クラリネットのリードについて質問に答えました

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こんにちは、クラリネットのクズシマです。

YouTubeのコメントでいただいたクラリネットのリードに関する質問が、良い質問だったので、質問と回答をシェアしたいと思います。質問者さんありがとうございます!

いただいた質問は大まかにこのような内容でした。

「リードは2、3本ずつ開けて、割れたら変えています。この方法は良くないのでしょうか」

レッスンに行った学校でも、このように少しずつリードを開けて吹いているという方を結構見かけます。おそらく、このような方法でリードを開けている方は少なくないのではないでしょうか。

しかし、この方法はあまり良くないと思います

理由は二つあります。それは、
・リードが長持ちしない
・リードを選ぶ感覚が育たない

ということです。ひとつずつ解説していきます。

クラリネットのリードは時間をかけて育てるもの

開けたばかりの状態のリードを長時間吹くと、ヘタってしまい、一気に劣化させてしまうことになります。そのため、クラリネットのリードは育てます。

リードを育てるとは、リードを少しずつ慣らしていくことです。

クラリネットのリードの育て方

クラリネットのリードは1箱に10枚入りのものがほとんどです。リードを買ったらすべて開けましょう。

そして、開封した日はほんの30秒くらいしか吹きません。1分も吹いているとリードの先端が透明になってくるかと思います。この状態のまま吹き続けているとリードは物凄いスピードで劣化してしまいます。

先端が透明にならない程度の短い時間の慣らしを最低でも2週間くらいはおこないましょう。そうすると、だんだんリードの先端が透明にならずに、長時間の演奏に耐えられるものに育ってきます。

2、3本では育てる効率が悪い

育てている間は他のリードを吹かなければいけません。たった2、3本開けるだけでは、練習するリードが追いつかないかと思います。

リードはある程度育てば長時間演奏できるようになりますが、それでもずっと吹いていたら寿命がきてしまいます。新しいリードとずっと吹いているリードを吹き比べた時に、ずっと吹いているリードが「なんか響かないな」と感じたら、それはもうリードの寿命です。

リードはできるだけ、多くの枚数のサイクルで育てたほうが、結果的に長持ちします。「一気に開けてしまうのはもったいない」という気持ちがあるかもしれません。しかし、数枚ずつしか開けないと同じリードをずっと吹いていることになってしまいますので、結果的にリードの劣化を早めてしまうことになるのです。

クラリネット吹きならリードを選ぶ技術は必須

私たちプロのクラリネット奏者が本番に向けて「自分史上1番きれいな音を出したい!」と思ったら、何をするか。そうです、リードを選びます!

クラリネットできれいな音色を出す方法

「良い道具を使って、最適な奏法で吹く」

クラリネットできれいな音色を出す方法はこれにつきます。プロとかアマチュアとか学生とか関係ありません。みんな同じです。

ちなみに、道具というのは「楽器」「マウスピース」など、そして「リード」です。道具の中で、リードは簡単に変えることができます。

そして、リードには個体差があるので、選ぶという行為が必要になってきます。クラリネット吹きで有る限り、クラリネットのリードを選ぶ努力は1ミリも惜しんではいけないと私は思っています。

良いリードを選ぶ技術をつける方法

良いリードがどんなリードかあまり良くわからないという方は、リードの吹き比べが足りません。良いリードを選ぶ技術をつけるためには、たくさんのリードを吹き比べるしかありません。

リードをいちどに2、3枚ずつしか吹かないということは、2、3枚のリードの中からしか選んでいないということです。もしかしたら、その2、3枚のリードの中には良いリードが1枚もないかもしれません。

絶対的に良いリードなど存在しません。リード同士で比べて1番良いものを選ぶというのが「リードを選ぶ」ということです。

1箱買って、10枚のリードが手元にあるのでしたら、その10枚を比べない理由はありません。新しいリードからだんだん育てていく過程で、良いリードの順位が変わっていくかもしれません。そういうことも良くあります。

そうやって「リードを選ぶ」ということを練習していくと、クラリネットの音色の美的感覚がどんどん身について、結果的にきれいな音を出せるようになっていきます。

きれいな音は、それを探そうとした人にしか手に入りません。クラリネットのリードはたくさん(せめて10枚)の中から選んで、とっておきの1枚を大切な演奏の場で使うようにしましょう。

まとめ

クラリネットのリードは1箱買ったら、一気に開けましょう。
なぜなら、クラリネットのリードは「育てる」ことと、「選ぶ」ことが必要だからです。育てることと、選ぶことの両方において、たくさんのリードをローテーションして吹いたほうが都合が良いでしょう。

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