クラリネットをはじめたばかりの方が「クラリネットは音を出すのが大変!」と言っているのをよく耳にします。クラリネットは自己流でがむしゃらに練習量を重ねても上達しません。クラリネットの吹き方にはコツがあります。
また、クラリネットの音が出ない原因は、ご自身の吹き方ではなく、楽器やリードにある場合もあります。
この記事ではクラリネットの音が出るのに必要なことすべてをお教えします!誰でもクラリネットの音がきれいに鳴らせる5つのステップを見ていきましょう。クラリネットを指導するときにもぜひお役立てください。
誰でもクラリネットの音が鳴る5つのステップ
- スピードの速い息を出す練習をする
- クラリネットを吹く前に、リードに問題がないか確認
- アンブシュアを作る
- アンブシュアをつくった状態で音を出さずに息を吐く
- スピードの速い息を楽器に吹き込む
この5つのステップを正しくおこなうだけで、クラリネットの音が出るようになります。
力づくで鳴らそうとしても、クラリネットの音は出ません。この5つのステップにはクラリネットの吹き方のコツが、ぎゅっと詰まっています!これらの5つのステップを順番におこなって、正しい方法でクラリネットを鳴らしましょう。
1. スピードの速い息を出す練習をする
クラリネットの吹き方のコツその1は、「スピードの速い息を吐くこと」です。
「スピードの速い息」というのはロウソクを吹き消すような息のことです。
いざ!クラリネットを吹いてみようと意気込んでいる方こそ、いちどクラリネットを机の上に置いてみてください。人差し指を出して、腕を前に伸ばし、口の高さくらいにもっていきます。
ロウソクの日を消すようなイメージで、人差し指の一点に「ふぅー」っと息を吹きかけます。このとき、ほっぺが膨らまないように注意してください。細くて速い息を意識して吐きましょう。
結構疲れますよね。何度もやると、くらくらしてしまうので休憩しながら試してみて下さい!これでクラリネットを吹くための「息作り」はひとまず完了です!これだけ?と思うかもしれませんが、クラリネットの吹き方のコツのひとつは、この「スピードの速い息」を吐けることです!後々また使うので、よく覚えておきましょう。
2. クラリネットを吹く前に、リードに問題がないか確認
クラリネットの吹き方のコツその2は、吹きやすいリードを正しい方法で装着することです。
どんなに上手な人も、これができていないと音は出ません。レッスンをしているとき、音が出なくて苦しそうにしている方の楽器を見せてもらうと、リードが曲がってついていたり、欠けているリードがついていたりすることが多々あります。
リードはマウスピースに対してまっすぐ装着します。リードとマウスピースの高さはほぼ同じくらい、「リードの方が髪の毛1本分くらい低くなるよう」につけましょう。リードをまっすぐ装着するのは意外と難しいです。集中して、丁寧につけましょう。
リガチャーのネジは緩すぎてもいけませんが、締め過ぎには注意しましょう!リードの響きをとめてしまうおそれがあります。ネジが止まるところまできたら、ギュッと力をいれめ締めはせず、緩んでこない程度のところで止めておきましょう。
リードがきちんと装着されていても、音が出ないくらい厚い(抵抗がある)リードがついていたり、へにょへにょにつぶれているリードでは音は出ません。
クラリネットで音がきれいに出るか出ないかは、リードにかかっているといっても過言ではありません。プロのクラリネット奏者は何十枚のリードの中から本番に向けて、1枚のリードを選びます。クラリネットを吹くならば、プロでも初心者でも、「リードを選ぶ」ということは避けて通れない道です。
しかし、初心者の方はどんなリードが良くて、どんなリードが駄目なのかわからないですよね。まずは薄めのリードから、試していくのがおすすめです。(マウスピースにもよりますが)初心者の方は2半、または3のリードを選ぶと良いです。リードには厚さがあり、番号が小さくなるほど薄くなり、番号が大きくなるほど厚くなります。3か3半が1番使用されているリードになります。
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クラリネットを吹いているうちに、だんだん「このリードは吹きやすい」「このリードはつまって吹きにくい」などといった感覚は自然に身に付いてきます。まずは癖のない薄めのリードを使って、楽に音を出せる練習をすることが上達への第一歩となります。良いリードを選べるようになることは、クラリネットの上達のコツというか、必須事項です。
3. アンブシュアを作る
クラリネットの吹き方のコツその3は、美しいアンブシュアを作ることです。アンブシュアとは、楽器を吹くときの口の形のことです。
もし、「クラリネットの吹き方はありますか?」と聞かれたら、「安定したアンブシュアで吹くことです」と答えます。しっかりとしたスピードの速い息、そして吹きやすい仕掛け(リードやマウスピース)、そして安定したアンブシュア、この3つが揃えば完璧です!
