アンブシュア

クラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直す方法

クラリネットを吹くことに少し慣れてくると、「噛みすぎ」なアンブシュアになりがちです。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアで吹いていると唇が痛くなってしまいますし、響きがない音色になってしまいます。

「噛みすぎ」とはどの程度のことなのか、噛みすぎてしまう原因について解説し、クラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直すことのできる方法をお伝えします。

音に響きがないと言われてしまう」「音が均一に鳴らない」「口が疲れやすく、唇が痛くなりやすい」という方は、もしかしてクラリネットを吹くときに噛みすぎているかもしれません。

このコラムを読んで実践すれば、噛みすぎアンブシュアを改善して響きのある良い音色を作ることができるようになります!

クラリネットの噛みすぎアンブシュアが良くない3つの理由

ここからはクラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いていると、なぜ良くないのかという理由を3つ紹介していきますが、この3つはクラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人の特徴でもあります。

上手にクラリネットを吹いている人の中にも噛みすぎたアンブシュアで吹いている人がたくさんいます。

なかなか、自分で気づくことのできない「噛みすぎ」の状態。
以下の3つのことが当てはまる人は噛みすぎアンブシュアかもしれません。

響きがない音色になる

「噛みすぎ」というのは、言い換えると「リードを下唇で押さえつけすぎ」ということです。

クラリネットを吹くときにリードを押さえつけて吹くと、響きのない音色になってしまいます。音に響きをつけるためには、リードは押さえつけすぎず、自由に振動させてあげる必要があります。

音程が高くなる

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人は「異様に音程が高い」という特徴があります。

音程は、口を締めると高くなります。アンブシュアを作るときに締めるのは唇の筋肉であって、噛むこととは異なります。

音程が上がりすぎて困っている人や、特定の音の音程だけ異様に高くなりやすい人は、噛みすぎかもしれません。

口が痛くなる

クラリネットを長時間演奏していれば、誰でも下唇が少し痛くなってきます。

あぶらとり紙などの髪を挟む対策をしても、痛みがひどい場合や上の歯も痛むようでしたら、噛みすぎたアンブシュアで吹いている可能性が高いです。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアの原因

クラリネットをはじめてしばらく経つと、だんだん慣れてきて、吹くときに力が入ってきてしまう人が多いです。

吹奏楽部のクラリネットパートのレッスンをしていても、1番トップを吹いている方が噛みすぎたアンブシュアで吹いていることがよくあります。

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いてしまうのは大きくふたつの原因がありますので、それぞれ解説していきます。

息が足りない

少ない息やスピードの遅い息で音をしぼり出そうとすると、口に余分な力が入ってしまい、噛みすぎたアンブシュアになってしまうことが多いです。

クラリネットの音を出すのは口を締める力(噛む力)ではなく、です。
自立したスピードのある息をお腹で支えながら吐き出すように意識しましょう。

リードが厚すぎる

厚すぎるリードで吹いている人は噛みすぎのクセがつきやすいです。

とはいえ、クラリネットを吹くには、ある程度リードに圧力をかける必要があります。

比較的厚いリードを吹くときは、薄いリードを吹くときに比べて、圧力がいります。しかし、必要以上の圧力をかけすぎて、結果的に噛みすぎの状態になってしまうおそれがあります。

どこまでが、ちょうど良い塩梅で、どこからが噛みすぎなのかは、クラリネットから出ている音(音色)で判断するしかありません。

「音程は合うか」「音に響きがあるか」「周りに馴染む音か」といったことが判断材料となります。逆の言い方をするならば、音がよければ問題はないということです。

クラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直す方法

ここからは、いよいよクラリネットの噛みすぎアンブシュアをすぐに直す方法をお伝えしていきます。

この方法を師匠に教えてもらうまでは、
自分の生徒さんに「噛みすぎだと思うので、噛まないようにしてください」と言っても全然伝わりませんでした。
当たり前です。力を入れないようにという指示ほど難しいものはありません

まず。力をぬいた状態の感覚をつかむことが、噛みすぎないちょうど良いアンブシュアを作る近道なのです。

自然とあごの力が抜けてしまうクラリネットの吹き方

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いているときは、アゴに力が入っている状態となっています。この力を強制的に抜くことで、噛みすぎていない状態の感覚をつかむことができます

以下の方法でクラリネットで音を出してみてください。

1. 楽器をかまえてアンブシュアをつくります。
2. 上の歯がマウスピースから離れるくらい、パカっと口を開けて息を吸います。
3. いきなりマウスピースを加えて音を出してください。音は開放の「ソ」の音くらいがよいでしょう。(このときアンブシュアがきちんとできていなくても大丈夫です)

