クラリネット奏者のクズシマです。
クラリネットの生徒さんからの質問で特に多いのが、「指が回らないです」「16分音符が吹けません」「連符が吹けません」といった、連符などの速いパッセージの練習方法についてです。
クラリネットで連符や速いパッセージを吹けるようになりたい!と思う方は、
「クラリネットで連符などの速いパッセージを吹くことは難しい」というマインドセット(偏見)を取り払いましょう!
この記事でご紹介する練習方法を順番通りにきちんとおこなえば、誰でも連符が吹けるようになります!
クラリネットの連符の練習方法
連符の練習をするときに、いきなり速いテンポで吹いたり、はじめからメトロノームをつけて練習したりしていませんか?
こういった方法で連符が完璧に吹けるのでしたら問題ありませんが、連符はいきなり吹けるようになることが難しい場合が多いです。
難しいテクニックにいきなりチャレンジするのは、登山をしたことない人がいきなりエベレストに登るようなものです。
できないことは何度繰り返しても、できるようにはなりません。
簡単な練習からはじめることが今からご紹介するクラリネットの連符の練習方法のポイントです!
以下の順序をきちんと守って練習をすれば、クラリネットで連符が確実に吹けるようになります。難しい連符などに出くわしたら、以下のステップで練習していきましょう!
1.階名(ドレミ)で歌いながら指を動かす
2.メトロノームをつけずにゆっくり吹いてみる
3.遅いテンポでメトロノームに合わせて練習
一見、時間がかかってしまうように感じるかもしれませんが、難しいテクニックは順を追って練習するほうが、むしろ完璧に吹けるようになる近道です。
こちらの連符を例に、クラリネットの連符の練習方法を詳しくご紹介していきます。
1.階名で歌いながら指を動かす
まずは楽器を吹かずに、階名(ドレミ)で歌ってみましょう。音程が取れればベストですが、その音をしっかりイメージしながら歌いましょう。声が出せれば良いですが、声が出せない環境のときは頭の中で歌うだけでも効果はあります◎
音を頭で追えるようになったら、指を動かしながら、歌いましょう。テンポはできる速さで結構です。このとき、指と声は完全に一致するようにしなくてはいけません。指が回っていない人は「頭で音を追えていない」ことに原因があることが多いです。
この練習は軽視されがちですが、とても大切です。頭で音が終える程度のパッセージでしたらこの練習は飛ばしても構いませんが、上記の楽譜のような複雑な連譜の場合はいちどで良いので、この練習をおこなうだけで吹けるようになる近道になるはずです。
2.メトロノームをつけずにゆっくり演奏
音が頭に入り、指が音を追えるようになったら、いよいよ吹いてみましょう。
まずは、ひとつひとつの音を聴きながら吹けるくらいゆっくり吹いてみてください。一定の速さ(音によって速くなったり遅くなったりしない)でしたら、特にテンポに当てはめる必要もリズムも気にする必要はありません。止まらないで吹けるくらい、とてもゆっくりで良いので音を並べていきましょう。
ここで大切なことは、「吹くこと」と「聴くこと」がきちんと同時にできているか確認しながら演奏することです。指だけが先走ってしまわないように注意してください。クラリネットの連符を吹くときは、最終的にインテンポになってもすべての音が「聴けている」状態である必要があります。
何度もゆっくり演奏していると、だんだん速くしたくなってくるはずです。何度も繰り返し、頭と身体に定着させ、できるようになってきたら少しずつ速くしても構いません。
3.ゆっくりのテンポで練習
「難しいところはゆっくりのテンポで練習しましょう」ということはよく聞くかもしれませんが、ゆっくりのテンポでも複雑なパッセージは難しいですよね。
難しいパッセージの練習をするときは、ゆっくりのテンポで練習する前に、
「1.階名で歌いながら指を動かす」
「2.メトロノームをつけずにゆっくり演奏」
この2つのステップを踏むようにしてください。それができてからやっと、ゆっくりのテンポで練習をおこなうことが有効な練習となります。
例えば、先ほどご紹介した譜例は、6連符ですので、四分音符=60でも結構速く感じてしまうかと思います。
あまりにも遅いテンポ(四分音符=40など)ですと、6つの連符を均等に入れるのが難しいかもしれません。そんなときは、電子のメトロノームでしたら、8分音符を刻む、振り子のメトロノームでしたらテンポを8分音符(倍のテンポ)で鳴らすと良いです。
ゆっくりのテンポのときこそ、メトロノームにしっかり合わせることをおろそかにしないようにしましょう。きちんとテンポにのって吹けるようになるまでは、テンポは上げずに繰り返し練習するか、それでもできないときは前のステップに戻るようにして焦らずにしっかり積み重ねていきましょう!
テンポを速くしていくときに気をつけること
クラリネットの連譜は、ゆっくりのテンポからはじめて、だんだんテンポを上げていくように練習する人が多いかもしれません。このときに気をつけたいのが、ゆっくりのテンポのときにきちんと吹けていないものは、速くしても吹けないということです。
できていない吹きかたを繰り返していると、できていない吹きかたを身体が覚えてしまいます。ゆっくりのテンポでも「できないなぁ」と思ったら、このコラムでご紹介した連符の練習方法の前のステップに戻って練習するようにしましょう。
身体と頭・耳、これらのすべてが正常にリンクしている状態をつくることで、クラリネットの連符などの難しいテクニックが演奏可能になってきます。正しく身体に覚えさせるためにも、きちんとした順序で練習していくことが大切であり、上達への近道です。
まとめ
クラリネットの連譜などの速いパッセージは順を追って練習すれば、誰でもできるようになります。
1.階名(ドレミ)で歌いながら指を動かす
2.メトロノームをつけずにゆっくり吹いてみる
3.遅いテンポでメトロノームに合わせて練習
以上の順序を踏んで、きちんとすべての音を聴けている状態で、頭と耳と身体をリンクさせていきましょう。
前の段階ができていないのに次の段階に進むことは無意味です。結果的に練習効率が悪く、時間がかかってしまいます。
一見、「大変だなぁ」と思ってしまいがちな、クラリネットの連符などの速いパッセージですが、正しく順を追って自分の音をしっかりと聴きながら練習していけば、誰でも吹けるようになりますよ!ぜひ試してみてください。