという少し鈍い音がして、ドリルが止まった。貫通したみたいだ。なんだか耳の奥に不思議な感覚がある。

「山場は越えましたよ!」と看護師さんの声。
何分間恐怖に震えているんだろう。ここまできても慣れない。

「もうあとちょっとだからね」と平先生の声も聞こえる。

「耳の奥が痛いような熱いような感じなんですけどこれ、大丈夫ですか?」と聞いたら、別の先生が「ここだけ麻酔効かないんですよ」と怖いことを言った。でもその声で、入院中にお世話になったあの先生だ!ということが発覚したので、なんか変に安心する。

それ以上痛くなることはなかったけれど、頭に穴が空いていると思うと、ひどくゾッとしたし、麻酔は効いていたけれど、頭の奥、(頭の奥には耳があるなんて生まれて初めて感じた)になんだかずっと不思議な感覚があるような気がしていた。

焼くとこ(大事なところ)

ここからが手術で1番大切なところ、脳の一部を焼いて、ジストニアを取り除きます。

当たり前だけど、視力0.01しかない私の視界には天井しかないので、頭の横で行われていることや先生の姿は見えない。脳手術って歯医者さん以上に先生が上にいるんだなぁ。

怖い恐怖に対しても緊張していたけれど、1番この時に対して緊張していた。手術の恐怖はたった数分間。1番大切なことは、自分の症状が手術でしっかりと治ることだ。本当に治るのかどうか不安で、怖かった。手術に対する恐怖のナンバーワンはこれだった。頭を開けたのに治らないなんて、辛すぎる。

テレビで、脳に熱を与えた瞬間に手が動くようになって感動している患者さんを見た。本当にあのようになるのだろうか。

前日に先生からの説明で、「その場で症状の改善が見られない患者さんもいらっしゃいますが、我々が施すとは同じですのでご安心ください」のようなことを言われた。効果が出てほしいと期待していた。

ドリルでダメージをくらって、ゼーハーしているうちにあっという間に始まった。

「では楽器を持ってみましょう」と看護師さんからクラリネットを手渡される。楽器を持ったら恐怖による震えが止まった。考えたら、これまで、震え上がるような緊張の中、何度も自分の足でステージに登ってきたんだ。人間の反射ってすごい。

「症状が出る指の動きをずっとしててね」と先生から指示。
音は出さずに指だけ動かす。寝た状態で楽器を持つって大変だな。右手が痛い。

はじめに先生から「これはどうかな?」と聞かれたときは何にも変わっていなかたった。少し焦る。でも必死に指の動きを続けた。

「少しでも変わったことがあったら言ってねー」と言われても何も変わらない、、、一度だけ、左足の足先に痺れを感じたのですぐに伝えた。
次に「これは ?」と聞かれる頃には足の痺れは取れていた。

感覚は微妙なものなので、聞かれてから答えるまでに「少し待っていただけますか」と、時間をいただくこともあった。

足の痺れを感じてから次の変化で、指の感覚が少し変わったような気がした。でも正直はっきりとした感覚ではなかった。「もしかしたら治らないかもしれない」と、緩やかに絶望が押し寄せてきた。治らないのが1番怖い。

少し改善が見えたような感じだったので、楽器と一緒に持ってきたパソコンに切替える。目が見えないのでキーボード位置が全くわからないし、パソコンでは症状は少し出るけど出ない時もあるので、こんな微妙なこと判断できなかった。

「どうですか?」と聞かれて、「大丈夫ですね」とトンチンカンな答えを返すくらいだった。パソコンならこの指でも大丈夫、指に変な麻痺がないことはわかった。

再び楽器に持ち替える。
なんか改善されたような気もするし、しない気もする。指の動かし方(フォーム)を少し変えたら指の巻き込み(ジストニアの症状)がなくなったような気がした。でもここは重要だ、わずかに残っている気力と体力と集中力を振り絞り、指に意識を傾ける。

この辺りは記憶が曖昧だけれど、先生方が「指動いていますよ」「素人の僕たちからみても変わったってすごいですよ」と言われ渋々「はい、、、」と言ったような気がする。

完全に改善された自信がなかった。

でも振り返ると、あの時もほぼ直っていた状態になっていたのだと思う。手術の寝た姿勢でよくわからなかったのと、ジストニアを誤魔化すフォームのせいで、症状の改善を実感しづらかったのだと、振り返ると思う。