こんな感じです。

どうですか?ふにゃふにゃの音しか出なかったと思います。いきなりクラリネットを吹くことで、噛みすぎのクセがでる暇もなく、強制的にアゴの力が抜けた状態が作られました。

この方法でしっかり音を出すのには、息がたくさん必要なはずです。
本来、クラリネットを吹くには、この方法でもしっかりと音が出るくらいの息(の量とスピード)が必要なのです

これはあくまでも「力をぬく感覚をつかむための練習」なので、正しいクラリネットの奏法ではありません。

しかし、このときの力が入っていない感覚をつかむことが、噛みすぎないアンブシュアを作る大切なヒントとなります。

繰り返して感覚をつかもう

この「強制的に力を抜く吹きかた」と「いつも通りの吹きかた」を同じ音で何度も交互に繰り返してみてください。どちらのときも、しっかりと息を使って吹くことを意識しましょう。

「強制的に力を抜く吹きかた」では、音色はふにゃふにゃかもしれませんが、響きがある音が出るはずです。

クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人は「いつも通りの吹きかた」をしたときに、響きがない音になっていることに気づくことができると思います。

最終的には、いつも通りの吹きかたでも、アゴに力が入りすぎず、噛みすぎないで響きのある音が出せるようになることがゴールです。

噛みすぎているという感覚と音がわかれば、クラリネットの噛みすぎアンブシュアはすぐに直すことができます。まずは気づくことが1番大切です。自分の音によく耳を傾けてみましょう。

「アゴに力が入りすぎているかな?」「噛みすぎたアンブシュアになっているかもしれないな」と感じたタイミングや、1日の練習の初めのほうで、この練習を試してみてください。

いちどクセがついてしまうと。「力を抜こう、噛まないようにしよう」と意識しようとしてもなかなか正しい奏法へ持っていくことは難しいです。

強制的に噛まないアンブシュアを作る方法を利用して、ちょうど良い具合のアンブシュアの噛み具合を目指しましょう。

まとめ

・クラリネットを噛みすぎたアンブシュアで吹いている人は、響きのない音色だったり、音程が高かったりするほかにも口が痛くなりやすいです。

・噛みすぎの原因は、クラリネットを吹くための息が足りなかったり、厚すぎるリードを使用している事などが考えられます。

・このコラムでご紹介した「強制的に力を抜く方法」を使って、噛みすぎている感覚、響きがあるないの音をつかむことができたら、噛みすぎアンブシュアはすぐに直すことができます。

サックスやクラリネット演奏で下唇が痛いときはあぶらとり紙を使おう!

サックスやクラリネットを練習していると、下唇が下の歯にあたって痛くなることがありますよね。長時間演奏をしていると、アンブシュアの関係で下唇が痛くなるのは自然なことです。

下唇が痛いときはあぶらとり紙(またはクリーニングペーパー)を下の歯に巻くことをおすすめします。

下の歯に巻くのに向いているあぶらとり紙やクリーニングペーパーをご紹介するほか、あぶらとり紙を巻くときの注意点や、痛みの原因の「噛みすぎ」を防ぐ方法もお伝えしていきます。

サックスやクラリネット演奏で下唇が痛いという悩みを解決していきましょう!

サックスやクラリネットでアンブシュアを作ると下唇が痛い?

サックスやクラリネットではアンブシュアを作るときに、下唇を下の歯にかぶせます。そのため、演奏をしていると下唇に歯が当たり、痛くなってくることがあります。

あまりにも痛みが強かったり、短時間の練習なのに下唇が痛くなってしまう方はアンブシュアを作るときに「噛みすぎ」の可能性があります。

長時間吹けば下唇が痛くなるのは当たり前のこと

サックスやクラリネットのアンブシュアは、下の歯がリードにあたるのを防ぐために、下の歯に下唇を巻いて作ります。
そして、マウスピースをくわえて演奏をするときには下唇に若干の圧力をかけるので、長時間練習をしていたら下唇が痛くなってしまうのは当たり前のことです。

サックスやクラリネット奏者の中にも、下唇の痛みに対する対策をおこなっている人はたくさんいます。実際にクラリネット奏者である私も、下唇が痛いときはあぶらとり紙を下の歯に巻いています。

短時間の練習でも痛くなる人は「噛みすぎ」かも?

サックスやクラリネットのアンブシュアを作るときに、「噛みすぎ」ていると、すぐに唇が痛くなってしまいます。マウスピースにあてている上の歯が痛いという方も、おそらく「噛みすぎ」でしょう。

「噛みすぎ」はリードの響きを止めてしまうので響きのない音色になってしまうため、奏法的にもよくありません。

アンブシュア(唇や歯)は楽器を吹くときの息の通過点であって、余計な力は必要ありません。音を出すのは息の力です。噛みすぎのアンブシュアにならないように注意しましょう。

あぶらとり紙を巻いているのに下唇が痛いという方は練習のしすぎか、噛みすぎの可能性が高いです。

下唇の痛みにはあぶらとりがみを巻こう

サックスやクラリネットの演奏で下唇が痛いという方は「あぶらとり紙」を下の歯に巻くことをおすすめします。あぶらとり紙を巻くだけで演奏時の痛みは大幅に減りますよ!

