みなさんは、クラリネットの基礎練習では、どんな練習をおこなっていますか?「ロングトーン」「タンギング」「音階練習」が基本としてあげられるかと思うのですが、それに加えて「エチュード」を練習することもとても大切です。

エチュードとは?

エチュードとは「練習曲」のことです。合奏やアンサンブルなどの曲の練習をする前に、曲を練習する練習であるエチュードを吹くと、いいことがたくさんあります。

クラリネットの初心者がエチュードを練習するメリット

エチュードを練習するとクラリネットの上達の効率が良くなりますし、より確実なテクニックが自分のものになります。エチュードを練習すると具体的にどんなメリットがあるかというと。以下の通りです。

  1. 様々な種類のテクニックを集中的に練習できる
  2. 楽譜を読む力がつく
  3. 音楽的に演奏する力がつく

 1.様々な種類のテクニックを集中的に練習できる

エチュードは一曲一曲が「このテクニックを上達させてほしい」という狙いのもと、作曲されていることが多いです。
例えば、「この曲は、スタッカートを徹底して練習してほしい」「たっぷりとレガートで歌えるようになってほしい」といった、練習のときに意識すべきポイントが凝縮されていルノで、そのテクニックを集中的に上達させることができます。

楽譜を読む力がつく

吹奏楽部の生徒さんをレッスンしているときに特に思うのですが、楽譜を正確に読むことができていない人がとてもたくさんいます。

楽譜にはたくさんの情報がつまっています。音の高さとリズムだけではなく、テンポ、アーティキュレーション、表情記号などもきちんと読めていますか?

クラシック音楽において楽譜通りに演奏できることはとても大切なことです。大切なことは全て楽譜から読み取れると言ってしまっても過言ではないでしょう。楽譜を正確に読むことに慣れると、譜読みが途端に早くなります。エチュードは、楽譜を読む練習、また、楽譜にかいてあることを正確に演奏する練習にはうってつけです。

音楽的に演奏する力がつく

クラリネットを演奏する楽しみは、音楽を表現することができることだと私は思っています。楽譜に書いてあることが正確にできるようになったら、しっかり歌って演奏することを意識することが大切です。

フレーズのはじまりと終わりや、フレーズの山(1番盛り上がるところ)に注意して、機械的な演奏にならないように、楽しんでエチュードを演奏してみましょう。練習室の中で修行僧のように黙々と演奏するのではなく、人前で吹いていることを意識しながら練習するのがおすすめです。

クラリネット初心者におすすめのエチュード

「初心者だからエチュードを練習するのはまだ早いのではないでしょうか?」といった声を聞いたことがあります。答えは「いいえ」です。

なぜなら、初心者のころからやさしいエチュードを使って練習すると、楽譜を読んでそれを音にすることに慣れるので、曲を吹くときにスムーズになり、効率よく上達していくことができるからです。

クラリネットをはじめたばかりの方におすすめなのは、「グルーサン/クラリネット学習のための合理的原則」


グルーサン/クラリネット学習のための合理的原則

クラリネットを初めたばかりという方にはグルーサンの「クラリネット学習のための合理的原則」をおすすめします。ロングトーンやたったふたつの音の移行の練習から始まっているので、段階的にクラリネットの基礎の基礎を学ぶことができます。

私は吹奏楽部に途中入部をたため、同級生より数ヶ月遅れてクラリネットをはじめたので、はじめは合奏に入れず、一日中このグルーサンのエチュードを練習していました。全部練習しようと思うと、結構時間がかかるのですが、コツコツ練習するのが好きな人には向いていると思います。
クラリネットをはじめたばかりの人向けに、吹奏楽部がある学校に一冊は置いておいてほしいくらいです。

一度は吹きたいクラリネットのエチュード「ランスロ/26のエチュード」は初心者でも吹ける


ランスロ/26のエチュード / プリマ楽器

クラリネット吹きなら一度は通りたいエチュードは、J.ランスロの「26のエチュード」です。クラリネットの名プレイヤーであり、指導者としても素晴らしい功績を残したジャックランスロ による、初心者のためのエチュードです。

はじめは、2分音符中心で低い音域しか使わない曲ゆっくりとした曲から始まり、番号を重ねるごとに、音域広がり、調合が増え、早いテンポの曲が出てきたり、と段階的に難しくなっていきます。

J.ランスロの「26のエチュード」は旋律が美しいのも魅力のひとつで、演奏していて楽しいです。楽しみながら、テクニックが身につくので一石二鳥でしょう。
後半にいくにつれて、結構難しい曲もあるのですが、はじめのほうは、クラリネットをはじめた初心者の方でも演奏できます。クラリネットを初めて割と早い段階(数ヶ月〜半年くらい?)でこのエチュードに着手しても良いと思います。

もっと上達してきたら、ローズ32のエチュードにもチャレンジしてみましょう!

まとめ

ロングトーン、タンギング、スケールの練習にくわえて、エチュードの練習はとても大切です。なぜなら、エチュードを練習することは「曲を演奏する練習」として、曲を吹くときに大切なことをたくさん学ぶことができるからです。クラリネットの初心者の方も積極的にエチュードを練習しましょう。

集中的に一つのテクニックを上達させたり、楽譜を読み取る力がついたり、音楽的な表現力が身についたりと、エチュードを練習するといいことだらけで、効率良く上達することが可能になります。

クラリネット初心者におすすめのエチュードは、クラリネットをはじめたばかりの方には、「グルーサン」次の段階では「ランスロの26のエチュード」です。