あまり手術が長引くと身体に負担がかかり良くないそうなので、先生方も早く場所を見つけたいのだろうなと感じていたからこそ、私は自分の感覚に神経を張り巡らせることに必死だった。

「少し前にずらしたらよくなりましたね」なんて先生同士の会話の声を聞きながら、楽器を再び看護師さんに預け、複雑な気持ちのまま手術台の上で脱力していた。

平先生より「もうあと5分くらいで全部終わるからねー」と声をかけられる。これで終わりなのか。

この後のことはほとんど覚えていない。先生がいろいろなことを話しかけてくださった「クラリネットはなんでこんなに金属いっぱいついてるの?」「誰がこんなにキーを多くしたの?」など、雑談のようなことだったと思う。多分この雑談がなければ、意識飛んでいたと思う。なんとか必死に答える。でも頭の中では「本当に治ったのだろうか?」と言う考えがグルグルしていた。

手術終了

頭を閉じる作業はあっという間だった。気付いたら、もうすべて終わってシャンプーされていた。お医者さんにシャンプーしてもらえるなんて不思議な体験だ。
看護師さんや先生がいろいろ話しかけてくださったけど、終始余裕がない。思考も感情も忙しい。

術後は頭を動かせないので、手術台から、担架へはスライダーで移動してもらった。あれ、なんて便利なのかしら。するっと移動できて笑ってしまった。もうそのくらいの余裕はあった。

手術室でフレームを外してもらう。外すと途端に痛みが来るらしい。すぐに点滴で痛み止めを入れてもらう。痛いけれど、全体的に身体の感覚が鈍っていてよくわからない。

この手術で感動したのは、先生の手際のよく的確で安全な手術はもちろん、手術室の看護師さんの気遣いの素晴らしさだ。恐怖で震え上がる私の身体をずっとさすりながら、先生方の指示で動きながら、ずっと身体だけでなく気持ちも汲み取ってくださった。

手術室を出る時、なんとしても看護師さんにお礼を言いたかった。

頭も痛いし、手術を終えて脱力してしまっている身体だったけれど、残された力を全部振り絞って、
「〇〇さんありがとうございました、すごく心強かった」と伝えた瞬間に涙が止まらなくなった。安心したみたい。
「良くなりますからね」看護師さんはそう声をかけてくださった。この言葉は本当だったことを翌朝知ることになる。

その後ずっと泣きながら運ばれていたら、運んでくださっていた先生が「頭、涙が出るほど痛いですか?」と言う冷静沈着なコメントをくださって、先生のそう言うところも好きだなと思った。

病室へ

術後、ボロボロすぎる見た目が笑えて写真撮っておいた、白いところが術跡、絆創膏のところはフレームの跡。いろいろ汚くてすみません。

手術室にいたのは50分間くらいだと思う。病室に術後は24時間は絶対安静。
病室についたのは11時くらい。12時過ぎたら、水は飲んで良いそう。

トイレはベットの上で。
バルーン(管)入れるか簡易トイレかどちらにするか聞かれる。
簡易トイレはちりとりみたいなのに、おむつが敷いてあってそこですると言うもの。この歳にして、トイレの世話をしてもらうことになるなんて‥‥。なかなかつらかった。

その日の午後に寝たきりのままMIR。異常がないか確認。
あとは日すらベットで寝たきり、長い24時間だった。薬を入れてもらっているので頭痛はそこまででもない。それより楽器が吹けるような手になったかの方が心配だった。寝たきりなので楽器を手元に持ってくることもできない。

手術の日の午後、平先生をはじめ、手術に関わってくださった先生方が回診にいらっしゃった。
先生「MIRの結果は問題なかったからね」
先生「麻痺とか話づらさとかない?大丈夫?」
私「大丈夫です‥。楽器の改善度が心配です」
先生「楽器は明日からだね。」
と言う短いやりとりする。

眠ったり起きたりしながら、24時間をなんとかやり過ごす。スマホを見るしかできることがない。手術の報告する相手もそんなにいないし、動画を見ても直ぐ飽きる。半沢直樹はもう全部観てしまった。

早く時間が経ってほしいと思ったけど、治っていなかったらどうしようと思うと、楽器を触るのが怖かった。

長い夜だった。
深夜に起きて、頭が痛くて、ナースコールで薬を足してもらうようお願いした。

続きです

ジストニア|定位脳手術を受けました(術後編)

