チンドン屋は、シチュエーションに応じてさまざまなジャンルの曲を演奏します。
たくさんの曲のレパートリーをもっているチンドン屋ですが、「チンドン屋ならではの曲」というのは意外と少ないのです。
こちらで紹介する5曲さえ知っておけば、チンドン屋の曲について詳しくなれます!



1.竹に雀

チンドン屋の曲といえば、竹に雀、通称「タケス」です。
竹に雀とは、竹に雀が止まっている絵面のように「取り合わせの良いもののたとえ」です。
タケスはもともと、下座音楽といって歌舞伎などの舞台袖で演奏される音楽として、三味線などの邦楽の楽器で演奏される曲でした。

チンドン屋では、はじめの一曲として演奏されることが多く、また、チンドン屋なら誰でも知っている曲です。

2.千鳥

タケスに並び、千鳥もチンドン屋の代表曲です。
チンドン屋によって軽快に演奏される「千鳥(ちどり)」も、もともとチンドン屋の曲として作られたのではなく、箏の合奏などで演奏される邦楽の定番曲でした。
日本らしいメロディーとお囃子のリズムが、街を賑やかします。

3.美しき天然

「天然の美」とも呼ばれるこの曲は唱歌で、明治時代に女学校で唄われていました。
3拍子にのせて、もの悲しい旋律が歌われています。
チンドン屋の曲として以外にも、サーカスの曲としてよく演奏されるそうです。チンドン屋の間では、「天然」と略されています。

4.ドンドレミ

「ドドレミ〜♪」という音からはじまることから「ドンドレミ」というタイトルがついたこの曲も、チンドン屋の曲の大定番です。
チンドン屋にはクラリネットやトランペットなどの♭Bのキーの楽器が多いため、♭Bのキーで演奏されることが多いです。

5.四丁目

チンドン屋の仕事終わりの曲として演奏されるのがこの曲。「しちょうめ」と読みます。
こちらもタケスと同じく下座音楽として演奏されていたようですが、いつしかチンドン屋定番曲になりました。

チンドン屋の曲の楽譜

チンドン屋の曲の楽譜を探してもなかなか見つかりません。
それは、チンドン屋は楽譜を見て演奏しているのではなく、「吹いて伝える」「聴いて覚える」というスタイルで、曲を語り継いでいるところが多いからです。
なので、チンドン屋によってそれぞれ微妙にメロディが異なっていることもあります。

チンドン屋の曲の楽譜を探していたら、なんとクラリネットのアンサンブル譜をたくさん出版しているクラリキャット(by音楽の絵本)さんが、「チンドン屋メドレー」を出版していました!驚き!

「竹に雀」「美しき天然」「四丁目」のメドレーだそうです。編曲者の方のコメントに「なるべく雑に演奏するのがポイント」と書いてありました。なるほど、、、。

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チンドン屋は懐かしい曲から、最近の曲までさまざまな曲を演奏しますが、チンドン屋ならではの曲、というのは以下の5曲くらいかもしれません。

竹に雀(タケス)
千鳥(チドリ)
美しき天然(天然)
ドンドレミ
四丁目(しちょうめ)


この5曲を覚えておけば、チンドン屋のレパートリーの基本はすべておさえることができたと言ってよいでしょう!