早速、クラリネットのアンブシュアをつくってみましょう!
まずは、楽器を口につけずに以下のことを鏡を見ながらおこなってください。
・口を閉じてにこっと笑う。
このときに下唇の下のくぼみを感じてください。
・下唇を下の歯に軽くかぶせる。
にこっと笑ったときに作ったくぼみがなくならないようにしてください。
ここまでが出来れば、ほとんどできたようなものです!にこっと笑ったときにできるくぼみをキープしながら下唇を軽く乗せられたらOKです。
ここまでができたら、楽器をくわえてみましょう。
まず、上の歯をマウスピースにつけます。
そうしたら、いよいよ先程作った 「にこっとしたときにできるくぼみを作ったまま下唇をかぶせる」をやってみましょう!もしわからなくなってしまったら、もう一度楽器を口から離して、作れるか確認してみましょう。
慣れてくると、必ずできるようになります。この状態で口を閉じれたらアンブシュアの完成です!マウスピースを唇で包むようになイメージで唇の筋肉を真ん中に寄せるようにしましょう。
4. アンブシュアをつくった状態で音を出さずに息を吐く
アンブシュアが出来ても、すぐには音を出しません。楽器をくわえた状態で、息だけ楽器に吹き込むという練習をします。音は出さなくて大丈夫です。
・アンブシュアを作った状態で緩めの息を吐く。
ということをおこなってください。アンブシュアが崩れていないか鏡を見ながらしっかり確認してください。
なぜこのステップを踏むかというと、「アンブシュアはできるけど、音を出そうと思ってクラリネットを吹くと崩れてしまう」という方が、たくさんいるからです。
クラリネットで音を出そうとすると、どうしても無意識に力んでしまいます。人 慣れていない2つ以上動作を同時におこなうことは難しいです。まずは、ひとつに集中していくために、「正しいアンブシュアを維持する」ということだけに集中してください。
5. スピードの速い息を楽器に吹き込む
「アンブシュアを作った状態で音を出さずに息を吐く」ということができるようになったら、いよいよ音を出してみましょう!
息をたっぷり吸って、この記事ではじめにご紹介した「スピードの速い息」を吐いてみてください。はじめは、クラリネットの開放の「なにも押さない」ソの音を吹いてみましょう。
もしアンブシュアが崩れてしまう方は、口から楽器を外して、スピードの速い息だけ吐いてみましょう。そのときに、口はアンブシュアを作ったままおこなうと効果的です。
・アンブシュアを作ってスピードの速い息だけ吐く
・アンブシュアを作った状態で楽器をくわえて緩い息を吐く
以上のふたつを完ぺきにできるようになるまで繰り返してください。このふたつをマスターすれば音が出るようになります!
まとめ
- スピードの速い息を出す練習をする
- クラリネットを吹く前に、リードに問題がないか確認
- アンブシュアを作る
- アンブシュアをつくった状態で音を出さずに息を吐く
- スピードの速い息を楽器に吹き込む
クラリネットの吹き方にはコツがあります。この5つのステップを順番におこなうことによってクラリネットの良い音が出るようになります。
もしもできないことがあったら、前のステップに戻り、ひとつの動作に集中して練習をしてください。ひとつの動作に集中することによって、問題点がはっきりわかり、確実に改善していくことが可能になります。
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