2020年、3年近く苦しんだジストニアを直すために定位脳手術を受けました。手術当日のことは上記の記事に書きました。この記事では手術を終え、回復と症状の改善までを綴ります。

手術翌日

手術翌日、車椅子でCT。

この検査がOKなら歩行が許可される。トイレに自分でいける喜びよ!
早く終われと思いながら完全介助してもらいながら、検査へ。

傷口が若干痛むけど、フレーム跡の痛みはもうほとんどない。頭痛ではなく、傷跡の痛みという感じ。

先生の許可が出るまで、ベットで待機。起きあがれるようになってはじめにしたことは楽器を触ること。

ベットの横に置いてもらっていたクラリネットをなんとか引き寄せ、ベットの上で組み立てる。怖かった。これで治っていなかったら全部意味のないことになってしまう。

まずは両手でキーの感触を確かめる。そして、いつも指が動かない左手の小指の動きを試してみる。信じられないことに自分の手の感覚まま、ジストニアの症状だけごっそり切り抜かれていた。手術は成功したようだ。安心と喜びと長い緊張状態が解けて、気付いたら声が出るくらい泣いていた。

先生から聞かされていた後遺症はこの時点では何もなし。
先生に伺ったら、術後2〜3日目をピークに脱力症状や言葉が出ない、などの症状が出て緩やかに回復していくことが多い、とのことだった。後遺症はこれから出る可能性があるのか。

そして長い絶食明けの食事。この時食べたツナと豆のサラダをサンドイッチにしたものは、私の人生のナンバーワンサンドイッチに認定された。

回復〜退院

検査の結果問題なく翌日には退院許可が出た。歩いてみても何も問題ない。力も入るので荷物を持てる。それに早く楽器を練習したいと思った。これ以上入院していたら体力の低下が加速しそうだ。

楽器を持って直ぐにひとりの先生がきてくださり、症状が改善されたことを報告。その後、平先生はいらっしゃらなかったけれど、先生方が4名ぞろぞろいらっしゃった。手が良くなった事が伝わっているようで、手術をしてくださったスーパー冷静クールな先生がニコニコしている。「やったじゃん」と言ってくださった。

多分若い先生たちは私と同じくらいの歳か、下手したらもう少し若いのかもしれない。こんなすごい手術をする先生たちも、普通に話していると友達にいそうな感じの普通の人間だなと感じる。

先生方がみんなさん話しやすかったので、この入院は苦ではなかったし、たくさんの方のお心遣いによって手術は悪い思い出にならずに済んだ。もちろんもう一生こんな経験はしたくないけれど。

手術をしたのが木曜日、土曜日の朝には退院した。なんだか感慨深い気持ちと、いち早くここを抜け出したい気持ちが入り混じっていた。

定位脳手術の後遺症について

今この記事を書いているのは術後9日目。結局、一度も後遺症は出なかった。単にラッキーだっただけだと思う。私の人生においてこの類のラッキーは珍しい。しばらく素直に喜べなかった。

術後1週間後頭を止めているホチキスをとってもらうために、再び女子医大に行ったけれど、後遺症が出ていないならそういうこともあるし、もう喜んで良いとのこと。
ホチキスがついている間はなんだか頭がつる感じかしていたけれど、傷の痛みがあって薬を飲んだのは退院してきた夜が最後。

抜糸後は、カサブタになっていて、触ったら血が出たので、そっとしておいたけれど、それ以外は問題なし。ジストニアの症状だけがきれいに取れた。

もちろん、三年近くこの指をかばって演奏していた少し編なくせは直ぐには抜けないし、入院で落ちまくった(楽器演奏の)体力回復には時間がかかっているけれど、概ね元気。そして、毎朝希望に満ち溢れて起きる。治ったんだ。数日間はなかなか信じられなかったけれど、最近やっと現実味が湧いてきた。

入院生活はたくさんの病院の方々のおかげで、今思い返しても良い時間だった。
医療の力で治していただいたので、ここからは私の力で演奏を音楽をしていく番だ。活躍できるよう正しい方法で地道に頑張ろうと思う。

ジストニアの定位脳手術を受けるまでの期間のこと

2020年9月23日、左手ジストニアに対する定位脳手術を受けました。

手術を受けたいと思って、動き始めたのは2019年11月。外来の予約待ち、手術待ち、コロナの影響によって、手術までは約一年弱かかった。

その期間、覚悟をする時間として必要だったのかもしれない。

練習しても前に進まない身体で手術を待っている間、人生までもが前に進まないのは嫌だったので、YouTubeを始めた。少しずつだったけれど、たくさんの人と出会えた。生きていることが無駄ではないと少しだけ感じることができた。

