2020年3月3日に放送のザ!世界仰天ニュースで、ギタリストを襲うジストニア(局所性ジストニア、フォーカルジストニア)について紹介されるそうです。
日常生活ではなんの異常もないのに、楽器を演奏しているときにだけ、指などが動かなくなってしまう、簡単に言ってしまうと職業病のようなものです。しかし、近年多くのピアニストやギタリストがジストニアの症状に悩まされています。
他の楽器でもドラマーでAlexandrosの庄村聡泰さんがフォーカルジストニアによって、バンドを勇退することになったニュースは記憶に新しいですね。
今回、ザ!仰天ニュース取り上げられていたギタリストはERIKAさんという方のようです。
局所性ジストニアの手術のご報告。ERIKAさんのLINEBLOGより
私も約2年前、音楽家のジストニアを患いました。音楽家のジストニアについては、以前こちらの記事に詳しく書きましたのでご覧ください。
ジストニアの手術は最終手段
ザ!世界仰天ニュースでギタリストがジストニアの外科手術を受けたということが紹介されていました。ジストニアの手術、定位脳手術は最終手段と考えておくのがよいでしょう。この理由として、ふたつあげられます。
リスクがある
当たり前のことですが、手術にがリスクがつきものです。先生の成功確率が高かったとしても、人によって不具合を起こすか可能性はゼロではありません。リスクをとる覚悟がないのでしたら、音楽家のジストニアを手術による治療で治すことをおすすめしません。
こちらの方のnoteによれば、「手術によって起こる全てのことを受け入れる気がなければ、手術は受けない方がいい」病院でこのように言われたそうです。本当にその通りです。
私は今年の夏ごろに手術予定なので、先日、平先生の外来を受けました。
そこで、手術の成功実績を聞いてきました。お話を聞いた後、記憶をたぐってメモをとったので、正確な数字か自信がないのでここに書くことは差し控えますが、「改善度は人によるのだな」という感想でした。そして、平先生のお話や実績から判断すると、手術の失敗というリスクは考えすぎる必要はないかもしれないと思いました。
みんながみんな100%改善するわけではない
局所性ジストニアの定位脳手術による改善度は、人によるそうです。手術を受けたからといって魔法のように指などが動くようになるわけではありません。改善度が仮に、80%だとしたら、満足できますか?私は正直、わかりません。
しかし、音楽家にとって楽器演奏が思うように演奏できないのは死活問題です。なんとかして治したいと思う気持ちは痛いほどよくわかります。
局所性ジストニア(フォーカルジストニア)の治療法は、確率していない
局所性ジストニア(フォーカルジストニア)の治療法はさまざまな方法が提唱されていますが、どれも効果がはっきりと出る保証がなく「治療法は確立されていない」というのが現実です。
だからこそ、テレビでも取り上げられていた、一度で効果のある定位脳手術は魅力的なもののように思えるのでしょう。
局所性ジストニア(フォーカルジストニア)になってしまった音楽家は治療を目指すのであれば自身で、治療法を選びとらなけばいけない時代となっているのかもしれません。
この記事を書いた人も2年前から局所性ジストニアを患っています
実はつい先日、東京女子医大脳外科の平先生の外来に行ってきました。
外来にたどり着くまでの期間や経緯はこちらにまとめてあります。
まとめ
ザ!世界仰天ニュースでギタリストを襲うジストニアという病気が紹介されました。この局所性ジストニア治療法は確立されていません。現在医学的方法で即効性があり、効果が期待できるものは、仰天ニュースでもご紹介されていた「定位脳手術」という外科手術です。手術というものにリスクはつきものです。改善度は人によって異なるそうです。
医療の進歩は素晴らしいです。しかし、私の立場からあまり大きな声では言えませんが、「ジストニアになった、だから手術を受けよう」という思考に欠けた行動は避けたいものですね。
どうして弾けなくなるの? <音楽家のジストニア>の正しい知識のために
こちらは音楽家のジストニアを学ぶ上で、日本語で出版されているものの中では1番有効な書籍だと思います。