クラリネットは、管体のひび割れを起こしてしまうことがあることをご存知ですか?
クラリネットの管体は木でできていますので、温度差や湿度変化によって“ひび割れ”を起こすことがあります。
クラリネットのひび割れを防ぐには温度差や湿度差に気をつけましょう!
クラリネットはいちど割れてしまうと、どんどん割れが広がって、修理に高額な費用がかかってしまったり、ひどい場合は修理不可能な状態になってしまったりするおそれがあります。
このコラムでは、
・クラリネットのひび割れを見分ける方法や割れを防ぐ方法
・クラリネットがひび割れを起こしてしまったらどうしたら良いのかをお伝えしていきます!
クラリネットのひび割れを見分ける方法
まずはお手持ちのクラリネットが割れていないかどうか、確認してみましょう。
「クラリネットはひび割れするとどうなるのか」「クラリネットはどこの場所がひび割れしやすいのか」を詳しくお伝えしていきます!
クラリネットの木目とひび割れの区別
クラリネットにはもともと、縦線の木目が入っています。
この木目とひび割れは、とても似ているので判別が難しいでしょう。
例外もありますが、クラリネットのひび割れと木目の区別は以下のような違いがあります。
【木目】
・うっすらとした浅い縦線。
・線は管体の途中から始まり、途中で切れている。
【ひび割れ】
・木目のような縦線がトーンホールまでつながっている。または、管体の上部か下部のコルクとの境目までつながっている。
・線は深めで、はっきりとしていることが多い。
クラリネットのひび割れが起こるのはほとんどが上管
クラリネットの管体割れを起こす場所のほとんどが、上管です。
この理由は、のちほどクラリネットがひび割れする原因と共にご説明します。
クラリネットの上管の中でも特にひび割れを起こしやすい場所は、
・「ラ」のキーのあたり
・上管のサイドのキーの一番上のタンポの周り
・上管の一番上の黒い部分と金属のリングの境目
などが挙げられます。ご自身のクラリネットがひび割れしていないかチェックしてみてください!
万が一、クラリネットのひび割れを発見したら、いち早く修理に出す必要があります。クラリネットのひび割れを見逃さないように楽器の状態は定期的に点検するようにしましょう。
割れているかどうかわからないときは
クラリネットがひび割れしているかどうかを自分で判断できないときは、楽器屋さんなど修理のプロに聞くのが1番です。
クラリネットのひび割れは、初めは自分でも気づかないくらい小さな変化であることが多いです。割れが進行してしまうと、大規模な修理が必要になってしまって
クラリネットを健康に維持するためには、定期的な点検と修理が必要です。
クラリネットがひび割れしてしまったら
クラリネットのひび割れを発見したら、すぐに修理に出しましょう。
クラリネットのいちど割れてしまった場所は、またたく間に割れが広がってしまいますので、いち早く対処することをおすすめします。
クラリネットのひび割れを起こしてしまったときにどうしたら良いかお伝えしていきます。
クラリネットのひび割れはプロに頼もう
クラリネットの割れは楽器修理のプロに直してもらいましょう。自分で接着剤などで対処する人もいるようですが、あまりおすすめできません。クラリネットの管体は音色を作るひとつの大切な場所ですので、専門技術を持った人にしっかり直してもらうのが良いです。
もしすぐに修理に出せない場合は、それまでその楽器を使用するのをやめた方が良いです。いちど割れてしまったところは、楽器を使用しているとどんどん広がっていくおそれがあります。修理に出せるまで、代わりの楽器を使用するなどしてしのぎましょう。
クラリネットのひび割れはいち早く治さないと大変なことに‥‥
クラリネットがひび割れしていたら、見て見ぬふりをしては絶対にいけません。
放置した結果、割れが広がってしまうと、ひどい場合は修理不可能になって管体を交換しなければならない事態になることもあります。
クラリネットのひび割れの修理は、「◯センチにつき〇〇円」などと、センチ単位で料金が変わってくることも多いです。割れが広がると修理の費用が高額になってしまします。
クラリネットのひび割れは完全には治らない?