私がジストニアを自覚したのは2018年1月、28歳のことだった。手術の前日に31歳になった。

音楽家として良い年齢の2年半以上、ジストニアを抱えて、思うような活動ができなかった。でも結果治った。絶望を抱えて生きていたこの期間もいつか過去になるのだろうか。

外来受診〜手術まで

2020年2月前半に東京女子医大の平先生の外来を受診。手術の約束をし、
そこでは「おそらく6〜7月くらいに手術かな」と言われていた。

手術の日程が確定したら1ヶ月前くらいに連絡をいただけるそう。

そんなこんなでCOVIT-19の感染拡大により、世界はあっというまに変わってしまった。2月末から6月いっぱいまで手術はストップしていたようで、私のもとに電話がきたのは8月18日だったかな。お盆休みの最後の日、スーパーで買い物していたらいきなり電話が入った。

このような世の中になるまではいち早く手術を受けたかったが、みんなが大変なこんな世界になってしまってからは、「私のような不要不急の手術はしばらくしてもらえないだろう」と半ば諦めていた。

手術を受ける覚悟の記憶も遠くなっていた。手術で2週間以上仕事を休むこと、万が一のことも考えて身の回りのことを片付けることで手術まではバタバタだった。

手術が決まって

術後の体調が良くなくてもYouTubeの更新が止まらないように、2ヶ月先まで動画の更新予約をした。ちょうど9月からはnoteでクラリネットサークルというサービスを立ち上げていたので、その運営にも追われている時期だった。

加えて、同居人にも家族にも手術のことを猛反対されていたので、一滴だって弱音を吐くことはできなかった。すべて私自身が望んで、自分で決めたこと。

入院にあたって金銭的な保証人を立てることができなかったので、先にお金を納めて解決した。それだけでよかった。ほとんど誰にも報告せずに手術をした。そのことで手術をしてもらえないのではないかとずっと心配していたが、そんなことはなかった。良かった。

とはいえ、もしもこの先身体が不自由になってしまったとき、何ヶ月も働かずに生きていける貯金なんてなかった。不安だった。責任はすべて自分でとるなんて言っても私ひとりにできることなんて、たかが知れている。

せめて、身の回りをきれいに整えた。いつ手術をするか知らない家族に手紙を書いた。コロナの検査を受けてから、入院することになっていた。

こんなに待って手術が受けられなかったなんてのは絶対嫌だった。
入院の日まで、バタバタと身の回りのことを片付けながら体調に気をつけながら過ごした。

ジストニアに対する定位脳手術を受けました

2020年9月28日月曜日。今は朝の6時。

楽器の練習をするのが楽しみすぎて早く目覚めてしまった。
あとは、1週間の入院生活で強制的に朝型の習慣がついた。

2020年9月24日(木)東京女子医大で定位脳手術を受けました。
信じられないことに、3年近く悩んだジストニアの症状が消えた。今のところ、心配されていた後遺症の症状(喋りにくさや麻痺、力の抜けなど)もない。

まだ術後間もないので、手放しに喜んで良い状況なのかわからない。だけど、おそらくこの先の人生、たくさんのことに挑戦できる身体にしてもらえた。


28歳のときに、ジストニアになってから、数えきれないくらいたくさんのことを諦めてきた。朝起きたら、いつもそこには緩やかな絶望があって、それを受け入れるところから1日が始まるという3年弱を過ごしてきた。

終わったのだ。そして、始まった。

この3年弱に私の身に起きた事を、少しずつ綴っていきます。

クズシマとしての活動報告(葛島涼子のFacebookの投稿より)

こんばんは。クラリネットのクズシマです。
クズシマという名前を名乗り、ネット上に突如登場(笑)したのは2020年頭から

このような活動をあまり知らない、元々の知り合いの方に向けて書いたFacebookの投稿をこちらに載せます。

私がミッションとして掲げている、「音楽の力を借りて文化的な社会を作る」という言葉に込めた想い、今の活動についてを、赤裸々に語りました。

(2020年8月29日葛島涼子のfacebookの投稿より)