あぶらとり紙の巻きかた

1.あぶらとり紙をきれいに折りたたんで、下の歯に巻きやすい大きさにします。2センチ×1.5センチくらいがベストだと思います。

2. 折りたたんだあぶらとり紙を下の歯にかぶせます。(横向き)下の歯の噛み合わせのところがあぶらとり紙の真ん中にくるようにすると安定します。
3. あぶらとり紙が湿ると馴染んでくるので、そのまま楽器を演奏できます。
4. 練習が終わったらあぶらとり紙は捨てましょう。

あぶらとり紙を巻いて演奏するときの注意点

口に入れるものなので、あぶらとり紙は清潔な手で触るようにしましょう。いちど口から出したあぶらとり紙は捨てて、新しいものを使用するようにしてください。

たまに、おしろいの粉がついているタイプのあぶらとり紙がありますが、粉が口に入ってしまうと身体によくありません。そういったタイプのあぶらとり紙は使用しないようにしてください。

また、溶けやすいタイプのあぶらとり紙は噛んでいるうちにだんだん溶けて呑み込んでしまった、、なんてことになりかねませんので、おすすめしません。

無印良品のあぶらとり紙がおすすめ

下唇が痛いときのあぶらとり紙は「無印良品」のものがおすすめです!

私も15年以上愛用していて、これまでにどれだけ無印良品のあぶらとり紙を買ったことでしょうか‥‥。

無印良品のあぶらとり紙をおすすめする理由は3つあります。

1. 溶けない

サックスやクラリネット演奏で下唇に挟むあぶらとり紙で1番大切なのは「溶けない」ことです。
あぶらとり紙もクリーニングペーパーも口の中に入れる用に作られていないので、水に溶けたり、濡れると柔らかくなってしまったりするものがほとんどです。
無印良品のあぶらとり紙は、長時間演奏しても溶けたり柔らかくなったりせず、ずっと同じ状態をキープしてくれます。

2. 大きさがちょうど良い

無印良品のあぶらとり紙は4回折りたたむと、先ほどの写真の大きさになります。このままきれいに下の歯に巻くことができて、とても良いです。

ほかのあぶらとり紙を使っていたこともあるのですが、大きさがちょうど良いものがなかなかありませんでした。少しでも大きかったり小さかったりすると、口の中であぶらとり紙の位置がずれて演奏しづらいです。

3. 生産が安定している

私がクラリネットを演奏するにおいて、無印良品のあぶらとり紙はなくてはならない存在です。私が記憶している限りでは値段や枚数が変わることはあっても15年以上同じ大きさ、ほぼ同じ品質で販売され続けています。

無印良品のブランド力のおかげで、下唇の痛み対策に困ることなく演奏が続けられています。大きなブランドの製品ならではの安定した生産はありがたいことです。

以前は無印良品の商品がファミリーマートで買えて便利でしたが、最近は無印良品の専門店に行かないと買えないので、私はいつも10個くらいまとめ買いしています。
無印良品のあぶらとり紙は以下のリンクからも購入できます!

無印良品 あぶらとり紙 7715224 1袋(100枚入) 良品計画

クリーニングペーパーとあぶらとり紙どっちが良いの?

あぶらとり紙、クリーニングペーパー、どちらを使用しても良いです。使いやすいものを使うのが1番でしょう。

クリーニングペーパーを使用する際も、溶けやすいものが多いので、溶けにくいものを選びましょう。

ただ、クリーニングペーパーはあぶらとり紙より値段が高いので、私は使用していません。使いやすいと感じる方はクリーニングペーパーを使っても問題ありません。

下唇に巻くクリーニングペーパーでおすすめなのはギャラックスのものです。
厚すぎないのに溶けにくく、違和感なく口の中に入れることができます。


GALAX ギャラックス クリーンペーパー 3個セット

まとめ

・サックスやクラリネット演奏で下唇が痛いと感じる人はあぶらとり紙を下唇に巻きましょう。

・使用するあぶらとり紙は、溶けなくて大きさがちょうど良いものである必要があるため「無印良品のあぶらとり紙」をおすすめします。

・あぶらとり紙を巻いているのに下唇が痛いという方は、楽器を吹くときに「噛みすぎ」の恐れがあります。「噛みすぎ」は響きのない音色になってしまうので良くありません。