クラリネットのひび割れ修理は、割れてしまったところを埋めるために接着剤や同じ材質の木の粉を使います。
楽器屋さんなどで割れの修理は可能ですが、割れている箇所を埋めているのであって完全に元通りになっている訳ではありません。
とはいえ、クラリネットのひび割れの修理をしてもらうと、まるで元通りのようにきれいに仕上げてもらえます。
クラリネットがひび割れする3つの原因と対策
クラリネットを割らないためには、クラリネットの管体が嫌う3つの刺激を避けるようにしましょう。
クラリネットの管体が嫌うのは、
「温度差」「湿度差」「風」です!
以上の3つのことを避けるためにどんなことをしたら良いのかご紹介していきます。
1.クラリネットは温めてから吹こう!
クラリネットは冬場に割れやすいというのを聞いたことがあるのではないでしょうか?
クラリネットは管体の内側と外側の温度差が大きいと割れやすくなります。
冬場は管体の外の温度が下がりますよね。そこへ暖かい息をいきなり入れてしまうと、管体の内側の温度が上がり、外側との温度差に楽器がびっくりしてしまうことによって、割れてしまうことがあります。
管体の内側と外側の温度差を減らすために、クラリネットを吹く前は楽器の外側を温めてから吹きましょう!
クラリネットの正しい温め方
よく、音を出す前に、楽器の中に息を「フ〜」っと入れて温めている人を見ます。これはクラリネットのひび割れを防ぐには効果がまったくありません。
クラリネット割らないようにするためには、楽器に息を吹き込む前に、楽器の外側を温める必要があります。
理由は、先ほど述べたように、クラリネットのひび割れは管体の内側と外側の温度差からくるからです。
楽器を吹く前に、手で管体(黒い木の部分)を温めてあげてください。
手が冷えているときは、カイロなどで手を温めてから楽器を触るようにすると良いです。間違ってもカイロを直接管体に当てたり、暖房器具で楽器を温めたりしてはいけません。
冷えている楽器が急に温まると、ひび割れの原因となります!
人肌くらいの温度で少しずつ温めるようにしましょう。
2.スワブをマメに通そう!
クラリネットの管体に水が溜まったまま放置していると、木(管体)が水分を吸って湿度が高い状態になります。
その後、吹き終わったあとの乾燥した状態になったときに、木が大きな湿度差を感じると、割れにつながります。
みなさん、スワブはどのくらいの頻度で通していますか?
クラリネットのスワブは10分に1回くらいの頻度で通すように心がけましょう!合奏中やレッスンの最中でも、吹いていない時間を見つけては、マメに通すべきです。
スワブを通さないと、クラリネットの内側に水滴が溜まってきますよね。水分の放置はクラリネットに大きな負荷を与えてしまいます。木の劣化を早める原因にもなりますので、とにかくスワブはマメに通すように意識しましょう!
3.クラリネットが風にあたるのはNG!
あまり知られていないかもしれませんが、クラリネットは風の刺激にも弱いです。湿度変化に弱い話にも通じますが、乾燥したエアコンの風がクラリネットに直接あたると割れを引き起こすおそれがあります。
冷房・暖房ともにエアコンの風邪はクラリネットには大敵です。部屋の中でも、エアコンが直接あたるような場所や、夏場の扇風機の風は避けるようにしましょう。
外の風を避けるために、外や廊下を移動するときは、クロスで楽器を覆うことをおすすめします。楽器を吹いていないときは、こまめにケースにしまう癖をつけてると良いです。
クラリネットは繊細で刺激に弱いです。大切な楽器を割らないためにも、以上のことをしっかりと心がけましょう。
まとめ
・クラリネットのひび割れは上管に起こりやすい
・割れを引き起こすのは温度差や湿度差、風の刺激。
・割れを防ぐには、「冬場は楽器の外側を温めてから吹く」「スワブはマメに通す」「風に当たらないようにする」などの対策が有効。