みなさんこんにちは。世界はあっという間に変わってしまいましたね。
いかがお過ごしでしょうか。

生きている世界の中で希望を見出していくことはとても大切なんだなと感じる毎日です。

最近の活動について書きます。少し長いですが、私の想いを書きました。

昨日正式発表で、noteというプラットホーム上でサービスを立ち上げました。クラリネットを学習する楽しむ方へ向けたコミュニティ「クラリネットサークル」というものです。クラリネットサークルについて(note内の記事です)https://note.com/r_kuzushima/n/n6386bda188c5

いわゆる、オンラインサロン みたいなものです。怪しい〜〜。って思いますよね。私は流石にもう聞き慣れましたが、オンラインサロンというワードの特有の怪しさってなんなんでしょう笑

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今年の頭から活動の指向を変えて、YouTube活動に注力しておりました。

もともとは、「どこでも働けるようになりたいな〜」「この先また怪我や病気をしても、寝ててもお金が発生するようになれば良いのに」という自分本意な考えからでした。

しかし、今年の春、新型コロナウィルスの影響で仕事が全くなくなってずっと家にいたときに「自分が社会の中でしたいことは何か」ということについてめちゃくちゃ考えました。

なぜそんなことを考えたかというと、その時の自分の存在が無価値すぎて、生きててもしょうがないと感じてしまったからです。

自分の音楽家としての仕事は正直、不要不急。でも、芸術とか文化とかを蔑ろにしている国ってほんと優しくないし、荒んでいくと思うんですよね。もう戦争よ、知らんけど。少なくとも私は愛と平和希望です(サンボマスターかよ)

私は音楽家なので、音楽の素晴らしさはもう知ってる。多分、すごい知ってる。みんな知ってると思っていたんですが、自分の知らない世界を覗き見ると、音楽聴く人って少ないんだなって思った。

なので、「音楽の力をお借りして、より文化的な社会を作りたいな」って思いました。

「ぷっ、社会を作るなんてくっさ」

って思われるかもしれないですけれど、ひとりひとりの行動によって、社会って作られてるじゃないですか。少なくとも私は、いつもより良い世界のために働きたいって思って生きてます。

これは最近、IT系のベンチャー企業でアルバイトした経験からも強く感じたことです。

たくさんの決断をしなければいけない毎日の中で、自分のポリシーとかミッションをはっきりさせておけば、迷っても筋の通った答えを出せるかなって思ったんです。

やりたいことはたくさんあるんですけれど、いますぐできることって私には少ししかなくて、小さいことからはじめていきました。

本当はこのサークルみたいなことをすぐにしたかったのですが、
「この2年近く病気で休んでいて奏者としての実績ほぼなし」
「知名度なし」
「特別見た目が美しいとか巨乳とかでもない」
「信頼なし」
そんな私のもとに集まる人は‥‥正直いないと思いました。

なので、安直かもしれませんが、YouTubeで信頼を貯められないかな‥と思いました。

音楽家の皆さんみたいに素晴らしい演奏をアップしたり、話題の曲を演奏してみた動画をあげたり、、ということはしませんでした

「それ、私じゃなくてもいいかな〜」と思ったからです。多分もう少し楽器がうまい人や可愛い人がやったほうがウケる。というのをなんとなくわかっていたし、私が思う社会に向けては(私がそれをやることは)需要ない。

クラリネットの演奏方法解説などを、わかりやすくまとめる動画を毎週毎週更新しました。(恥)

初めはそううまくいくはずもなく、私が取り上げるのは「ニッチな分野×日本語」なので、リーチできる潜在顧客も少ない。そして時々先生や同業の方からの人目を気にして辛くなる‥‥、眼精疲労から来る激しい肩こり‥笑

それでもなんとか更新を続けて、応援してくださる方もいらっしゃって、特にバズが起こった訳でもなく、登録者1270名にまでなりました。ありがたいです。そして私のチャンネルは思ったより治安が悪くない、ありがたいです。

で、話は戻りますが、文化的な社会にするためには、私ができることは音楽に深く関わる音楽家ではない一般の人を増やすことはできるかな…と思いました。

某大手楽器メーカーで研修をしたときに、管楽器をやってたという潜在人口は日本の10分の1もいる!ということを知りました。多くないですか?私は多いと思いました。確かに、美容院とかで、「私も楽器やってたんです〜」って話してくれる方の多いことよ。)

