国公立音大の受験は、センター試験を受けることが必須です。
しかし、一般の国公立大学に比べるとセンター試験の割合は低く、実技試験などの個別試験の点数の方が重視されます。
なんと実際の合格者の中には、「センター5割でも合格した」という人もいました‥‥。
実技の練習に加えて、副科のピアノの練習やソルフェージュ、楽典の勉強など、音大受験生は大忙しです。センター試験の勉強は効率よくおこないたいと思いますよね。
国公立の音大受験に合格するには、センター試験の点数はどのくらい必要なのか、各大学別のセンター試験の重要度についてもお伝えしていきます。
国公立音大受験のセンター試験の重要度
国公立音大の試験では、実技試験などの個別試験が重視される傾向にあります。
一般的な国公立大学の受験では、センター試験のあとに2次試験を受けて合格発表になりますが、国公立音大の試験は2次試験が2〜3回あります。
各国公立大学ともに、ひとつの試験に合格しなければ次の試験に進めず、センター試験の成績が反映されるのは、最終試験の判定のみです。
つまり、実技の1次試験に合格しなければ、センター試験でどれだけ良い点をとっても水の泡ということです。
日本の国公立音大はたった4つ
日本の国公立の音大は4校です。
・東京藝術大学
・愛知県立芸術大学
・京都市立芸術大学
・沖縄県立芸術大学
各大学によって、試験の内容が異なるのはもちろん、センター試験の点数の割合も変わってきます。
大学別に、全体の点数とセンター試験の点数の割合を見ていきましょう。
大学別、センター試験の重要度
東京藝術大学
東京藝術大学の試験は、センター試験ののちに、実技試験が数回あります。(専攻によって異なるが2〜3回、楽理科と音楽環境創造科は例外。)
それぞれの試験は前の試験に合格した人のみ次の試験を受けることができ、最終試験の後の合否判定のときにのみ、センター試験の点数が反映されます。
最終合格発表の判定に、センター試験の点数が何割反映されるのかははっきりとは発表されていません。
以下、公式サイトからの引用です。
“入学者の選抜は大学入試センター試験及び本学が実施する個別学力検査、実技検査、小論文、面接並びに出身学校長から提出された調査書の各資料を総合して判定する。”(東京藝術大学2020年度入学者選抜要項より)
愛知県立芸術大学
愛知県立芸術大学の試験は、センター試験の後に2回実技試験があり、2回の実技試験に合格した人が最終試験に進むことができます。
最終試験の後の合否判定のときにのみ、センター試験の点数が反映されます。
愛知県立芸術大学も、東京芸大と同様に、最終合格発表の判定に、センター試験の点数が何割反映されるのかははっきりとは発表されていません。
以下公式サイトからの引用です。
“専門実技試験の結果に加え、音楽の基礎能力試験と大学入試センター試験の結果を総合して判定します”(愛知県立芸術大学入学者選抜に関する要項)
京都市立芸術大学
京都市立芸術大学の試験は、センター試験の後に実技試験があり、それに合格した人が最終試験に進むことができます。
京都市立芸術大学の最終合格発表の判定は、実技などの個別試験の点数が1300点満点、センター試験の点数が600点満点で計算されます。
センター試験の点数の割合は全体の24%、2.4割となります。
(音楽学専攻はセンター試験の割合が32%、3.2割)
沖縄県立芸術大学
沖縄県立芸術大学の試験は、センター試験の後に実技試験があり、それに合格した人が最終試験に進むことができます。
沖縄県立芸術大学の最終合格発表の判定は、実技などの個別試験の点数が700点満点、センター試験の点数が300点満点で計算されます。
センター試験の点数の割合は全体の30%、3割となります。
(音楽文化はセンター試験の割合が40%、4割)
国公立音大受験はセンター5割でも合格?
国公立音大は、どこも比較的レベルが高く、難関です。
実技の練習に時間をかけたい音大受験性にとって、センター試験の勉強ばかりに時間をかけていられないと思いますよね。
しかし、せっかく実技で良い点数を取っていたのに、センター試験の成績のせいで不合格になってしまうなんてことは絶対避けたいものです。
大学によりますが、センター試験の成績は6〜7割を取っていれば十分でしょう。
もちろん、良い点数を取るに越したことはありません。ですが、音大受験生に取って一番大切なのは専攻実技の試験の準備です。
万が一、センターが5割だったという方も、十分挽回のチャンスがあります。
実際にセンター5割で国公立音大に合格している人は(多くはないかもしれませんが)さほど珍しくありません。
まとめ
国公立音大の受験においてセンター試験の重要度はあまり高くありません。しかし、各大学の最低限の点数は取れるように準備をしておきたいものです。
大学によっては、合格判定にセンター試験の点数がどのくらいの割合で反映されているか公開していないところもあります。
年によっても受験の情報は変わってきますので、詳しくは各大学の公式サイトから募集要項などを参照ください。
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