だけど、管楽器やってたという人口の10分の1の人が音楽の素晴らしさをどのくらい知っているか、コンサートに足を運ぶのか、文化にお金を使うのか、といったら、多分そうでもない人も多いと思います(推定)(もちろん管楽器やってなかった文化にお金を使う人はいる、それは別の話)

私はクラリネットをちょっと吹けて、まあまあ教えられるので、例えば、「クラリネットを持ってるけど、また始めてみよう。」みたいな人を増やしていくことはできるかもしれない!と考えて、YouTubeとかネット周りの活動をしてみています。ここ1〜2年で会社や独学で微妙にかじるように学んだ、大したことないウェブマーケ周りのスキルがやっと役に立ちました。

そして、次なるステップがクラリネットサークルです。もともとnoteというプラットホームが好きなので、ちょうど良いサークル機能というのがあるので活用してみました。

クラリネット愛好家の方へ向けて、気づきをえられたり、学びが深まったりする場所にしていきます。

自分自身も、音大でも卒業してからも「先生から何かを学ぶことができたのはレッスンの時間だけではなかった」という経験から作ったサービスです。

もう開かれたインターネットは吐き溜みたいになってしまっているところもある。ネットで活動していると特にに感じます。

私はサブスクで自分の行動を買ってます。(全然続かない英会話とか)(音楽をたくさん聴く人になりたいとか)

モノに溢れている今は、経験とか行動を買うことに価値がある時代かなと思って、始めました。私は主に村の治安を守ります。

不安が多すぎるけど、昨日、正式リリースしました‥‥!!!育てていけるように頑張ります!最近の活動報告でした。

2020.08.29 やたらと空が広い自宅のリビングよりhttps://youtu.be/gzf_tHCuqoQ

クラリネットサークルについてはYouTubeでもお話ししています

練習のモチベーションアップに1番効果的だったこと|レッスンを聴講されるのは嫌だったけれど‥‥

音大で教える先生には2パターンいる。
レッスンが「クローズ型」「オープン型」か。

音大時代の先生のこと

私は音楽大学〜大学院時代に3人の先生に習っていて、それぞれの先生の素晴らしい音楽と人間性からたくさんことを学ぶことができた。先生たちに、それぞれのタイミングで廻り合うことができて、ラッキーだった。恵まれていた。

私がこれまでに習ってきた先生方は、比較的「オープン型」の先生が多かったように思う。

オープン型とは、個人レッスンの聴講を推奨していたり、必要があれば取り組んでいる作品によっては違う先生のレッスンを受けることも認めてくださったりする、多様な価値観を認めてくださるスタンスのことを指す。

(もちろん、それぞれの先生によって考えやスタンスは細かく違うので、一概にオープン型と言ってもさまざまなんですけどね。)

知っておきたいのが、聴講を認めていないクローズ型先生もいらっしゃること。他の先生のレッスンを受けたいという申し出をあまり良く思わない方もいます。勉強段階で色々な情報が入りすぎると、一貫した学びを得られないという考えなどからくるものだと思います。この考えにも共感できる。

ただ、自分がオープン型の先生のもとで育ったこともあり、私自身、かなりオープン型な考えの持ち主だと思う。

レッスンの聴講で学んだこと

音楽大学で初めて経験したのが、「レッスンを聴講する、される」ということ。

人のレッスンを聴講するのは本当に勉強になる。音楽家として、演奏家として、客観視できることはもっとも重要なことのひとつだと思っている。

ほかの人のレッスンを聴いて、「先生は何を指摘するのか」「どのようにレッスンを進めていくのか」ということを知ることは、とても勉強になる。

反対に、レッスンを聴講されるのは本当に嫌だった。緊張する。

レッスンでは自分の弱点とか何もかもあらわになる裸の状態みたいになる。そんなのを仲間に見られるのは恥ずかしい。

でも、人に聴かれるとわかっていると、より緊張感を持ってレッスンに挑むので、それなりに相当準備していく。自分の限界を嫌だってほど知れる。

答えはひとつではないから

どうしても自分のレッスンは、自分ごとになってしまうため、主観的に捉えすぎてしまう。

例えば、音色ひとつにしても評価はそれぞれで、この先生には好まれたけど、この先生にはたくさん指摘を受けた‥なんてことも日常茶飯事。

音楽に絶対的な答えなんかないので、先生が違えば指摘されることも違う。だからこそ、言われたことだけを気にしすぎるのは良くないと思う。

だけれども、おおよそ、自分の演奏は周りにこういった評価を持たれているということを客観視することはとても大切なことだと思います。自分を知るためには、人を見る、聴くことが大切。それって演奏だけでなく、人としての振る舞いとかにも同じことが言えますよね。

みんな、おさらい会すれば良いのに

おさらい会とは、小さな発表会のようなもの。音大では「試演会」とも読んでいた。今練習している曲をそれぞれ、発表したり、ときには同じ曲をみんなそれぞれ演奏したりするときも。

何よりも成長できるのは、「人前で演奏すること」だと思う。練習室に籠もって一人で何時間も練習するだけより、目標を決めてそこまでに演奏を仕上げる。そして、そこでの反省点を生かしてまたトライする。その繰り返しこそが、大きな学びになる。

場数を踏めば、気づきをたくさん得られて成長できるのはみんな薄々わかっているとは思う。ならば、「場」は作れば良い。行動力いるけれど。おさらい会、おすすめ。

おさらい会は先生主催のときもあれば、卒業してからは自分たちで場所を借りて仲間同士何人かで集まって開催したときもあった。

仲間と近くで勉強するということ

音大で1番刺激になったのは、仲間で勉強できたこと。

私は競争が苦手だったので、すぐ逃げ腰になってしまったけど、それでも試験では良い成績が欲しくてメラメラ闘争心を燃やした。戦わずとも、隣の練習室で同級生が練習していたら、私ももう少しだけ頑張ろうという気になれた。

成長するために本当に必要なのはモチベーションを高く保つことだと思うので、そう言った意味で仲間がいる経験というのは本当に貴重だった。

大人になると仲間に出会うのって難しい

レッスンの先生を見つけたければ、近所の教室を検索して、クラリネットを教えている人を探すなどの方法で叶うでしょう。

私も、ウクレレを習いたかったら先生は見つけられると思う、でもちょっとした質問をしたり、「ちょっとここ一緒に弾いてみようよ」とか「なんの曲練習したら良いのか」とかを気軽に相談できる友達を作るのは難しそう‥。

刺激しあえる仲間、共通の趣味を持った仲間に出会うのって求めれば求めるほど難しいですよね。今の時期、楽団の練習もストップしてしまっているなんて話も良く聞きます。

クラリネットという共通のツールを使って何かしたいことを実現しようとしている人が集まる場所を作ります!

(告知)クラリネットサークル

レベルも、モチベーションもさまざまだけれど、みんながゆるく集えて、治安が良い場所を作れないかなとずっと考えていました。

YouTubeのコメント欄や、2チャンネルや、ツイッターに溢れかえる情報はみんな使い捨てみたいで、一回やりとりしたら、はい。さようなら。みたいな雰囲気がなんかしっくりこない。誰でも質問できる、そういう場所も必要なんだと思う。(私のYouTubeに質問くださる方は丁寧な方がほとんどだし‥‥)

でも、私はもう少し質の良くてお互いの信頼関係を気付けるような場所を作りたいと思った。今だからこそ。

誰か作れば良いのに‥‥と思ったので、私が作ります!

noteにて、月額制のクラリネットサークルを立ち上げます!!!!実はもう参加できます。今週末YouTubedでお知らせ出して正式リリースです。

クズシマ主催のクラリネットサークルでできること

プランにもよりますが、クラリネットサークルでできることは、

▼(全プラン共通)会員のみの掲示板でのやり取り(質問コーナーや練習の気付き、楽器グッズのの情報、雑談など)
ワンポイントアドバイス付き!月に一度のおさらい会(それぞれ、動画や録音で発表)
個別ミーティング(おさらい会のレビューや相談など)
▼(全プラン共通)月に一度のオフ会に参加(という名のオンラインミーティング)
▼(全プラン共通)(note有料記事プレゼント)

まずは以上のような内容で開始したいと思います!ご要望に応じてやりながらどんどん改善して参ります。

このクラリネットサークルのテーマは「対話」です。
クラリネットという共通ツールを持った仲間ではありますが、みなさんそれぞれ環境や境遇、目的や目標が違うと思います。

それぞれの価値観や、演奏を認め合い、意見や情報をシェアそして、対話していくことで自分自身のクラリネットでしたいことを叶えていくお手伝いをする場所にしたいです。

間も無くリリースです。リリース日程決まりましたら、Twitter、YouTube、インスタグラムでお知らせします。ぜひお楽しみに!

クラリネットのクズシマのオンラインレッスンをアップデートします

こんにちはクラリネットのクズシマです。
昨今の事情もあり、今年の4月から始めたオンラインレッスン

実際におこなってみた感想としては、「目的がはっきりしていれば意外と良い!」しかし、改善点も見えてきたので、新しいサービスを展開しようと思います。
結論を言ってしまうと、オンラインレッスンオンラインお悩み相談の両方で「任意で事前に録音を送っていただく」ようにしようと思います。

オンラインレッスンについてはこちらの投稿にまとめてあります

オンラインレッスンのメリット

オンラインレッスンのメリットは
近くにレッスンを受けられるところがない
遠方だけどクズシマのレッスンを受けてみたい
対面のレッスンはまだ心配
別の先生に習っているけれど、違う視点でのアドバイスが欲しい
など、実際におこなってみて、生徒の方々から、このような良いお声を聞くことができました。

オンラインレッスンの改善点

しかし、レッスンをおこなっていくうちに改善点も見えてきました

私が1番感じるのは、生徒さん側の配信環境による、音の聴こえの問題です。

オンラインレッスンのために、講師側はマイクやパソコン、最低限聴こえがよくなる環境を整えました。おそらく生徒さん側にこちらの音はしっかりと聴こえています。しかし、こちらが用意しているような環境を生徒さん側に求めるのは難しい‥。

実際、オンラインレッスンはスマホひとつで受講可能です
そして、そのような環境でも、姿をみて、音を聴けば、問題点はすぐにわかり、アドバイスをすることはできます

しかし、トライアンドエラーしていく過程の微妙な音の変化を聴き取ることが難しいときがあります。(原因はマイクがないことだけではなく、電波状況やスマホやパソコンのスペックにもよるでしょう)

実際のところ、しっかり聴き取れる時もあれば、回線が乱れてしまって聞き取れないときもあります。
そんなときはもう一度演奏していただくのですが、なかなかに申し訳なく時間ももったいないですよね。

オンラインレッスンにはオンラインレッスンの活用方法があるとは思いますが、何度もしっかり受けてくださる方のレッスンで、「もっと精度の高いレッスンをしたい」と何より私自身が感じています。

より良いオンラインレッスンをするために

コラムのはじめにも書きましたが、オンラインレッスンを受けられる方に、希望される方は「事前に演奏の録音を送っていただく」スタイルを取ろうと思います。この方法は(私が受ける方の)オンラインでクラリネットの勉強会(グループレッスン)でも取り入れられています。

リアルタイムの回線より、録音でしたら、スマホの録音でも上手く取れば十分細かいところまで聴こえます。

そして、オンラインレッスンは新規の生徒さんが多いので、状況を把握しやすく、レッスン時間をより有意義に使うことが可能になるでしょう。

試しながら、また改善していくと思いますが、今のところ考えているのは、

レッスンで取り上げる曲や内容の録音を
・合計5分以内で

送っていただこうということです。

オンラインレッスンとオンラインお悩み相談の両方で展開

この事前に録音を送っていただくのは、オンラインレッスンだけでなくオンラインお悩み相談でも採用しようと思います。

オンラインお悩み相談とは

オンラインレッスンには音出しできる環境+通信環境が必要です。
自宅で楽器を演奏できない方は、カラオケからオンラインレッスンを受けていただいている方もいらっしゃいます。なんの問題もなさそうです。

しかし、音出し環境がなかったり、レッスンを受ける勇気が出ない、相談だけしたい、という方に向けてオンラインのお悩み相談というサービスをおこなっています。

60分2,000円30分1,000円です。

正直、安いですこれ。

自分で言ってしまいますが、ものすごくコスパが良いサービスです。

YouTubeのコメントでも質問に答えたりしていますが、やはり対面で話すのは全然違います。これまでに受けてくださった方とはすごく有意義な時間を過ごせたと思っています。

それに加えて、演奏の録音を送っていただき、私がアドバイスをします。ちょっと安すぎるかなと思いましたが、試験的にやってみようと思います。

録音を送ってもらい、3アドバイスや相談もできて30分コースなら1,000円。
これは、私が続けられるかわからないぞ‥‥。とりあえず、今年いっぱいは実行します。サービス終了の際はtwitterでお知らせします。

おすすめです、ぜひ。

お申し込み方法はこちらに詳細があります。クラリネットをもう一歩上達したいという方、ぜひどうぞ。